ドン35話「おりがみのうた」
みほちゃんを失って情緒が不安定な雉野は、タロウ・はるか・猿原の傲慢で不遜な態度にブチキレ。普段の気弱さを自覚出来ない程におかしくなっているという狂気の描写の筈が、苦情の内容が割と正論なのでコメディチックに映るのがなんとも。テロップまで出しちゃうのはどうかと思うけど。
犬塚に対しては賞金を分け与えようとしたりと、一見罪悪感めいたものを見せつつも、只管にみほを返してほしい一心で、彼なりに働きかけているようにも見えるんだよな。本来は犬塚ではなく、あっさり自分を捨てたみほを恨むべきなんだけど、みほを必要としている以上彼女を恨めないから犬塚に八つ当たりするしかないし、自分のことを忘れたみほの姿を改めて目の当たりにしたことでショックもあって、彼女を取り戻したい一心から犬塚に対して譲歩しようとしているようにも見えるんだよな。前回の段階では未だ突然やってきたイケメンに発情してしまった若奥さんってことで、旦那のことを完全に捨てた訳じゃないという言い訳が立つんだろうけど、目の前で自分の事をハッキリ拒絶する奥さんの姿を見たら、ミホちゃんをおかしくした張本人という脳内設定で塗り固めた犬塚相手に交渉を持ちかけるしか道は無いと判断したと。
犬塚の方は相変わらず大人の対応で雉野と接していますが、それでもみほの存在を頑なに否定するので、雉野との溝は消して埋まらない様子。やりとりこそギャグめいた雰囲気にはなっているんだけど、二人とも彼らなりの歩み寄りの姿勢を見せながら、核心の部分は消して譲らないので、交渉の余地なしと言うのをここでハッキリさせたかったということなのか。演出だけでももうちょいギスった雰囲気出しても良かった気もしますが。他の井上作品と比べるとコメディ偏重って感じの味付けなので、らしいといえばらしいのですが。
過去作品だと雉野と犬塚の関係は、木野さんと涼、木場と巧に似たものがあるんだけど、衝突から和解の末に堕ちた方が死ぬって顛末なので、雉野が生き残れるかどうかは未だに疑問符が拭えません。年末辺り死んでも誰も驚かないよ。
はるかの叔母さんは獣人捜査の為に犬塚を使う気満々で腹グロすぎるんだよなあ。まあ、あくまでも監視しろって話が、まさか囚われるとは思っていなかったんだろうけど。にしても丸投げはどうかと思うんだよな。下手に尾行したら怪しまれるってのはあるだろうけど。
どうでもいいっちゃどうでもいいけど、「獣人」の固有名詞が警察内で広まっているのは何故だろう。警察内部のアノーニの線?
陣と翼の会話。ドンモモの人格がアレっていうのは公式見解で良いのね。
犬塚が獣人にコピーされた展開は、ただ囚われの身状態ってだけなので、あんまり悲壮や絶望は感じられなかったな。体ごと乗っ取られるとかなら未だ怖かったけど。それでも折り紙の森の雰囲気は中々ホラーチックで良かったんじゃないかと思います。
次回が気になって夜も眠れないであろう状況なのに、来週の放送は駅伝か何かで延期になるとか。他の番組ならいざ知らず、「ドンブラ」でやられると発狂する程ムカつくなあ。どうしてもやるなら、「サンデーモーニング」の枠でもジャックするなりしたらいいんだよな。「風」なんて読ませてもしゃーねーだろ。
でもまあ、ニチアサ放送枠を乗っ取る駅伝中継に憤るなんて10何年ぶりって位に久しぶりだし、それだけこの作品にハマってるってことなんだろう。今からロスが怖いですなあ。