しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン10話

ドン10話「オニがみたにじ」

 

今年のスーパーヒーロータイムはあれだ、前半にダメダメな作品を見せた上で、後半で模範解答を見せて「シナリオってこうやって書くんですよ。」と、ライター志望の人を教育する目的で番組作ってる気がしてならないんだが。

この作品にしても井上敏樹なんて引っ張っり出してくる位人材が枯渇してるのは分かるけど、一応娯楽作品ってこと忘れないでほしいなあ。たのむよお。

 

タロウ君を助けるとポイント大量ゲット!

まあそれだけが要件って訳じゃないんだろうけど、タロウに貢献したかってかなり大きいんだろうね。雉野のポイントが少なかったのって戦士としての資質だけじゃなくて「おにぎり屋の取り巻きがタロウをディスって彼を曇らせた」ってのはあるかもね。雉野と比べてタロウ糞みたいな感じでぼろくそに言ってたし、本人に悪意は無くても、結果的にタロウを惨めな境遇に追いやったらダメとか。

ポイントの反作用ははるかの代わりにオニシスターになった彼女に来たってことかな。ちょっと理不尽な気もしますが、はるかが居なくなったことで生じた戦士の枠を誰かが肩代わりすればいいってことなんですかね。借金みたいなもんか。金さえ返って来れば誰が払おうと関係ないと。

 

カメラマンオニシスターこと真利菜さんは良い感じだったと思います。今回ははるかと彼女の対比が素晴らしかった。

盗作疑惑をかけられる恐怖とカメラへの未練で揺れながら、戦士としても悩みまくりで、銃を構える手が震えてしまったりと、中途半端な真利菜さん。一方で、はるか以上にドンブラザーズとしての自分の立ち位置を確立すべく、被害者予備軍のはるかを守る為積極的にサイン会に行って連絡先を教え、猿原やタロウの身の回りの世話に邁進。タロウはともかく、猿原のお世話(※)をしてもポイントも糞も無いから仕方がないわけだしね。そんな感じで、不本意ながらも置かれてしまった今の立場に納得すべく、バイトも頑張るしドンブラザーズ活動にも精力的と、表面上でははるか以上の積極性を見せながらも、その積極性はどうにも受け入れがたい今の自分を無理矢理にでも納得させたいというゴリ押しでしかなく、心身に無理を加えているだけでしかないと。前回パクリ疑惑が出た真初恋ヒーローをバイト先で読みながら、つまらんと貶しつつも作品として内心は認めるはるかに対して、写真家さんはナイフで店に飾っている写真をブスリ(器物破損!)で「これは盗作ヨ」と我を忘れて店内で喚いてしまう火病ムーブを披露してしまう度量の差も大きく、これまでの積み重ねを活かしながら、まりなとはるかのキャラクターを掘り下げ、はるかが置かれていた立場が如何に苦しい者だったのかを捉えなおしてくる脚本が素晴らしい。こういうのを平気で書いてくるからこそプロであり、井上敏樹がこの業界でなんだかんだ(一回の支払に10万円以上必要なレベルの飯を何度も)食っていける理由なんだろうなあ。

愚痴りつつも我武者羅に漫画の夢を諦めず、ドンブラザーズとしても一定の信念を持ちながら戦い続けたはるかと、写真の夢に恐れを抱いて、戦士としての自分にも迷いを抱いて迷走している真利菜。この二人のオニシスターの対比を通じて、何故はるかがオニシスターなのかというのを掘り下げるシナリオが巧み。

なんだかんだで普通の人はそうなっちゃうんだよね。自分が置かれた現実を受け入れられなくて、自分をごまかして生きてしまう。でもごまかしきれなくなってそれがどこかで爆発してしまう。だから全部中途半端になってしまう。描写の一つ一つが繋がって、それぞれが意味を持つシーンとして機能し、まりな(普通の人)とはるか(ヒーロー側の人)は全然違うんだってことを明らかにしてるね。

置かれた立場が同じだからこそ、真利菜の気持ちが痛いほどわかるし、また彼女の境遇を通じて自分が置かれていた立場が如何に悲惨だったのを改めて理解しても尚、それでも自分の決断のせいで苦しむ彼女の痛みを消してあげたいという気持ちで戦士としての信念を固め、再起の道を選んだはるかがストレートにかっこよかったです。

後は、何度か書いてるけど、個人的にはもうちょいはるかの漫画への執着を見せてほしいかな。真利菜のバックボーンを掘り下げていただけにそこは改めてちょっと気になったかな。

 

海賊鬼ははるか達と違って、スタートラインにすら立っていない存在ということで、妬みだけで他人の人生を踏み付けにするどうしようもなさを披露。再起したはるかも漫画の道を完全に諦めたのではないと。理不尽で誰かの夢が踏みにじられた上でかなえる夢ではなく、自分の力で勝負して未来をつかみ取ろうという決意を固めたのでしょうね。

 

今回、タロウはやけにつっけんどんでしたが本当に忘れていたのかなあ。カイトは嘘だったようだけど、猿原もマジっぽかったし、覚えているのは管理人だけ(心遣いで忘れたふり?)なのかな。

タロウのことだから「縁が出来たな」とか言いそうだけど、目障りだもんなあ。戦士を辞める→タロウに貢献することを辞めたらそうなるってことかな。ポイント制度自体タロウに関係してそうだし。この辺は良く分からないや。

 

※猿原が片づけられないタイプなのは驚きだけど、なるようになる的な人だから気が向かないと何もしないんだろうね。公式サイトのキャラ設定だと几帳面とか書いてた気がするけどなあ。