しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン41話

ドン41話「サンタくろうする」

 

何かの本で大魔神カノン」の高寺氏が、井上白倉作品について「あんな内容だと子供が人間不信になりそう」みたいな趣旨の批評を展開していた覚えがあるのだけど、なるほど確かに気の狂ったキャラばかり見ていたら、未就学児にとって日本はヨハネスブルグと大して変わらなく映るのだろうけど、一方で今回の様に生きる上での「厳しさ」を説きつつ、子供の抱く「夢」を極力大事にしようと心がけるスタンスは、子供番組の作り手として素直にリスペクトすべき性質であると思います。

そういえば、「ガメラ」は結局どうなったん?

 

サンタさんが立派な前科持ちの不審者で、今では他人の家にゴミを送る変態という酷いキャラメイクは井上さんらしいひねくれ方ですが、彼が子供の頃のタロウに「幸福」を与えていたというエピソードを挟んだことで、なんだかんだでヒーローから敬意を集める凄い人としての立ち位置を堅持していたのは良心的だと思います。

友人がいないタロウにとって、一緒にゲームをして遊んでくれたただ一人の人間(?)ということで、タロウが「何故配達員として幸せを運ぶ」のかという根幹の部分に想いを巡らせる流れも好きなのですが、過去の栄光による激励だけではなく、今のままでは「不幸」しか待っていないという、現実の厳しさを突き付けて、サンタを立ち直らせようとする様も良かったと思います。けして甘やかさないタロウらしいやり方であり、視聴者にとっても誠意だったんじゃないかと思います。

 

ソノイはサンタに弟子入り。ヒトツ鬼相手に弟子入りというのは流石に苦しい気もするものの、自分たちの信念や考えよりも、サンタとしての責務を果たすことを優先したのかしら。欲望に溺れることを嫌うソノイ達らしい判断なのかもしれませんが。まあ、おでん屋のことである程度態度が軟化しているというのもあるのかな。

 

ゲストの子供はあくまでもサンタに対しては「厳しさ」として用意された役どころというか、ちょっと消化不良気味な扱い。脳人のおかげで彼女達の問題は解決したとはいえ、流れとしてはちょい歪かなあ。脳人の貢献ノルマの為だからしゃあないんだろうけど。

 

サンタ説得のためとはいえ、平然とヒトツ鬼の前に子供を連れてくるはるか達は、ドン5話の人質騒動を思わせます。自分達で護るってことなんだろうけど、自分の思い付きに溺れて他人を振り回す癖は直っていない感じ(笑)