第2話「第三の戦士」
▼結城凱「気安く触るんじゃねえ。俺は納豆と男が大嫌いなんだ!」
初っ端からギャンブルに興じ、負かした対戦相手とデートにしゃれ込み、イカサマを指摘した相手を殴り飛ばす強い不良キャラを大胆にアピールする凱。
他者の為に身を投げ出す竜と、喧嘩の一環で拳を奮う凱の対比が、初登場の場面から効いているというのは面白い点。
▼似た者同士
「人類なんて滅んだ方が良いんじゃねえのか」と嘯き、人類の為に戦う姿を「いい子ぶりっこ」と切り捨てる凱と、「地球が危ないんだぞ!個人的な感情は問題じゃない!」とあくまでも凱を戦士として引き入れようとする竜。
大義の為に自分を殺すことを是としない凱ですが、自由を謳歌するにはバイラムと戦って生き残らなければならないという現実と、バイラムと戦って命を落とすことへの躊躇の矛盾を解消するために、竜に突っかかっているようにも見える。
竜が人生の欠落から目を逸らす為、ジェットマンとしての使命に依存するように、凱もまた最もらしい理屈をつけて、戦わない自分を肯定しようとしている。
ベクトルの違いで争いながらも、その根底の部分で似通う両者。ただ、実力の面では現役軍人の竜が上手で、且つ彼の主張に大義が備わっているだけに、凱の方がワルとして映ってしまう所。そこが美味しい所でもあるのでしょうが。
▼ファイタージゲン
ジゲン虫に取りつかれた綾のジェット機が変身。
機体に虫が入り込むと同時に、血管が浮き出て触手が伸びる演出は中々グロテスク。
ハードな展開と刺激的な台詞の応酬が目を引く作品なだけに、気色の悪いビジュアルが味となっていてよろしい。
最期は漏れたオイルで濡れた個所を撃たれて爆死。そこに目を付けた竜の戦士としてのスキルの高さが改めて伺える所。
▼戦うきっかけ
最初は金目当てで戦いに参加したアコも、自分が襲われたことで危機感を強め、地球の為に戦う決意をした様子。畑を荒らされ雷太もそうですが、竜から抽象的な使命感を押し付けられるよりも、個人的な経験が戦う動機に直結するというのが自然な所。
自分を愛するからこそ、自分が味わった恐怖や嫌悪を誰かに味合わせたくないし、悲劇を繰り返したいとは思わない。一般人が、自己肯定の気持ちを前提に、地球の為に戦う決意を固める場面を描くことで、今の竜の歪さが浮き彫りになる。リエを失う前の竜もまた、同じような経験を経て戦士になったんだろうなあと思わせつつ。
▼長官サバイバル
乗っていたジェット機がファイタージゲンになるが、パラシュートで脱出。
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第3話「五つの力!」
▼信号無視ナンパ
仮にも戦隊ヒーローなのに、職務に励む婦警を白昼堂々ナンパした挙句、気を引くためにわざと信号無視を決め込むダメ人間っぷりを見せつける凱。
やってることが強引なのでかっこよさよりも痛さの方が強いのですが、そんな痛々しさも凱というキャラクターを反映していて、好きな場面。
▼結城凱「なんであんな奴のことが気になるんだ!」
体を張って凱を守る竜。そんな彼を尻目に敵から逃げだすも、気になってしまう凱。
他人の為に身を投げ出す生き方を体を張って証明しようとしている竜に対し、凱も感じ入るものがあったのか、はたまた竜が体を張るなら凱も自分の「正しさ」を身をもって証明するしかないと思ったのか。
とにもかくにも、凱がジェットマンに加わりました。
▼天堂竜「人間は自分の為だけに生きるのではない!」
次元獣に襲われる子ども達を助け、更には仲間として凱も助ける竜。
体を張って人を救う振る舞いは、随所で見せる戦士の資質も相まって中々かっこいい。
自己犠牲の心で戦うことを至上とする戦士ではあるのですが、他者に対する優しさが完全に消えたわけではないので、根底の所にある人を守るという気持ち自体は、けして押し付けられたものではないんだろうなあと思わせます。
▼アコ・雷太・香
生真面目な雷太、サボり癖のアコ、腹黒い香と、長官の地獄メニューをこなす中でキャラを描き分けており、竜と凱に埋もれながらも没個性ではないことをちゃんと示しています。
▼4幹部勢ぞろい
映像を通してジェットマンを攻撃するバイラム。息を吐くようにチート技使い過ぎ。
5人そろったジェットマンを前に宣戦布告するバイラム4幹部。現時点はトランのサイコ少年キャラのみが分かっているくらいで、バイラム側はそこまで面白くはない感じ。
マリアが映って喋っているのに、竜が何も気づかないというのは、話の都合を感じさせてしまう所。
▼長官サバイバル
ジャグチジゲンに襲われるも、傍に遇ったカミソリで難を逃れる。