しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

鳥人戦隊ジェットマン 第1話

つべで「ゴーカイジャー」の配信が開始されたので、ジェットマン回までに本編の感想を書こうという試み。

どっちも腐る程観てるし、Twitterの方で何度かつぶやいてもいるので今更感もありますが、この機会にまとめておきたいというのもあるので。

色々やり残した企画もあるのですが、それはまた後程・・・。

 

 第1話「戦士を探せ」

 

19分程度と短い放送時間の中で、物語の土台作りに必要な情報を過不足なく挿入していく、テンポの良さが光る初回。

 

▼竜とリエ

人目をはばからずイチャイチャしたり、コンビ解消を嫌がって見せたり、見事なバカップルっぷりを見せつける二人ですが、息の合った連携と自ら身を投げ出して人命救助に勤しむ姿を通じて、戦士としても高いスキルを持ったコンビであることを描写。

同じ勇気と志を抱くものとして描くことで、二人の絆が何を以て育まれたのかを視聴者に伝える。そこを足掛に、リエを失った竜の苦痛の大きさを視聴者に想像させるというのが巧い構成。

 

▼小田切綾「あなたは既にジェットマンなのよ」

リエの死を信じたくない竜に現実を突きつけ、尚も地球を守る戦士として戦わせるスパルタな長官。シビアな目線もそうですが、錯乱状態の男性現役軍人(肉体強化済み)を当て落として、崩壊する宇宙基地から地球へ生還するという驚愕のサバイバルスキルも目を引きます。

そんな化け物が、愛する者を失って絶望する部下に与えたのは、ヒーローの使命と力。

生きる上での軸を失った個人に、大きな使命とそれに見合った力を与えたらどうなるのか、というのは「マスクマン」や「ターボレンジャー」でヒーローを心の強さという視点から描いた井上敏樹らしい視点であり、非常に興味深い所。

 

▼天堂竜「関係ない?君はバードニックウェーブを浴びたんだ!」

戦いを拒む雷太を、ジェットマンに引き入れようとする竜の言葉。

偶然備わった力を持っているという一点で、雷太の意思を度外視して彼を戦いに巻き込もうとする竜。コミュ障というよりは、人類の為に自分の意思を犠牲にするのは当然の事という傲慢が見え隠れする所です。

優しさと勇気で戦う戦士というよりは、大義の下で己を押し殺し、任務に忠実な戦士としてのあり方を求めているのが今の竜であり、そうした自己否定的な考え方の根底には、リエの死が深くかかわっていると言えるでしょう。

生きる望みを失い、自分の人生と向き合えない。だからこそ、自らの意思や生を否定するものを求め、それが戦士の使命であり力であった。

生きて未来を見据えることもできなければ、かといって、積極的に死を選ぶこともできない。そんな中途半端な自分のあり方をごまかす為に、大義の下で戦う戦士として、ヒーローの力を利用しようとしている。

愛する者を失い、歪んでしまった歴戦の勇者。冒頭でかっこよく立ち回る竜の姿を見ていただけに痛々しい。