しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

20周年なので「スクライド」を観返す①

 20周年なので「スクライド」を観返します。てか、サンチャンの配信に便乗しただけです。

監督は「ギアス」でお馴染み谷口悟朗さん。脚本(全話)を書いているのは、井上敏樹と並んで「速筆」として名高い黒田洋介さんです。

 

 

 

 

 

 

第1話「カズマ」 

 

  • アルター使いが生息しています」と、直球過ぎる旅客機のアナウンス。乗客のお姉さんが1人引き気味ですが、この人じゃなくても引くと思います

 

  • 地殻変動で日本本土から分断された大地「ロストグラウンド」と、そこに生きる異能力者=「アルター使い」の設定が、駐在の刑事の口からさらっと説明。開発が行われていない地区は貧しく、テンプレのように誘拐、縄張り争いが横行する模様。一方で、貧しいながらも和気藹々と暮らしている人たちも多い様で、「バイオレンスジャック」とか「北斗の拳」とかの世界と比べると、大分生きやすそう。 

 

  • 重労働に勤しむ少年にそれとなく稼ぎを分け与えたりと、子供に優しいアルター使いの主人公・カズマ。優しいどころか、幼女のかなみちゃんと二人で暮らして(機内アナウンスで言うところの「生息」)いるようです。「カズくん」と呼ばれて嫌がっていますが、まんざらじゃないと思います。

 

  • 漫画版(※)では、仕事仲間兼お友達の君島君から、ダイレクトにロ〇コン呼ばわり(某大佐みたい)のカズくんですが、流石に夕方6時放送(※)のアニメでは難しかったよう・・・・でもないか。

 

  • 今回のやられ役・ビフくん。カズくんの仲間の縄張りを荒らすドキュソな立ち位置のふとっちょ。パワータイプのアルター使いですが、コンクリートブロックを素手で破砕したりと、本人も凄い怪力です。ぶっちゃけアルター要らない気がします。そんなのに肩を殴られたカズくんの仲間(ヒデキくん)がすごく心配です。

 

  • 金色の鎧を纏った右腕で相手を殴るカズくんのアルター「シェルブリット」。今ならプレバン辺りが商品化したら、そこそこ売れるんじゃないかと思います。うっかりさんがデュエルディスクと誤解して買ってくれるかもしれませんし。

 

  • シェルブリットの生成演出が素敵すぎ。指の股から腕がパカッと裂けたかと思ったら、ゴムバンドみたいなもので雑に束ねられ、鎧でコーティングして出来上がりという、中の腕が思わず心配になる一連の生成方法が素敵すぎます。

 

  • ビフくんのアルターを粉々にしたカズくんの前に、ロストグラウンドを統治する公権力「ホールド」(の人達)が出現。アルターを使って決闘するカズくん達をドキュソと見なし捕まえに来た様子。捕まってたまるかと抵抗するカズくんですが、君島君やヒデキくん達だけではなく、ビフくんも逃がしてあげるの凄く優しい。

 

  • そんなカズくんの前にバリッと制服を着こなした、いかにも「THE☆公権力」って感じ且つ「こいつがライバルです。覚えましたか?」と言わんばかりの、嫌な嫌な嫌な奴風のお兄ちゃん(以下「嫌な奴」)が出現し、自立型スタンドっぽいアルターを召喚し、カズくんを圧倒します。

 

  • お友達の君島君から「あいつぁ最強だからな☆」とマンセーされる裏で、嫌な奴の自立型スタンドアルターに一方的にボコられるカズくんが痛々しいです。続けざまに「いるのよね。ウチに会うまで負けたことがないって奴。(心の中で草生やしまくり)」と嫌な奴の同僚のムチムチ少女からも貶されるので、主人公の情けなさがくっきりはっきり鮮明に強調されます。

 

  • 嫌な奴「いいや、だが底は見えた。やはりお前は、社会に必要のない人間だ。」

 

 君がッ 泣くまで (言葉で)殴るのをやめないッ!!

 

  • 言葉の暴力からの物理障壁コンボで、腕の鎧を砕かれて敗北するカズくん。中の腕が無事だったのはひとまず安心

 

  • お家でお留守番のかなみちゃんは、一連のカズくんの戦いを「夢」の中で一人称視点で体感していたようです。自分がカズくんだとは気づいておらず、その他具体的な状況も把握していないようで、何処の馬の骨とも知れない香具師から「お前は社会に必要のない人間だ」と人格否定される夢とか、絶対見たくないよなあ。

 

久々に観返すと、冒頭の辛辣機内アナウンスから始まって、主人公を「社会の☆ダ☆ニ☆」呼ばわりしながらボコボコにするライバルで締められ、それなりに善行を積みつつ、荒廃した社会の片隅で幼女と慎ましやか(一応)に生きる主人公のスタンスやら人間性やらを、如何に多様なボキャブラリーで踏みにじるかが焦点になってる様で、これはこれで新鮮な面白さ。
追い詰める台詞が辛辣であればある程、主人公の逆転劇が映えるといえばそうなので、方向性としては正しいのですが(笑)

 

 

※漫画版
アニメと同時期(漫画の方が若干先だった筈)に週刊少年チャンピオンで連載。漫画原作→アニメ化という関係ではない。
アニメよりもハイテンションな演出と、荒々しく濃ゆい作画故に、余計に「〇ョジ〇」っぽい。

 

※本放送時の放映時間

テレビ東京系水曜夜6時(一部地域を除く)。過去に「シャンゼリオン」、「ウテナ」、「リヴァイアス」といった怪作を送り出したある意味伝説的な枠。