しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

鳥人戦隊ジェットマン 第48話、第49話

第48話「死を呼ぶくちづけ」

 

▼凌辱獣姦大好きおじさん

ラディゲ様はなあ、性癖が特殊すぎるんだよな。何の罪も無い女性を拉致して洗脳して恋人と殺し合わせた挙句、心無き魔獣に変貌する姿を楽しもうって言う、人生の中でなるべく関わり合いになりたくないレベルの変態。しかも洗脳も「ご主人様♡」的ノリじゃなくて、「その臭い息を私に嗅がせるな俗物!」みたいな反抗仕様がデフォだから、存在してるだけで通報したくなっちゃうよね。

まあ、リエを愛した理由は分からないのですが、美しい女性に癒されたいけど、自分のプライドが許さないってとこですかね。イチャイチャしたい本心を隠して、ライバル女と競い合う強い男性戦士としての自分を演出(この時点で凄くキモい)。競争の過程で彼女を屈服させ、彼女の意思も美しさも全て奪ってやろうという、「良いな」と思った女性でさえ、自分の強さを証明する為の道具としてしか扱えないラディゲ様のキモさが良く分かります。

「愛」を愚劣な感情と見下す一方で、心の何処かで「愛」を渇望するからこそ、愛した女性が自分ではなく誰か他の人間を癒すということを許容することも出来ない。これをちょっとマイルドにしたのが後の過去キングと。まああっちはなんやかんやでどっちつかずの中途半端男という感じでしたが、ラディゲ様の場合はやることやってるだけに、おぞましい悪役としての立場が強固なので、個人の精神性の問題と、ヒーローが倒すべき悪としての立場が巧く重なってる感じ。

 

▼一人糸電話の15年前

ラディゲ様も相当ですが、竜も中々です。

妄想のリエに対して「誕生日おめでとう」等と言葉をかける狂気の光景。自室でやってるならまだしも、レストランの中ですからね。もうちょっとこう、周囲の目ってものを。

最もすぐに現実に帰るのですが、無駄だと思っていても、定期的にこんな風に妄想しないと、自分の精神を保てない位には追い込まれているんだろうなあ。

これまではリエを失った自分の人生の虚無をごまかすために、世界の平和を守ると言う題目を掲げてきたのが、敵として殺し合ってきたマリアがリエその人だったという現実により、戦いの目的が他者の平和と命を守る為というヒーロー的なそれに加えて、自分達がやり直す為にバイラムを倒す、人生を賭けた死闘という色が濃くなっています。地に足のつかないヒロイズムで仲間達を時に敬服させ、時に嫌悪感を煽ってきた竜が、失ったものを取り戻す戦いを前に、今、誰よりも動揺しているということを刺激的な描写で表現。

 

▼「我が聖なる血」とか言っちゃうのすっごくキモイ

トランザに力の差を見せつけられ、そのラディゲがトランザを倒したことで、以前のようなSっぷりがすっかりなりを潜めたマリア。強くなりたいという思いは変わらないけど、その為に何をしていいのか分からないので、結局ラディゲに従ってしまうという悲しさ。

かつてのように自らの力でラディゲ達と競い合うことで、自立した個としての矜持を見せてきたマリアに惚れたグレイだからこそ、彼女の悪事をやめさせようと必死になるということでしょう。今回基本的にマリアが男を誘惑して吸血するシーンが殆どなのですが、その合間に挿入されたドラマパートは積み重ねが効いてどれも見ごたえがあります。

 

 

第49話「マリア…その愛と死」

 

▼漢

結城凱がひたっすらにかっこいい。

香との関係はお察しという感じですが、彼女に竜を託す場面は積み重ねが効いてかなりグッとくる場面。色々あったもんねおまいら。

ヒーローとして友が愛した女性を、人々の命を奪う化け物として倒すという汚れ役を率先して引き受ける覚悟もそうですが、その後、グレイの頼みを聞き入れ、マリア救出路線にシフトするのもかっこいい。やっぱりなんだかんだで友の恋人というのもありますでしょうが、敵である自分達にマリアを託すらしからぬ態度、「魔獣にしたくない」という切実な言葉に真実を見出したからこそ、命を以て相手の本気に向き合う漢のかっこよさ。

 

▼漢②

マリアには「人間の心がある」とジェットマン達に訴えるグレイ。ラディゲの操り人形である自分を乗り越えようとするマリアの姿勢を、竜の恋人であるリエとしての人格の一端を読み取っていたのでしょう。この辺実際ラディゲ様の中途半端な洗脳プレイが仇となったということでしょうか。変態と書いてアホと読む。

それにしても、自分の腕の中で自分ではない男の名前を呼ぶリエの一連のシーン。凄いよなあ。それでも、「恋人と離別」という自ら辛い決断を下したリエの想いを尊重し、マリアに対して最後の手助けができただけ、良かったのかもしれません。

 

▼アホ

リエに背中をざっくりやられるラディゲ。アホだなあ。そして結局自分の手でリエを殺めてしまう。アホだなあ。

そんな弩アホがラスボスとして成立してしまうのがこの作品。凄いですねえ。