しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ2

冨岡脚本で3色なら実質これ

 

未来視点で話を進めているつもりなんだろうけど、彼女の行動や内面に関するフォローが無いから面白さにつながっていないんだよな。

「ドンブラ」もヒロインのはるか視点で物語が進行したけど、彼女の場合はちゃんと順を追って置かれた状況やパーソナリティを描いているんだよな。第1話の段階でクラスメイト達にちやほやされてまんざらでもない名誉欲や自分に敵意を向ける同級生を心配する良心を描きつつ、栄光からの転落という立場の変遷も見せたから、2話目以降もタロウを見つけようと行動する姿や、戦士として戦う決意を固めて人々を消すソノイのやり方に異を唱える姿にも感情移入が出来るし、そんな彼女が訳の分からない連中に振り回される様も絵になれば、振り回す側であるタロウ達のキャラクターも、空回りせずに物語に溶け込むという。

その点未来は、彼女に纏わる背景や事情も分からないまま、ついさっき会ったばかりのお兄ちゃんの発言に何故か気が咎めて、訳の分からない怪物相手の戦いに自ら参加し、その活動に惚れ込んで彼氏をフるという、突飛な振る舞いだけが前面に出るから、行動の一つ一つが歪に感じられちゃうんだよね。だからブンブンジャーの魅力も伝わらなければ、彼女に反発する射士郎に対して、彼女に何かを見出した大也の凄みや格といったものも今一つ伝わってこない体たらく。

ブンブンの説明でブンブンジャーの活動を「地球を守るため」と解釈したり、目の前で襲われている警官達を助けようと躍起になるのを通じて彼女の良心を表現したかったのだろうけど、「自分のハンドルを握る」という目的でブンピンクになることを選んだ彼女が、いきなり自分以外の何かに目を向けだすというのが、却って座りが悪くなりキャラクターへの印象が定まらないんだよな。大也も再三自分たちを「届け屋」と名乗り、ドレス怪人と戦ったのも「サービス」だと説明しているし。本人が何故ブンブンジャーを続けているのか今一つハッキリしないから、掘り下げどころか却って違和感が生じる始末なんだよな。

届け先の笑顔で仕事にやりがいを見出すのは勝手だけど、前回客を困惑させたのは他ならぬこの人なのを考えると、素直に同調できないのもネックだなあ。

 

射士郎個人としては未来が信用出来ないけど、大也が見出した逸材なのだから心の底では認めているということなんだろうな。

大也は「自分のハンドルを握る」云々と言いながら荷物の運搬を射士郎に任せて、射士郎は「俺は認めない」と言いながら心の底で大也の判断に甘えてるようにしか見えないという、イキっているだけの丸投げコンビだね。

 

ブンブンジャーの目的は地球の防衛ではなく大也達の夢のためとか。この辺は脚本家がホビーアニメのベテランってのもあるのかな。

別に表立って「人を守る!」という必要はないし、実際にそう活動できていればいいのだけど、前回みたいに襲われる人そっちのけで会話をしているのを見ていると、真面目に赤の他人はどうでも良さそうなのが見て取れてどうなんだろうって思っちゃう。俺の知ってる戦隊の味じゃないよこれ。

困った時は金で解決というのも、単に実家の資産を食いつぶしているだけにしか見えないし、良いところが無いとは言わないけど、好きになれる程のキャラでもないかな。