しがない感想置き場

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トロピカルージュ!プリキュア 第40話

第40話「紡げ! みのりの新たな物語!」

 

超弩級に酷いのを予想していたというのもあり、いつもよりだいぶマシな内容で正直驚いています。腐っても成田さんなんだなあと言うことを認識させられました。

 

☆女王の資質

本で読んで知った気になる軽率さを思い知らされ凹むみのりの自尊心を回復させるべく、パパイヤ農園の日差しについて質問をするローラ。みのりの心理を分析する台詞も合わさり、民草を導く女王としての資質を感じさせるような描写。

前回も女王志望を自称してやまなかった彼女ですが、自分の記憶を消そうとする故郷の暗黒面を突き付けられ動揺しても尚、故郷に長になろうとする意志を捨てない根っこの意図は何なのでしょう。女王になって記憶改ざん制度を改める意図でもあるのでしょうか。女王として何が出来るのかもこっちには伝わってこないし、ローラ自身も大分迷っていたみたいだし、不自然さはぬぐえずといった所。

 

☆マーメイド物語?そんなものは無かった

トロ部の活動で感じたことを物語に反映させようと決意したみのり。

本で得た知識だけで完結していた自分を、世の中そのものへ連れ出し「経験」をさせたことで、作家として一歩を踏み出すことが出来たということで、みのりにとってのトロ部は充電期間の場としてそれなりに機能したようです。少なくともあすかの復帰劇よりは大分まともに作用していたと思います。

一方、みのりの独白で「太陽みたいにキラキラした冒険をしてきた」と過去のトロ部としての活動を回想シーンを交えながら振り返る場面がありましたが、みのりが作家としてトロ部活動をベースに物語を紡ぎたいと思い始めたのは今回からなので、これまでの体験一つ一つを経た直後は、別段物語に反映させようと思わせるほどの力は無かったという印象を受けてしまい、ローラやまなつ曰く、「めんどくさい」としか思えない文芸活動に醍醐味を見出すみのりの根っこの気持ちが分からなくなった気がします。トロ部の皆に励まされた喜びが、作家としての自信を失ったみのりの心の傷を癒したのは分かるのですが、過去の経験が無くても成立するような話にも思えてしまう所で、やたら大げさな言葉でトロ活を着飾った割には、実際は大した成果を挙げられていないんだなあと、観ている方が冷や汗をかかされる所です。

「経験したことが反映されていない」というダメ出しを受けたわけですが、経験してようがしてなかろうが、それっぽく魅せることが出来れば物語として成立する訳で、要するにマーメイド物語に対する指摘というのは「キャラがどんな価値観を根っこにして行動しているのか」みたいな行動原理などが不明瞭すぎて感情移入できないという、ペラペラ描写に対するダメ出しだったようにしか思えなくて、結局何を経験したか以上に、それっぽく魅せる作家としての力量の問題に集約されるような気がしてなりません。それを養う為のトロ活という体なのかもしれませんが、みのりにダメ出しをした文芸部の先輩が登場せず、その真意に関してもみのりが言われた発言のみを伝えられるだけなので漠然とした状態でしか映らず、結局、みのりのマーメイド物語の何がいけなかったのかが、今一つはっきり見えてこないのはちょっとどうかと思います。で、みのりの場合、「本を読んでそれで分かった気になって」という自分の弱点を悟っていた節もあり、文芸部先輩の指摘が言葉通りの意味なら、それなら外に出て活動するだけではと思うところなので、それも含めて、彼女が何に悩んでいたのかも今一つピンと来ないというのが実際です。なので、復帰劇それじたいはまあいいとしても、その起点となるみのりの弱点や葛藤の本質が曖昧なので、今一つドラマに入り込めませんでした。

で、マーメイド物語については0改訂のままで良いのでしょうか。「マーメイド物語はこれでいい!文芸部先輩の目が節穴だ!」というオチでもないので、マーメイド物語へのダメ出しから始まった一連の苦悩の締めで、マーメイド物語はガン無視というのは、ちょっとズルい気もします。