しがない感想置き場

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トロピカルージュ!プリキュア 第46話(最終話)

第46話(最終話)「トロピカれ!わたしたちの今!」

 

☆死んだら本気出す

「後回しの魔女と一緒になる」から女王になる決断を先送りできないと言うローラ。

いやまあ、後回しの魔女との和解を死んでから果たしたデカパンさんもいることだし、多少はね。

即断の意志が「魔女みたいになりたくない」という思いに根付いているというのが実に消極的で、ちょっと前にやっとこさ触れられた後回しの魔女の過去を引き合いに出すのみで、トロ活の中で今すぐ大事なことをやる重要性を学んでいったとは思えなかったりと、こういうセリフの端々からも年間を通じたドラマの弱さが伺えて来る気分です。てか、あれのダメな所は後回しにした所というよりも、わけもわからず破壊の魔女を名乗って暴れまわっていたところにあるわけだしなあ。

そもそも論で、現女王が「今帰らなかったらアウト」って言っていたのを踏まえたら、先送り自体無理な話だと思うんですが、なんだろう、皆さん話聞いてなかった?

 

☆おさるさん

なんだろう、女王になるべく旅立とうとしていた(?)ローラを引き留めるまなつちゃんがとことんまで怠惰というか、獣というか。勉強はしなくていいけどとか言っちゃう辺り、実にねえ。

前にも言ったようにまなつが強い意志の持ち主といった根拠は薄いし、そんな彼女がここで台詞だけでイマイチ肉付けが中途半端なイマイチ主義を捨てて、感情の赴くままローラとの交流を続けようと引き留める場面を見ても、ドラマの積み重なりの薄さもあってただただ困惑。

まあ、困惑する方がおかしいといえばおかしいのでしょう。少なくともまなつ達の大先輩は何度も言うように死んでからようやく後回しの魔女と(後輩の力もガンガン借りた上で)和解するようなウルトラスーパーデラックス怠惰マンなので、まなつが獣のようにその場その場の感情に走る様は実にらしいとは思います。変な所で説得力出すなよ。

おそらくスタッフとしては、最初からある種完成されていた(壊れていると言う意味ではまあ)まなつのキャラを崩したかったというのが目論見にあったのでしょうけど、まなつの内面ってとりあえず他の人と比べてズレてるパワー系お猿っ子というイメージしかなくて、まなつとローラの友情を飾り付ける場面として、まなつにイマイチ論を捨てさせるという場面が薄っぺらくなってしまったのはやはりいただけません。

まなつを完成させたキャラクターとして演出したかったのなら、まなつのイマイチ論にもっと説得力のあるバックボーンを持たせるべきだったし、勉強だろうとなんだろうと、強い意志で力押しで乗り越えさせる馬力なんかを見せるべきだったと思う訳で、そのどちらも欠けた彼女の挙動は、本作の内実の希薄さを象徴しているような気がしてなりません。

別れのシーンのリップのアレも、氏に設定をようまあというか。

 

☆ナルシズム

人魚であることを全校生徒にカミングアウト。人間になりたいとか言ってたのはなんだったのか。隠したままお別れするのはとか言うなら、最初から人魚として接しろよとも思う所で。

まあ、ある程度信頼(?)を勝ち取ったからというのは大きいのでしょうが、いくらなんでも全校生徒と心を通わせたわけでもないでしょうに、その場のノリで正体を晒す様は前半の展開そのものにケチをつけているような気がしてなりません。

百歩譲って最後の最後だから教えたと見ても、ローラが人魚であることを教える意味はないと思います。あれって結局第二形態みたいな位置づけですし。結局いつもの承認欲求で人魚であることを暴露しただけという印象しかないです。

 

☆善意の押しつけ

人間より長い人魚生の中で関わった人間との思い出に苦しむことが目に見えているから強制消去しますというのが記憶消去の理由らしいです。いや、知らねえ!人魚が長生きなんて知らねえ!言ってたんだろうけど忘れてるわ!

結局まなつと交流を続けても悲劇しか待っていないということで、別れと言うのはそこから逃げる為の一時の苦痛という意味合いが強まりましたが、それは自己実現のために今の交流と前向きな意味で分かれるという本来の目的と相反するんじゃないかとも思う訳で。

で、記憶消去(結局やるのね。人間の世界で暮らすならとか言っていたのはなんだったのか。)後のトロ部の集合写真が色々ツッコミどころありすぎです。記憶を消すのと写真を加工するのは別物でしょうし、中途半端に弄ったせいであすか先輩が部員から避けられているブラックな構図にしか見えないのですが。

 

☆ローラに「人間の世界にイケ」と女王様

もう行ったでしょ(困惑)

記憶消去をしたせいで二度手間とか間抜けすぎるゾ。

 

☆暴発

記憶消去装置が壊れたみたいです。まあ、元々あんまり出来が良くなかったみたいだから、多少はね。

てか、別れるなら別れとけよ!

 

なんというか、前作の淡泊極まりない終盤と比べたら、形だけでも盛り上げようと言う意気込みはそれなりに感じられたのですが、如何せん中身が伴っていないので全てのシーンが滑りまくりという感じでした。

前回ある程度本作のまとめみたいなことは書き連ねた感があるので今更いうことはありませんが、次のプリキュアにはもうちょいドラマを魅せてほしいです。

間違っても、「キュア隠れメタボ」とか言われないよう頑張ってほしいなあ。

 

 

 

※一応美点も挙げておくと、くるるんの扱いは皮肉抜きで良かったと思います。

その場にいるだけで癒しを与えるキャラクター、言い換えればこれといった成果は何一つ上げていないけど、それ故に気楽な可愛さというのを届けてくれる演出で描写が一貫していたのは、素直に年間を通じた視聴のモチベーションとして大きく作用していたと思います。それだけに今回出番が少なかったのが悔やまれますがね。