しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

地球戦隊ファイブマン 第47話、最終話

第47話「超獣大脱皮」

 

V 在庫処分
ギンガマンに黒ゴルリンと、メンドクサイのでさっさと退場させましょうという感慨もクソも無いショボショボな退場劇でしたが、シュバリエの扱いは初代艦長としての凶悪な来歴が垣間見えるような気がして良かったと思います。

 

V 再会、母よ

第20話でのお父さんのメッセージに続いて、惑星間通信で「本物」のお母さんの肉声を初めて聞いたレミと文矢のリアクションが挿入されました。偽物を通じて聞いてはいたものの、本人とのやり取りで初めてその声こそと確信するというのはなかなか気の効いた描写。腐っても曽田戦隊なんだなあ。

 

第48話(最終話)「星への旅立ち」

 

V 在庫処分(できなかった)

初登場回以来の登場となるマックスマグマですが、バルガイヤーに手も足も出ず破壊されてしまうというどこまでも良いとこナシのどうしようもない扱い。そりゃ売れませんわ。ネタとしても高杉ですしね。

 

V 次回作に繋がる「変態」の系譜

嫌がる女性を雲を突くような巨体でストーキングし、彼女の死後はその遺骸を体内に留め置くという、純愛と呼ぶにはあまりもアレな振る舞いを見せるバルガイヤー。存在自体がポッと出というのもあって、物語としては今一つ映えない背景ではありますが、メド―、バルガイヤーの正体への伏線を張りつつ、部下との関係性を掘り下げていれば、中々強烈なキ印系悪役として存在感を発揮できたのではないかと思うと、非常に惜しいものがあります。バカデカイ図体も嫌いじゃないですし。

 

V 一応今後も休職扱い?

家族の思い出の象徴たる花を、子供達の教え子が咲かせ、それが地球を守る戦士の切り札にもなる。教師×家族×戦隊の3要素を結びつけるニクイ展開だと思います。

ただ、本作における教師関連の描写は今一つ中途半端に終わってしまい、教師と子供達の関係性が他の戦隊におけるヒーローとゲストの子供の関係と殆ど変わらないまま進んでしまったので、本作における「教師」のあり様を提示しつつ、他のテーマと接続させるとまではいかなかったのが残念です。

子供達がシドンの花を通じて学兄ちゃんの想いを理解するという描写も乏しく、仮に「教師」の魂や意思を継ぐのが「生徒」だとしても、その内面がハッキリしないだけに迫力に乏しくなりますし、「教師と生徒」という図式に甘んじ、特定の個人との結びつきで成立した話でもないし(今回の生徒の立ち位置なら、第3話に出てきた悪ガキでも良かったんじゃないかと思う所で)、巧くやれば感涙必至な場面も、これまでの経緯から泣くに泣けずといった所です。

最後も結局父母と共に惑星再生の旅に出ることで、兄妹先生よりも兄弟戦士としての生き方に殉じようというラストも、あれだけニュータウン小学校云々と言っていただけに、家族×教師×戦隊の噛み合わせの悪さを感じてしまう所で(銀河の子供全員の先生になってくれと子供達にはフォローされてはいたけどなあ・・・)、終始歪な印象はぬぐえないのですが、それでも生徒達の「仰げば尊し」を聴いて静かに何かを感じ入る5兄弟の姿は、ちぐはぐな展開の上とはいえ、なんだかんだと子供達の為に頑張ってきた5人の姿を描いていたのもあって、中々情感溢れる場面に仕上がっていたと思います。

 

迷走に迷走を重ねた演出・ストーリー展開、地味で華のないロボやメカ、個性として打ち出すには今一つ脆弱な人物描写等、改めて、当時のシリーズの混迷っぷりが伺えるような不出来っぷりだったと思います。
教師戦隊というコンセプトも、初回で学校が壊されてその後は戦士としての道に精進するという展開の為に頓挫を余儀なくされ、たまに思い出したように、その場その場で出会った子供達と、結局は従来の戦隊がゲストの子供と接するのと同じように交流をし、時には戦士としての務め等どこ吹く風で出張教師サービスに邁進したりと、展開の噛み合わせが悪く、中途半端な印象を受けました。曽田さん自身が「家族も教師も書いたことが無かったので難産だった」といった趣の振り返りをしていたのを見るにつけ、ネタ切れマンネリ化のシリーズの窮乏状態を受け、とりあえずやったことのないテーマをより合わせて、目先のインパクトで視聴者を引き付けることを優先させようという苦肉の策で立ち上がった作品という感じで、迷走するべくして迷走したという印象はどうしても強いです。
曽田さんが得意とする悪の組織の内部抗争やゴタゴタも、それぞれのキャラクターが弱いために過去作と比べても全く響いてこなくて、バルガイヤーの正体発覚からの在庫処分展開に至っては、終始冷めた気持ちで観ていました。
これまで色んな所で言われてきたように、作品的には(ノ∀`)アチャーな要素で溢れており、とても名作だとか良作だとは口が裂けても言えないのですが、それでも学兄ちゃんの父母をしたい兄妹たちの為に奮闘する長男であり、且つ頼れるヒーローとしてのかっこよさを内包したキャラクター性は結構お気に入りだったりと、ツボを突いたポイントも目立つだけに、なんだかんだで好きな作品だったりします。上で書いたように最後の歌唱シーンとか泣きそうになったしね。
個人的には「出来は悪いけど憎めない」という、某「オーレンジャー」みたいな立ち位置かなあ。

あ、EDは名曲だと思います。1番が子供達を守る戦士の詩なら、2番は子供達に対する先生の想いを歌い上げているという感じで、最終回で2番を流してくる演出が、地球を去る5兄弟の子供達への激励という感じで、実にニクイ。