しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

仮面ライダーアギト 第43話

 ・Y・Aパートまで持たない

ただの人間の身体を張った援護によって生じたスキを付き、ほのおのパンチ→エクシードかかと落とし→木野さんキック→紋章通過キックと、鯨怪人めがけて最強クラスの必殺技を4発連続で叩きこむアギトの皆さん。流石の強化鯨怪人も、怒涛の高密度物量攻撃を浴びて脂肪一直線。処刑用ソングに合わせて連続で次々と敵を蹴りまくる一連のシーンはかなり好き。「555」もそうですが、ライダー全員が仲間になった訳じゃなく、それぞれの事情で強敵と戦う上で共闘しているにすぎず、それをOPに入る前にさらっとやっちゃうといった、ある種の「逆張り」が物語の積み重ねによって面白さに繋がっている感じ。

 

・Y・頭部への攻撃はなかった筈

鯨怪人との戦闘で頭を強く打ってしまった氷川さん。見舞いに来た小沢さんと涼の初顔合わせ。

「所詮ただの人間の力ではどうにもできない。」ときっぱり言って氷川を一線から退かせようとする涼の不器用な思いやり(つきまといがウザいだけ?)に対して「結局、最後に勝つのはただの人間なんだから。」と堂々言い返す小沢さん。

本人がダメージを負ったとはいえ、氷川さんの援護が無かったら勝てたかどうか怪しい戦いだったので、涼のみならず小沢さんの反論も強ち的外れではないというのがポイント。氷川君も退けと言われて退くタイプじゃないし、小沢さんもG3-Xのあれこれで人間の限界と、その中で足掻く人間の逞しさを目の当たりにしてきただけに、きっぱり切り返すのは自然で気持ちの良い展開。

 

・Y・きのかおるさんじゅうにさい

記憶を取り戻した翔一は、あかつき号で起きたことの詳細を木野さんに聞き、地獄耳の涼もちゃっかり同伴。涼が居るのに「翔一が白い人によってアギトにされた」「自分達もそのとばっちりでアギトになる運命を背負わされた」と、口止めされていたことをべらべら喋るのは、それを強要した鯨怪人が死んだことで大丈夫だと判断したのか、それとも翔一と話しているつもりで涼の存在を忘れていたのか。

話の中で自分や他のあかつき号メンバーが「過去に生きている(た)」ということを認めた木野さんですが、翔一が姉の死に苦悩していた自分を思い出したからでしょうか。涼パパの死を悼む翔一と涼のシーンもそうですが、回想の中で人生を謳歌し、夢や希望を語っていたあかつき号乗員を襲った辛苦に想いを馳せることで、再度その理不尽さや犠牲の重さを認識させる作りが好印象。

 

・Y・アギト狩り

強化した鯨怪人が死んだことで、いよいよアギトの力に危機感を強めた人造人間は、医者を洗脳して退院し、アギトの力を自分の身体に吸収する、積極的な活動方針にシフト。木野さんは力を奪われ、久々の再会を果たした涼もまたターゲットにされました。

作戦を決行する前に沢木にそのことを伝える辺り、人造人間の沢木愛が垣間見えますが、沢木からは「アギトは何人も現れるから意味ないのでは」と突っ込まれる始末。「人の世に平和なんてありえないのでアギトの力こそ意味が無い」と絶妙に論点を逸らしながら答える人造人間ですが、木野さんの力を吸収しただけで苦しんでいる辺り、それみなさいという感じ。人造人間もなんやかんやで必死。

 

・Y・定着しない本名

沢木哲也」という本名を思い出すも、真魚ちゃんを含め美杉家の人々からは一貫して

「津上翔一」として扱われる翔一。「津上翔一」として作ってきた「居場所」があるだからこそ、ということでしょうか。

翔一が記憶を取り戻したことで、真魚ちゃんによる真魚パパ殺害事件に関する尋問も始まり、それ関連の描写で怪しさ全開の美杉教授も、翔一の本名に何か思う所がある様で、色々動きそうな予感。

 

・Y・本庁きってのエリート力

最近イケイケの北條さんは、上述の真魚パパ殺害事件の犯人をアギトと推測。

それなりに捜査の裏付けがあるので強ち否定はできず、ヒロインの「居場所」を奪った存在として「アギト」が浮上してくることで、身体を痛めてまでもアギトの力を狙う人造人間の無鉄砲な振る舞いにそれなりの説得力を与えてくる展開が巧い。