しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

仮面ライダーアギト 第5話

 ・Y・床を汚すな

うたた寝から目を覚ましたオーパーツ研究所の三雲さん。床に残った足跡と謎の紋章を前に、「何かアブナイものを生み出してしまった」という自覚がようやく湧いて出た感じ。

ストレートに人間の赤ちゃんを生み出してしまったというのも十分アレだと思うのですが、自分の手で人間とは違う何かを生み出し、それが行方不明になったというのは相当ショックでしょうし、全てを隠蔽するかの如く、研究所を閉鎖し、実験は失敗したと言い張るのも道理でしょう。

前回までwktkしながら実験を進めていたのが、一つの事象を切っ掛けに気持ちが落ち込み、黒ずくめの神木隆之介にストーキングまでされてしまうという死亡フラグを積極的に立たせるという風に、天まで上げて一気に落とす、構成の手のひら返しっぷりがたまりません。

 

・Y・手のひら返しの被害者2号

テノヒラクルーの被害者は三雲さんだけではありません。コーチ×涼の師弟愛も、前回のカミングアウトを切っ掛けに音を立てて崩れてしまいました。
自分を頼ってきた涼を、会話の上では受け入れるふりをして、実際は教え子達に罵倒させて追い返し、「教え子たちが勝手に邪険にしただけで、自分はあくまでも味方である」と印象付けた上で、涼との縁を消滅させようというやり方が、凄まじく卑怯なのですが、それだけ涼のことを恐れているということでしょう。

そして、いくらコーチの命令とはいえ、かつての競技仲間をよってたかって貶し倒し、追い詰める教え子達も、中々鬼畜です。
まあ、美人の恋人がいて、競技の成績も良くて、後述の問題点もあるとなれば、嫉妬や嫌悪の感情が渦巻くのも、無理なからん話ではあるのですが、今の涼に色々事情があるのは、誰の目にも明らかなわけで、そこに便乗して、平然と追い詰めてしまうかつての仲間の残酷さと言うのは、これまで部活で巧くやってきた涼としては、ショックに映ったんだろうなあ。

 

・Y・わがままで弱虫
そんな涼ですが、割と本人にも問題はあるようなんですよね。
水泳に打ち込むあまり、彼女のことを放置したりと、お世辞にも人付き合いは巧い方では無さそうです。
「驚いたな。お前、まだ俺のこと好きなんだ。」という台詞を踏まえるに、根っこは正直なんだろうし、且つ自分の悪い部分を自覚している様にも見えるのですが、反面素面でこんな台詞を言う辺り、なんだかんだで図々しく、他人に甘えてしまう弱さを垣間見せます。

そういう本人の言動から伺える実直さ・傲慢さと、恋人が語る「わがままで弱虫」という人物評とが噛み合い、葦原涼は悪い奴ではないけど結構ダメな人間だ、ということが説得力を持って伝わってきます。

本作、白倉Pと井上敏樹が共に「シャンゼリオン」のリベンジとして取り組んだとのことですが、それだけに描写の一つ一つに意地や技巧を感じさせます。

 


・Y・100円玉本物説
勝手に他人の物を壊して、入っていたお金を勝手に使う太一は十分DQNなので、お仕置きを受けるのは当然なのですが、中に入っていた100円玉で買い食いできたというのであれば、氷川的には自説が証明されたことになりそうですが、顔つきの険しさから、美杉教授からはダメ出しをされた様子。
「証拠品が壊れ、硬貨も紛失したので何とも言えません」とか言われたのでしょうか。まあそもそも、あの証拠品一つを指して超能力の存在を裏付けるのも難しそうですしねえ。
この辺のやりとりをぼかしてしまったのは残念なのですが、いずれにせよ、得体のしれない100円玉が、そのまま硬貨として流通してしまうというのは、結構ヤバい気がします。

 

・Y・だらしない
あっけらかんとした翔一の言動は相変わらずですが、今回は美人家庭教師にデレデレというみっともなさを披露。翔一も意外に男といったところ。

 

・Y・凸凹コンビ?似た者同士?
職務内容を詳しく知らないとはいえ、アンノウンの被害者の護衛という凄まじい緊張感を伴った任務に就く自分を痴漢呼ばわりする翔一のマイペースっぷりに、氷川も怒りを覚えた様子。
現実の一断面として、目に付いたものに心を左右されがちな翔一としては、他者に対する気遣いも空気の読めないブラックジョークも、すべて同じ単純さから来ており、本人にはこれといった悪意はない様子なのですが、その単純な性質故に傷つきやすく、また立ち直りも早いということで、どうしても現状は軽い人間として見ざるを得ない感じ。
他方、氷川も氷川で、すぐムキになるところがあるようですし、振る舞いが浅はかで分かりやすいという意味では、二人とも共通しているような。