しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

水星の魔女を観た⑥

機動戦士ガンダム 水星の魔女」の第9話と10話と11話を観た。政治劇も経済ドラマも恋も友情も、どれもこれもダメダメで何を愉しめばいいのかまたーく分からない。同時期の「アキバ冥途戦争」なんてオンエアを全裸待機(※)で臨んで最後まで楽しく視聴できたけど、やっぱり作品が「何を描くか」について地に足の着いたマインドで向き合っているかいないかなんだろうな。色々間違えてる気がするんだけど。

※丁度風呂上がりの時間に放送していたので、あながち比喩って訳でもなかったり。

 

ええと、ミオリネは一体何がしたいんでしょーか。「御三家を全部潰したMSとパイロットがいる」ことを宣伝するとか言って決闘の模様を動画で公開してたけど、お前らガンダムを「医療技術」として売り出すつもりじゃなかったのか?確かにMS戦の勝ち負けだけをアピールするつもりなら、戦闘形式とはいえ技術力を分かりやすく伝える効果もあるのだろうけど、操縦者の有能さまで宣伝しようとする意図が全く分からん。医療器具なんてそれこそ心身にハンデを抱えた人達が使う物なのに、使用者のスキルの高さを誇りながら「ウチの技術凄いでしょ」とかドヤる訳でしょ。爪先だけじゃなくて脳みそまで水虫じゃなきゃ出来ない発想じゃないかなあ。

シャディクもスレッタに「ミオリネに頼ってるだけ」と見透かしたようなことを言う癖して、実際はミオリネがスレッタの機体と操縦技術におんぶにだっこしてるだけだしな。スレッタとミオリネって成り行きでコンビ組んでるだけで、「こういう関係!」ってしっかり打ち出せるほどの明確なものを築いている訳じゃないし、なーに言ってんだかって。

 

話の都合で恋愛脳にされたグエルや、知らない内に突然モテモテエピソードが付与されたピザ子(名前分んねえ・・・)もそうだけど、この番組は本当に降ってわいた恋愛要素が大好きなようで、シャディクがミオリネにそういう感情を抱いていたりなんて今回いきなり語られても、こっちとしてはなんら感情移入不可能なんだよなあ。登場人物はやたらめったら多いけど、群像劇としては下の下というか。富野アニメみたいに短い時間の中でキャラが忙しなく自己主張する作劇にしろとは言わないけど(あれも大抵落ち着きが無くて個人的にはイマイチなんだけど)、もうちょっと尺を大事に使わんとあかんって。

 

第10話からはいよいよ狂気の沙汰。

上述のようにミオリネとスレッタの関係なんぞ極薄も良い所なのに、スレッタがミオリネの婿としてのアイデンティティを強固に抱いているなんて、信じろってのが無理で、出来の悪いレズ描写に頭がくらくら。スレッタがミオリネに拾われているというよりは、ミオリネが学園の変な校則から身を守り会社も発展させる為に、スレッタの腕とガンダムの技術を利用している状態で、その上大した積み重ねも無いのにミオリネに捨てられて哀しいスレッタを演出するのは無理がありすぎるんだよな。スレッタの過度に内向的な性格についても、起因する彼女の過去も何も分からないだけに、その気持ちに寄り添ってドラマを楽しむことが全くできないし。

台詞回しもキチガイの極みで、ガンダムのテスターがスレッタだけという人材不足っぷりを解消する為にエランを雇ったと言いながら、「私居なくても良いってことですか」と聞いたスレッタに「そうね」と返すミオリネが相変わらず水虫脳。じゃあエランを雇う意味も無いじゃん。スレッタもヘンな質問するなよってことで、アホみたいな流れでスレッタがメンヘラ発動させかけるのが本当にまぬけ。こんなのシナリオ会議通らないと思うんだけどなあ。

 

その後も、出来の悪いすれ違い劇を見せられ、挙句メンヘラ同士のやっすい会話を聞かされるだけで全然おもんないです。スレッタのおかげでミオリネが地球に逃げずに済んだことで何を得たのかも今一つピンと来ないし、いきなりベタベタされても困るっす。むしろ地球って荒れてるんでしょ?そこに飛び込むことの方が勇気が居そうだし、今の彼女は親が出してくれたお金で会社ごっこをしてるだけで、何も勝ち取っちゃいない訳だしなあ。

 

次回で第1部完らしいけど、誰が何をしようともはやどうにもならんのだろうなあ。