しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

仮面ライダーリバイス 第5話、第6話

第5話「世直しライダー!裏切り者は誰だ!?」

 

陰影のついた映像と、スタンプ盗難に隊員襲撃に新ライダー強襲等それなりに気になる謎の乱打による引きの強さと、博士の面白ムーブによって、社会派拷問器具手前の所でブレーキが効いた感じですが、それでも肝心要の所で大ゴケするシナリオは健在というドヘタレっぷりは相も変わらず。辛いね(私が)。

 

立ち退きの承認印を押そうとしたお父さんは、動画の中で実家の風呂屋の宣伝もしているようです。でも悩み相談をしに来た視聴者は話だけして風呂には入らないというパターンで固まっているようなので、やっぱり計算して家業の邪魔をしているようにも思えてきます。お父さんの真意が分からないのでこの辺の描写の意図は分かりませんが、本音を明かさずマイペースで家族を振り回すアレな人という印象は固いです。

ダメ親父としての面白さを出せればいいけど、そこまでトんだキャラクターでもなさそうなので、大して化けなさそうです。

 

世直しをする為にライダーになったと言う一輝。嘘つけ絶対弟の言いなりだゾ。

前回のやりとりがアレだっただけに、なし崩し的に銭湯への執着を捨て、ヒーローとしての遣り甲斐に突然目覚めたとしか思えない主人公の素っ頓狂っぷりに共感できる訳も無く。動画配信者に心配しているおじいちゃんの存在を仄めかす一方、肝心のおじいちゃんは孫にお菓子をあげる為銭湯を抜け出し、怪人が暴れるビルにのこのこ訪れるネジの外れっぷりだし(妹止めたれよ!)、作中「休日出勤実行(そりゃイヤだけどさ)」「社員が疲れた顔をしている(平日だけでも疲れるんだよなぁ)」以外今一つ事情がはっきりしないブラックよばわり企業の社長に一輝が反省を促したりと、狂人と白痴が一緒に来たような地獄絵図的展開にこっちがパーになりそう。

 

妹もロクに知りもしない配信者のひと悶着に因んで「正義ってなんだろう」とそれっぽい問いかけを安っぽく口にする有様で、勘弁願いたいですホント。

 

 

第6話「エビルの正体!衝撃のショータイム!?」

 

あまりのアレっぷりにこの時期の「仮面ライダー剣」だってもう少し面白かったんじゃないかと回想してみたら、そこまで大差が無かったということでちょっと冷静に。ただ、あっちの登場人物はただクルクルパーなだけで、作品自体は素直に感じられた為ネタとして昇華できたのですが、こっちは下手に「ウラ」を勘繰らせてくるので、gdgdストーリーのひっくり返しに素直に期待するというよりは、「大丈夫なのか」という不安ばかりが募り、反応に困る視聴体験が続きます。

 

前回ラストで鳴り物入りで登場した新ライダーですが、前回から暗いムードを湛えた馬鹿兄弟弟が正体でしたと、アバンでバラす早漏っぷり。博士から「悪魔」と呼ばれ新ライダーのベルトまで貰った彼ですが、リバイスや隊員を殴る蹴るしたのはいいけど、なんだかんだで生かして帰しちゃう中途半端さが、さっそくショボさを印象づけます。激辛カレーを平らげるシーンも、「同僚たちに襲い掛かり、新ライダーに変身してリバイスとも戦った」という種明かしがあった後に挿入されるので、意外性という点ではめっぽう弱いです。

公式サイト曰く、弟の身体は彼の心から生まれた悪魔によって支配されたとのことで、劣等感ネタは引きずる気満々みたいですね。

馬鹿弟の内面の黒い部分が良く分からない力で顕在化し、それが家族に刃を向けるという展開になると、「喰霊-零-」の黄泉お姉ちゃんのあれこれを思い出してしまう所ですが、あっちはお姉ちゃんと神楽の仲睦まじさを丁寧に描きつつ、一方でお姉ちゃんの心の淵に存在する焦りや苦悩も無理なく演出してきたからこその展開なので、兄弟の関係性もまともに描けていない本作が同じことをやろうとしたら確実に(私が)タヒぬので、是非回避してほしいです。てか汁。

 

一輝は一輝で輪をかけてよくわかりません。心中ムーブで脅かしたとはいえ、ちょっと前に母親を殺そうとし、前回も「美味そうな人間が大好き」と自称世直しライダーから見たらドン引き必至な本音を平然と吐露するバイスに対して、ゲームを持ち掛けてみたり、潜入調査で呑気に軽口をたたき合ってみたりと、傍から見たら仲良しにしか見えませんが、いつからそんな関係になったのでしょう。後追い視聴とは言え一応通しで観ているのですが、最近のニチアサは話数に小数点もカウントするのでしょうか。うーん、教育番組だなあ。

加えて、怪人を利用した弁護士の不正行為を暴くために、フェニックスに協力を求めず個人で行動する様は何事かと思いました。フェニックスとの契約とはなんだったのでしょうか。法律や制度を盾に居直る相手の場合、公権力の協力を求めたらもう少しスムーズに運んだと思うのですが、単独で行動した結果、前回動画配信者を囮に使うことに一時でも反対した一輝が、不正行為の証拠を暴くべく、事件の証人を囮にするという自身の本意に逆行する行為を平然と実行すという、チグハグな展開に陥るので、もう頭がクラクララが立ったどころか溶けたレベル。

ろくすっぽ知らない弁護士に対する説教や、弟を子ども扱いする言動など、前々回の「相手に寄り添う人間」とは思えない振る舞いに及ぶ姿も印象が悪く、ウラがありそうとはいえ、性格の悪い蒲生譲二というのが現時点での印象です。

「ちっきしょう!こうなったら変身だ。変身してあの悪魔野郎を叩き〇してやる!」

 

弁護士と裁判長がグルでした!という展開も、その種明かしのアレぷりにも唖然。

弁護士が証人を脅す動画に加え、証拠を突き付けられて激昂する様を目撃している筈の裁判長が、彼に平然と情報を提供する時点で怪しむのが普通だと思うのですが、弁護士の表情が「一輝が手品をするときの顔と同じ」というバイスの情報提供で核心に近づくという、ジュラル星人もびっくりな回りくどい謎解きにかける言葉が見つかりません。

裁判長の悪意に辿り着いても、その理由がろくすっぽ明かさせないだけ話に凄味が生まれるわけでもないし、それこそ「チャー研」よろしくその辺の風景を云十秒映し続けて番組を負えるわけにもいかないから、余った尺をテキトーな展開でつないで放送時間を埋めたようにしか見えません。

 

弁護士の人の「努力なんて!」という発言も、努力がどうとかそういう話なんてしていないだけ空振りしてる感マックスだし、てか前回の動画配信者はどうしたの?もっと言うと、前々前回の世の中不公平おじさんはどうなったの?ゲストの扱いが社会派アピールの捨て駒って感じで、改めて今後がすんごく不安。

裏の枠で放送していた「ゲゲゲの鬼太郎(6期)」もその手のネタ先行な話が多かったし、ちょっと前の「プリキュア」もそういう傾向が強かったように思うけど、その本文である「エンタメ」として、「物語」としての精度を高める形で活用してくれないことには、「子ども向けなのに社会情勢を扱ってる!日曜朝なのに攻めてる!」みたいなレッテル貼りホルホルしたいという制作サイドの下心を邪推してしまうのが人情であって、こちらとしてももの寂しいものがあります。