第10話「兄と弟、信じる心」
「俺は大二を信じてる!」ってセリフが「悪(わる)大二を信じてる!」って聞こえて困惑。
ただでさえアレな本作に、「オンドゥル」とか「レンビント・ブベッツォ」の要素が投入される無間地獄。君は生き延びることができるか(震え声)
エビル相手に必殺技を叩きこもうとする一輝ですが、大二の姿に戻ったのを見て中断。
まあ、ライダーの状態と生身の人間の姿とじゃ受けるダメージも違ってくるのは分かりますが、戦う気満々で必殺キックを打ち込もうとした割に、変身を解除した所で戸惑われるのもちょっとなあという感じ。
「大二はもういない!」と嘆く場面も微妙。KAGEROUの人格に抑圧されてる状態という判断から、完全に消えたと考え出す過程が薄くてどうにもなりません。やってることそんな変わらないし。
大二を信じているというのも、それまでは「大二の人格はまだ消えていない」という意味合いと捉えていたのが、いきなり大二の精神の強さの話になって呆然。第8話で家族、第9話でパンピー(ま、詐欺師なんですけどね)を襲った時点で、大二の強さなんて言われても、こんな時どんな顔をすればいいのかわからないの。
(その強さと言うのが、前回今回で触れられた回想シーン位しか描写がないのもきっつい。)
「大二を助けたいというエゴばかりが募り、大二の強さ自体には目を向けず、当然それを信じてやることも出来なかった」という話みたいですが、結局KAGEROUが語った大二のコンプレックスについてはまるで触れず、「最後までドッスンしてただけで、お兄ちゃんに頼りまくってましたテヘ」という弟の良く分からない強さに焦点を当てる展開に、一輝のエゴイストからの脱却展開(きっかけとしてはもう少し早くても良かった気がするんですがねぇ)に光るものが無くといった状態。
コンプレックスの素であった兄貴から強い部分だけをマンセーされただけなので、調子に乗って悪魔(自身のコンプレックスの象徴)を打ち破っただけにしか見えず、大二が自分の弱さを克服したようには見えません。
大二の弱い部分も受け止めた上で、彼の持つ強い部分を信じるというなら、一輝のエゴイズム打破展開も多少はマシになったと思うのですが、そこを総スルーしていい所だけを見て褒め倒すのは、ぶっちゃけ一輝の精神性は何も変わってないんじゃないかと思います。
第6話の感想で何の気なしにネタにしましたが、本当に「喰霊-零-」の超絶劣化展開に仕上がった気がします。(まだ終わってないけど)
大二が変身した仮面ライダーライブがクッソださい。「セイバー」に出てくるライダーの没デザインを流用したような見た目で、他のライダーとのギャップも強いし。これならまだエビルのまま頑張ってくれた方が良かったんじゃないかな。
妹はなんというか、ひたすらフェニックス大嫌い人間なんですかね。前回大二ばかりマンセーしていたのに気が咎めたのか、一輝にも「フェニックスのせいで人生めちゃくちゃになりました」とフォローを入れるのですが、大二が悪魔化したのは本人のせいだし(博士にベルトを貰ったことは妹は知らない筈だし)、一輝の生活はぶっちゃけ大して変わってないしで、とりあえず気に入らないからイチャモンをつける気満々といった感じ。よくないなぁ…こういうのは。
今回のゲストは、老人相手にオレオレ詐欺を繰り返すマジモンのDQNでしたが、自称世直しライダーはノータッチ。この間説教をしたブラック呼ばわり社長よりも悪事の描写が豊富だっただけ、バランス感覚の欠如が悪目立ちします。彼らも社会派キッズタイムのネタ要員でしかなかったということなんでしょうね。