しがない感想置き場

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ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 第10話

ソフビ魂、昭和ヒーローに関しては神懸かり的クオリティだったと思います。

 

女王とクオンによる巡洗脳作戦に拒否感を示すブーケ。

1話でファイヤキャンドルに無意味な乱暴をしないよう忠告し、吠が我が身を顧みずに指輪をはめようとするのを止めようとする姿勢から、作戦の過程で一定の破壊・殺戮が生じるのは許容しつつも、それ自体を正当化する意思は無いという「慈愛」の二つ名に沿った性格が伺え、今回洗脳という他者の人格を無視した暴挙に対して否定的なスタンスを取るのも納得のいく振舞い。

(最も、陸王にお熱の推し活女子的な側面ばかり強調されたので、受け入れるまでにそこそこラグがあったんだけどね・・・。)

 

それにしても、洗脳に嫌悪感を示す彼女が、他人を洗脳して自分の信者にする人気者ノーワンに加勢したのはどういう理由なんだろう。

人気者ノーワンの能力を知らなかったのか、それとも能力は知っていたし好きではなかったけど同胞の危機を前に静観する程(「慈愛」故に)薄情でもないということなのか。

 

いずれにせよ、陸王のグッズを破壊したテガソードブルーへの憎しみが勝って、あれだけ嫌悪していた巡を操る作戦を自ら実行してしまうのは、ただのイイコちゃんには収まらない部分。

ファイヤキャンドルもカッコいい人ではあるけど、一般市民をいたぶったり街を破壊することに抵抗はないので、ブライダンの人達は人間らしい情を見せつつ人間とは相容れない価値観や行動原理が根底にあるので、分かり合うのもまた難しい感じ。

 

令和の文化に浸りながらも昭和への拘りを捨てきれない禽次郎は、昭和ノーワンからその中途半端さを指摘され落ち込む。第2の人生に希望を持ちつつも第1の人生に関しても簡単に忘れたくないし、人生をやり直す過程でこれまで培ってきたものが失われるんじゃないかという恐怖と、第1の人生への未練が強いことを自覚したことで自分が何を目指しているのかが分らなくなった虚無感といった感じかな。何かを失う事を恐れて空っぽになってしまった事をクオンに突き付けられた前回の吠と被る。

 

角乃の言葉を受け、令和と昭和の両方の良さを感じ取り、未来に希望を抱きながら前進すると決めた禽次郎。

ここも何もないからこそ相手と向き合い自分を見つけていこうとした前回の吠と重なるね。過去に閉じこもらず、また否定するわけでもなく、過去から今のありのままを受け入れながら未来に突き進むという、禽次郎らしさを活かした彼なりの「戦い」を描いてる。

 

吠にコーヒーをサービスする竜儀。家族に変な人がいるもの同士でシンパシーを感じたようだけど、8話9話の禽次郎の言葉や吠の逃避行をきっかけに、吠に対して歩み寄りの姿勢を見せ始めたようにも見える所。

円形からノーワンワールドの出入り口が開くという吠説を疑う竜儀に対して、ブーケが現れたのを指して「そらみろ」とはしゃぐ吠も微笑ましい。

 

巡を助けるために分身テガソード(昭和バイタリティのエネルギーがたまったどうのとか意味不明(笑))でブラック大獣神を追い詰める販促シーン。

巡に対して「ちょっと我慢しろよ」と声掛けしながら、大獣神に容赦なく攻撃を浴びせ破壊する姿はこの戦隊らしい破天荒さ。

最後に5人で決めようとする吠も良い感じ。

 

無事助かった巡。こいつも最後まで良い奴でした。

不在中の8話9話でゴジュウジャーが向き合い直し、今話での救助展開を挟む事で、改めて巡に戦隊として認められる過程が気持ち良い部分。