しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

アキバ冥途戦争①

「アキバ冥途戦争」を第4話まで観ました。ようつべに上がっていた1話のアクションパートを観た限りでは、「最近急に寒くなりましたわねおほほほほ」と冷ややかーな印象しか受けなかったのですが、本編を通して観てみると、なるほどこれがまあ、盛り上がること盛り上がること。久しぶりに次が気になって視聴が止まらない作品に出会えて、おじさん嬉しいなあ。

 

正直、メイドさんが893の真似事をしてチャカをぶっ放したり賭博をやったり指詰めならぬ髪詰めをやったりなんてアイデア自体は、脱糞中の小学生(食事中だったらごめんね)でも考えつきそうな陳腐極まりない代物ではあるのですが、そういうしょーもない絵面が物語の一場面としてちゃんと成立し、盛り上げ所としても有効活用されているのは、一重にプロの御仕事だと言って良いでしょう。

 

主役のなごみちゃんはメイドに対する憧れが強く、その憧れから空回りしたり異常な事態に遭っても(遭ってるが故に?)メイドとしてのやる気を失わず状況に順応してしまう姿が描かれているのですが、常識人としてのスタンスとメイド愛の部分が、良い感じでその人なりの個性として調和し、作品世界や周囲の人間の異常性を客観視するフィルターとしても大いに機能している所が巧く、どこぞの仮面ライダーガンダムにも見習わせたい所です。

メイドさんとして大いに頑張りながらも、おかしな奴が現れてあれよあれよと騒動に巻き込まれていき、窮地に陥った所でミステリアスな妙齢の同僚が、有無を言わさず勢いよく敵を射殺し爆殺し蹴り殺しと、BBAの血と加齢臭塗れの暴力が様式美の如く気持ちよく決まる作劇が楽しく、作り手の工夫と誠意を感じさせます。貧相極まりないガリガリネタを、シナリオや演出の力で肉付けして存在感を発揮している良い例だと思います。切り抜き動画じゃ伝わらない魅力ですね。

 

バカをやりながら周囲の人物のひととなりや関係の掘り下げも手堅く行っており、真に面白い作品の妙味というものを堪能させてもらいました。このテンションが最後まで続くことを祈るばかりです。