しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

仮面ライダーアギト 第41話、第42話

第41話

 

・Y・アギトの会勧誘活動

木野さんが「アギト」だということを知った翔一は、浩二から弟を喪った過去を聞かされ、「昔のことは忘れてアギトの会に入って俺の手料理を食べましょうよ(要約)」と励ますものの、「いい気なものだな。教えてやろう。記憶を失う前はお前も過去に拘っていたんだ。(ママ)」と反発される始末。

涼から呆れられながらも袋小路に陥った木野さんに手を差し伸べる翔一はなんだかんだで好きで、楽観主義的な所はあれども、基本的には「皆が好き(第17話)」な翔一のヒーローらしい部分なんだと思います。

自分の居場所=美杉家の家庭菜園での例に因んで「寒い場所=冬山/過去」ではなく、「暖かい場所=今」に出ようと呼びかける姿も「ならでは」という感じで良かったです。

 

・Y・木野さんは寸止めしたのに

G3マスク破損の件と合わせ、涼に3回も顔を殴られる氷川さん。

涼のことを信用し始めたかと思ったら、なれなれしくアギトの力の秘密を聞こうとしたりと、自分の目の前で自分や誰かの命を守る戦いを続けてきたアギトへの憧れが募り、覚醒願望が湧いているようですが、にわかファンの大口が古参の逆鱗に触れるかのように、身勝手なイメージでアギトに憧れる氷川さんは、アギトに因んだ苦労エピソードに事欠かない涼から愛想をつかされてしまいました。

 

・Y・冬だからちょっと着こんでみました

みたいなノリで、装飾が増えた感のある鯨怪人の再登場。

3大アギトの変身はなんだかんだでかっこよく、変身演出の違いもあるけど、やっぱりそれぞれのライダーのキャラが立ってるが故なんだろうなと思うと、改めて人物描写って大事だよなと感じるわけです。

アギトの会補欠ということで、氷川さんは3人に遅れて登場というのがなんとも。

ちなみに人造人間がアギトを自分の手で始末しないのは、皇帝秘書のそっくりさんをやった時の後味の悪さが残っているかららしいです。身勝手ですねえ。

 

第42話

 

・Y・約60度の角度で蹴るべし

鯨怪人戦で受けたダメージで記憶を取り戻した翔一。ギルス戦もそうでしたが、ぶっ叩いたら映像が映るようになった昭和のテレビみたいな発想。

あかつき号に乗っていた頃の翔一君は、姉を失った後でも他の客との会話で盛り上がったり、亜紀さんの人となりも分からないのに信じたりと、ノーテンキかつ明るいキャラとして描かれる反面で、姉のことを思い出して物思いに沈んだりと、木野さんが言うように少なからず過去に囚われているようです。まあ当然ですが。

そんな彼がアギトになったのは、過去に人造人間と白い人造人間風野郎がバトルをして、負けた白が船に現れて翔一を覚醒させた(超レアケース)からのようです。その時翔一を狙って現れた鯨怪人との変身が最初となりますが、グランドフォームにしかなれなかったので、負けて水落からの記憶喪失、第1話に続くと言う流れ。あかつき号関係者が襲われるのも、白が放ったアギト覚醒の光の余波を浴びたからという、理不尽過ぎる理由が悲しい。

 

・Y・凄腕

あかつき号編ということで、これまで登場したあかつき号の人達(第42話時点で存命者3名のみ)が全員集結。涼パパは初登場ですが、第10話で語られた明るい人像を頷かせるように、皆に手持ちの蜜柑を配ったりと人物描写に抜かりなし。

それぞれが抱える人生模様の描写がまた素敵で、第12話で幻想に生きる人間として出てきた佐恵子さんなんかは、「脱サラしてお店を開く」という挑戦をする間近だったということで、理不尽で自分の未来を巨大な力によって否定されてしまった人間が陥ってしまった狂気にこれでもかと説得力を持たせてきます。改めて抜かりないなあ。

浩二と木野さんに関しては、両親からのプレッシャーで破れかぶれだった浩二に放った木野さんの

 

「人は、後悔しないように生きるべきだ。自分の思い通りに。」

「自分の人生を狭くするのは他人じゃない。本当は自分自身なんだよ。」

 

という言葉に何かを感じ、心酔するようになったみたいです。

この言葉が人生に迷っていた佐恵子や亜紀らに影響を与えるということで、彼があかつき号のリーダーになるという顛末に説得力を備えていると言うのも抜かりないのですが、木野さんのこの言葉は「弟を救えなかったのは自分のせい」という自責の念や無力感とリンクしており、自分の人生を狭くするのは他人じゃないからこそ、自分で抱え込んで暴走してしまった木野さんだからこその台詞ということで、人物描写の巧さがツボを突いてきます。凄いよ893。

 

・Y・熱いし熱そう

記憶を取り戻した翔一。鯨怪人があかつき号メンバーに放った「お前たちに未来はない」という発言を聞いていたのか、それとも木野さんの言葉から思い起こされた姉の死に抱いたやるせなさを思い出したからなのか、人を襲い続けるであろう鯨怪人に対して「誰も他人の未来を奪うことは出来ない!」と怒りを表明し、バーニングフォームに変身という流れが実に熱い。

 

・Y・秘密は守らないもの

鯨怪人戦と回想の一方で、雪菜から翔一(沢木)に送られるはずだった謎の手紙から現れた人造人間と白い人造人間もどきの戦闘のイメージを読み取る真魚ちゃんと、それを聞く北條さんのシーンが挿入。

真魚ちゃんの能力に関する秘密は守るといいながら、翔一がアギトであるということを平然としゃべる北條さんはどうしようもないけど、なんだかんだで謎に近づいている所が美味しいですね。