第4話「はじけるキュアパパイア! これが私の物語!」
☆中2のパイセン
一之瀬さん、今までのプリキュアはほとんどが中2だった筈なので、あんまり先輩って感じはしないなあ(笑)
過去にあれこれあって自作の小説には自信が持てないようですが、プリキュアになる上での自信の無さに関しては、裏付けが乏しいように感じました。
前回のさんごちゃんは、幼少期の体験等を通じて、孤独を恐れる弱い心が仄めかされたからこそ、自己主張も出来なければ、プリキュアとして体を張ることも躊躇われたという風に解釈できたのですが、先輩の場合は常時一人みたいですし、学業も優秀ということで、独力で何事もそつなくこなすタイプにしか見えず、一つの事柄に対して生じた無力感が、他のそれと根っこの部分で繋がっているようには思えませんでした。
微妙な差異こそあれども、ウジウジキャラが奮起して、戦士としての一歩を踏み出すエピソードとしては、前回の劣化版という印象が強く、その為一之瀬さんの立ち位置も未だ明確にならないということで、早くも今後の描き分けに不安が生じる所です。
キャラが多すぎて空気のエレメントが増殖したというのは、ぜひとも避けてほしいなあ。
☆突然の疑問
前回自分で地球を守る戦士と言っておいて、プリキュアってなんだっけと問い直すまなつちゃん。
うーん、プリキュアを全く知らない人や、プリキュア活動に行き詰った人が問い直すというのなら、そういう疑問が湧きおこるのは自然なのですが、部活をやる兼ね合いで、プリキュアを改めて定義し直すという発想に至るのは、なんだか苦しい展開。
☆マッチポンプ感
気になってプリキュアとは何かを調べようかと思ったら、一之瀬さんのことでそんな疑問はどこ吹く風。その上、自分で「プリキュアは伝説の戦士」「先輩ならなれる」と、勝手に答えを出して、変身の条件までも決めつけちゃう有様。
根本的に移り気なのは今までの描写的に分かりますが、自分で発した問に対して、何の根拠もなく回答を出して無かったことにしてしまうというのは、ちょっと違うような。
そして、そんなまなつちゃんの勢いに押されるかの如く、同調するままのさんごちゃん。横文字が分からないまなつちゃんのフォロー役にこそ回れど、基本的には流されているようにしか見えないので、この辺はもう少し早めに立ち位置を確立して欲しい所。
☆部活決められないマン
まなつちゃんだけではなく、さんごちゃんもみたいです。
まなつちゃんと違って、コスメやおしゃれや可愛いものが好きと言う風に、方向性は定まっている感があったので、無理して何かに入る必要もないと思うのですが、それなりに自分の感性に合う部活はあるけど、どうするかで迷っているということなのでしょうか。
まなつちゃん程なんでもかんでもという感じではないとはいえ、余り立ち位置で被られても困るので、さんごちゃんはさんごちゃんの立場でキャラを掘り下げていってほしいところです。
☆おまいう
おどおどする一之瀬さんに、自分から動けとあれこれ上から目線で攻めるローラ。
うーん、確かに臆面もなく積極的に他人を利用するタイプとはいえ、実際体を張って戦っているわけでもないし、立派なおまいう案件です。
前回同じウジウジタイプのさんごちゃんには逃げろと言いながら、一之瀬さんには喝を入れたのは、先輩が人魚好きだったからというのもあったのでしょうが、それならさんごちゃんも自分を可愛いと認めてたわけですし、第一一之瀬さんの語る自己犠牲人魚のイメージと、高飛車なローラの考え方とではギャップがあるので、評価に値するかというとまた疑問ですし。
さんごちゃんと一之瀬さんとで共通するのは、共にまなつが認めていたという経緯があった点で、実際ローラもそのことに触れた上で説得に乗り出していた辺り、さんごの事で実績があったから、まなつの目を信じたということなのでしょうか。それならそれでまなつの一之瀬さん推しに最初から理解を示しても良かったところで、行動に至る心の動きが今一つ飛躍している感じで、ちょっと乗れなかったです。