しがない感想置き場

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ひろがるスカイ!プリキュア 第1話

知らない内に「デパプリ」が終わり、新シリーズが始まっていました。「ドンブラ」のお供にはなれなかったのだ。

 

今度は「ヒープリ」でサブで参加していた金月龍之介氏がシリーズ構成を担当しているようです。「鬼太郎」も「ヒープリ」も、氏の担当回はどれもイマイチだった覚えがあるのですが、代表作の「フタコイオルタナティブ」は(ギャグと設定のしょーもなさと中盤のgdりっぷりはともかく)人物描写の丁寧さと、布石の撒いた拾ったの器用さは少なからず好印象だったので、近年の作品のようなあからさまなクルクルパーっぷりは薄くなるんじゃないかと思います。

 

SDは小川さん。「6期鬼太郎」の人ですね。

「6期鬼太郎」はこれの裏で書いてる人の脚本なんかは好きだったけど、他は「シャカイハネタ」に全振りして、シナリオそのものの技で魅せよう楽しませようって意識が欠けたような話が多くて、総合的には「イマイチ」なんですよね。

社会の闇や理不尽さに焦点を当てるのは水木漫画のお家芸といえばそうだけど、「6期」みたいに「世の中って残酷ですねえ怖いですねえ(ニチャァ)」するイヤラシさや「もっとちゃんとしなきゃダメじゃないか」的な説教臭さではなく、「バカバカしい世の中だからなるたけ肩の力抜きましょうや」って位の余裕と達観を保っているからこそ、エンタメとして完成していた訳で、結局シリアスだって「ユーモア」が無いととんとつまらなくなるよねと。

 

で、第1話なんですが、やっぱりその手の不安の方が大きい出来だなあという印象です。

ソラちゃんがヒーロー志望として身体を張って巨悪に立ち向かい、金ペチと後藤ひとりを混ぜ込んだようなキャラデザの相棒がそれを見て何かを感じると言う、良くも悪くも王道的な導入ですが、これ見よがしにボロボロになったり立ち上がってみたり「ヒーローになる」と連呼してみたりと、クドイ具合にヒーローキャラを押し付ける一方で、反面その動機となるものが一切描かれないので、感情移入して見入るというよりは、作劇のあざとさだけが印象づいてドン引きしたというのがホントの所です。敵のオナラの臭気に気を取られて赤ちゃんを奪い返される失態を見せる場面も、「あくまでもヒーロー“志望者”でしかない」という未熟さの表現と呼ぶには、傷ついても前のめりで挑み続けるタフガール像とのギャップを広めてしまった感じで、バランスを欠いてる気がしますし。

 

同じく一応ヒーロー志望つながりだと、直近では桃谷ジロウなんかが記憶に新しいですが、あいつは一応「内なる声」なる素っ頓狂なものに突き動かされて体を鍛え、ヒーローとして村の人達に別れを告げるなどし、脳人相手に投石し、挙句実力が劣る仲間達を処刑しようとする一面をさらっと描くことで、行動にコミカルさとアホらしさを伴わせつつも「気は狂っているしお近づきには絶対なりたくないけど、こいつはこいつなりにヒーローを目指してるんだなあ」というのが素直に伝わって、クルクルパーなりにすんなりと受け入れることが出来たんですよね。勿論、893印のトンチキキャラを再現しろというのは極論すぎますが、せめてこの子ならではの何かというのを見せた上で、作劇が一歩引いた形で描写を進めないと、作り手や物語の主張の部分だけが乖離して迫ってくる感じで、説教臭さが抜けなくて困ると言うか。

 

早くも「6期鬼太郎」の二の舞になりそうな予感がプンプンしますが、男の娘プリキュアもこれから出てくるんだと思うと、エンタメとして楽しませようというよりは、シャカイハ気取ってマンセーされたいという作り手のエゴのみが前面に出てきそうな予感がしクッソ不安です。

 

追伸

赤ちゃん妖精については可愛かったと思います。マスコットだけは今年も外れがなさそうですね。女児アニメとしてそこをキープしているのは素直に好印象です。