しがない感想置き場

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仮面ライダーアギト 第33話、第34話

第33話

 

 ・Y・ 本はどうなった本は

眼鏡の人から出てきた謎の鯨もどき怪人に怯えて逃げ出し、「なんで俺がアギトなのかな」と悲嘆にくれる翔一。昔襲われたことがあるようで、その時の恐怖の記憶に支配されてどうにもならない様子。

サソリ怪人戦など、傍から見たら相当過酷な状況下でもマイペースを貫徹してきた彼ですが、自分を襲って恐怖を与えた怪人が目の前にいて、その時の状況がハッキリしないとなれば、「アギトの力を出し切っても敵わなかったので、絶望したのではないか」という最悪の可能性が先行して、楽観論で乗り切ろうにもその拠り所がないという所でしょうか。

なまじスルースキルが高いだけに、まともに現実と向き合う経験を踏んでこなかったであろう彼だからこそ、大事な所で及び腰になるという弱さが改めて露呈しました。

人並みに苦労する他のライダーを他所に、達観した神がかり的な立ち位置の人みたく扱われてきた翔一が、ここに来て人間的な脆さを露わにしてくるのが実に気持ち良い展開。

 

・Y・ G3-XのAIに協調出来ない理由

シャチ怪人との戦いでギルスの正体を知った氷川さんは、アギトの正体にも興味津々な様子。これまで命を救われた経験もあり、アギトが真っ当な人間であると信じる氷川さんは、疑念を表明した小沢さんに食って掛かる始末。

小沢さんを信用する一方で、譲れない所では絶対に持論を曲げようとしない頑固な一面が改めて強調され、無我の境地に至れない理由も良く分かるというもの。

 

 

第34話

 

・Y・即和解

亜紀さんの件で因縁があったギルスとアギトですが、互いの正体を知り誤解が解けました。翔一の話を聞き、「お前に人は殺せない」と彼を信じた涼ですが、第20話で翔一に救ってもらった経験が大きかったという所でしょう。

 

・Y・熱い(展開も新フォームも)

見るからに暑苦しいアギトの新形態「バーニングフォーム」が初登場。それに負けじと、話の展開も中々熱いです。

恐怖の記憶を克服できず、アギトとしての戦いに自信を無くしてしまった翔一ですが、「自分の為に戦って」と叱咤する真魚ちゃんと、「俺が今の俺である意味を見つけたい」と意地を張り通した涼に促される形で、もう一度アギトの力を信じるべく奮起。

1人頑張ってきた涼が、美杉家を訪れ素直に憧れを表明し、真魚ちゃんもまた翔一の菜園で採れた野菜でお弁当を作ってみたり(第15話以来ようやく・・・)、翔一の居場所の美しさを強調するのと同時に、そんな居場所を離れて逃げ惑う翔一のヘタレっぷりに喝を入れる展開として機能しており、真魚ちゃんの弁当をほおばり、宿敵が待つであろう戦場へと向かったということで、これまでどこかフワフワしていた彼が、ようやく「自分」と向き合い始めるという一歩を踏み出しました。

フワフワしていた彼だからこそ、自分の力を他人を守る力として素直に受け入れ、行使し続けられたという正の側面は大きいのですが、人間である以上それも限界があるということで、津上翔一の「傲慢」を正し、ただの人間としての在り方にシフトさせ、ヒーローとしての足場を固め直すというのが、今回のテーマということでしょう。

 

・Y・意外な強キャラ

ヘタレな翔一と力の意味を見つける為に戦う涼に対して、氷川さんの方は「命を守るのに理由は要りません」と自分のスタンスがしっかり固まっています。

勿論翔一のように達観しているわけではないし、特別な力に恵まれている訳ではないけど、自分にとって大事なものを守るために、「凡人」ながら我武者羅になって戦う氷川さんが、実は一番強いんじゃないかと言う風に、翔一がヘタレ化することで、彼の強さが見えてきます。