しがない感想置き場

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仮面ライダーアギト 第22話

 G3-X編①

 

第22話

 

・Y・凡人目線
ギルスとアギトの戦いに乗り込んで、ギルスにぶっ壊されてしまったG3。
そんな状況を受け、すっかりただの人扱いの尾室君が、G3自体が弱いのではと指摘。
まあ、バージョンアップを重ねてきたとはいえ、この間もクラゲ相手に苦戦してましたからねえ。
それでも、実は奥の手があるんですと新たなるG3ことG3-Xの存在を示す小沢さん。事態に対してちゃんと回答を用意している所が天才らしいところ。

 

・Y・嫌な奴VS嫌な奴
そんな天才小沢さんですが、普段北條さんのイヤミにキレ散らかしておいて、実は相当嫌な人なのではという疑いが強まるのが今回。
北條さんのV1システム開発に恩師高村が参加しているのを知るや、彼にG3-Xの存在を知らせてプロジェクト脱退を勧めたり、一方でV1システムに関しては知ろうともしなかったりと、相手を思いやっているというよりは、自分が絶対に負けないという思い上がりから、他人を見下しているだけという、イヤミな一面を見せつけました。
これは実力者(実際は違ったけど)の北條さんよりも、不器用ではあるけど純朴な氷川さんを評価する心理と根っこの部分で重なっていて、一見すると熱血姉御肌に見えるその性質は、実際は「自分が作るものが素晴らしいのだから誰が関わろうと結果に変わりはない」というナルシズムと他者軽視に他ならず、小沢さんのアレな部分をしっかり描写してきました。
元々凡人ポジションの尾室君から見て、人間的に欠陥がある存在として認識されてきた小沢さん(そんな彼が、皮肉にも彼女を今回天才と認めてしまう)が、その欠陥故に信頼していた人から嫌悪感を示されるというしっぺ返しを食らうという、筋の通った意外性が面白いです。
まあ、高村教授も中々クセの強そうな人なのですが、言ってることは正しい訳で、そんな彼のアドバイスを真摯に受け止めることなく、「私もあなたの事を嫌いになります」「知り合いが死んだ」と、責任を相手に押し付け、反省のはの字もないというのは、全くもって北條さんっぽいです。

 

・Y・視聴率10%の焼肉普及番組
亜紀の死を受け、「悲しいというより、スカスカしてる」と語る翔一と、そんな彼の言葉に耳を傾けながら、ビールを飲み、肉を食らう小沢さんの焼肉シーンは、個人的にはかなりツボだったり。
親しい(というか、完全に最後辺りは異常者扱い)というわけではなかったけど、それなりに交流を重ねた人が突然死ぬというのは、やはり戸惑いが生じるわけで、特に記憶を失って新鮮な状態で生きている翔一としては、そんな経験は初めてということで、気持ちの整理に時間がかかるのもやむなしという所でしょう。
そんな翔一に対して、一般論で慰めたり甘やかしたりするわけでもなく「どうやって穴を埋める?」といきなり問いかけに走る小沢さんに急かされるように、ウジウジをやめて肉をほおばり、頑張って日々を充実させて、亜紀の死を埋めようと答えを出す翔一。
教授とのやりとりで嫌な部分を見せつつも、一方で翔一に対しては、人としての当然の厳しさで接する一面を見せたりと、小沢さんの言動がマイナスだけではなく、プラスにも働いていいるというのが巧い見せ方。