しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン45話

ドン45話「カカむらガガむら」

 

「キングオージャのお披露目回」みたいな体で、公式が本話をようつべで無料公開してるのに、肝心のキングオージャはいなくても話が成立する霞よりも軽い扱いなの流石に笑っちゃうなあ。

後個人的な好みもありますけど、ドンオニタイジン程のヒットはしないんじゃないかなあアレ。ドンオニはシリアスなシルエットを保ちながら「ここがポイント!」という分かりやすい目印みたいなものが外観に配置されていて(例えば胸の金色の装甲とか)、且つカラーリングも青赤黄色諸々と色とりどりで、往年のDX超合金的なテイストを取り戻してくれた王道DXロボ玩具として成立していたのが大きかったと思っているのですが、対するキングオージャは、シルエット自体の崩れこそないものの、モールド過多なデザイン故に印象を掴みにくく、色も赤主体で他が目立たない為、どちらかというとリアルロボット系の路線のロボって感じで、プラモとしてはアリかもしれないけど、完成済みトイとして会心の出来って感じはないんだよなあ。

 

ついでに言うと、巨大ロボ×昆虫って合いそうで合わないんじゃないかって印象あるんだよな。昆虫って「小さい」ってイメージが先行するし、仮面ライダーみたいに等身大のヒーローがモチーフにしてどつき合うとかならイメージが沸くんだけど、デカブツとして力いっぱいぶつかり合うっていうのは、なんとなくポイントを外している気もするんだよな。

ライオンとかティラノサウルスみたいに、人間が生身で挑んだらぐちゃぐちゃにされそうなイメージがあるからこそ、動物だとか恐竜なんかはデカくて強いスーパーメカ・ロボのモチーフたりうるわけで、どんなにひ弱でもカブトムシに力比べで負ける人間なんてそうそう居てたまるかって話だし。

 

前置きが長くなったけど、「ドンブラ」の感想。

 

ジロウペンギンの獣人説は外れだった模様。折り紙は寺崎さん(ペンギンの獣人)が、遊びの一環で教えただけっぽいですね。

ジロウを獣人のコピー元にして、彼をコピーした獣人を獣人の森の見張りの跡継ぎにしようとしていたみたいですが、ジロウに何もかも教える前にコピーを始めようとしていたように見えるのは気のせい?寺崎さん獣人も「不可殺の者になりたかったから獣人になった」と、さも寺崎さん自身が獣人に変質したと言わんばかりの口ぶりでしたし、ペンギンの獣人の人格については何故が一杯です。

 

寺崎さんについては、14話・39話の2話しか出番が無かっただけに、いきなり物語の核心に近い所に立たされて、ちょっと反応に困る扱い。この辺は少し視聴者の裏をかこうとして、今一つな感じになったような。予想外の事をやろうとして脱線スレスレになるのは「ドンブラ」の傾向ではありますが、今回は流石に車輪がレールから外れてしまったような。

 

ペンギンの獣人については全く訳が分かりませんし、寺崎さん周りの描写もあまり巧くいっている気はしないのですが、タロウと犬塚の掛け合いは楽しかったです。他のお供は正体がバレて以降はタロウ×お供4人みたくセットでタロウと関わっていたのが、犬塚は正体がバレたと思ったら即二人で行動という厚遇っぷり。その関係性も他のお供と違って、お供扱いするタロウに口の効き方を矯正させてみたり、気に入らなかったら暴力で以てねじ伏せようとする姿が中々新鮮に映ります。それでいてタロウがちょっと言い方を変えただけで、素直に従ってしまう可愛らしさも発揮するのも素晴らしいです。タロウを神格視したりコンプレックスを抱いたりしていないだけあって、タロウと対等の立場であり続けようとする彼の戦隊のメンバーとしてのスタンスが、ド終盤の今になってようやく発揮されるというのも、この戦隊らしさ爆発です。

 

タロウは「やるべきことが分かればそれでいい」という、6話以来のスタンスで行動し、ドン王家の者としての責務の為、ジロウの代わりに見張りを引き受けようとします。何物にも思い入れを持たないが為に、仕事であろうと使命であろうと、公的な役割に躊躇いなく身を捧げ、また他者に幸せを運ぶ者であり同時にドンブラザーズの主として、ジロウを獣人化することは許せなかったということでしょうね。

 

ソノイはドンブラザーズに敗北したことを認めつつも、故に自らの「過ち」の重さに耐えきれず、ドンブラザーズと戦う「使命」に殉じますが、彼としては本気で戦うというよりは、脳人の戦士としてドンブラザーズに殺されたかったということかもしれませんね。

 

みほちゃんが居なくなった雉野。みほを獣人と言い切るタロウに対して「大嫌いだ」と喚いたり、街中で捜索ビラとは名ばかりの怪文書を大量に張って泣きわめいたりと、どんどん幼児退行していきます。年下の者から呼び捨てにされることを嫌っていた彼ですが、結局これではそういう扱いになっても仕方がないよねと思わせるシナリオが巧み。

ヒトツ鬼になった彼を消去したのが帰ってきたソノシと愉快な仲間達というのも良かったです。使命を忘れた脳人達の前で、「こうやってやるんだよ!」と言わんばかりに「手本」を見せ、またその相手が欲望のまま他者の命を奪おうとした雉野つよしその人というのも、物語の積み重ねの効果も効いて存在感がぐんと跳ね上がったのではないかと思います。王道的な手法ですが、大事な所です。