しがない感想置き場

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デリシャスパーティ♡プリキュア 第11話

第11話「ジェントルーの罠!ゆいとらん、テストで大ピンチ!?」

 

のっけから頭のおかしいシュールな展開で「これはYMOKだ!」と確信したら、見事当たってました。面白い面白くないはともかく、この人にしか書けないホンは確かに書いている人なんじゃないかと思います。

 

テストの問題をすり替える会長さん。ええと、こういうテストって教師が採点するんだよね。会長の思い付きで問題をすり替えても教師が気付くと思うんだがなあ。

 

前回のレシピッピ愛からの補習で身動き取れません展開はこう、気持ちは分かるけど・・・って感じ。一番頭の悪いゆいちゃんが、補修中に拓海君と二人きりになれたという流れ自体は美味しいと思うけど、交わした会話が「怪物の生態について」という色気の無さで、二人の関係について掘り下げた訳でもなんでもないしなあ。山岡脚本って、物語の構成要素の揃え方や書かんとするテーマ性なんかは嫌いじゃないんだけど、シュールな展開が板につきすぎてるのか、組み立て方が凄まじくずれてる印象なんだよな。

 

拓海との会話を受けて「ジェントル―ってそんなに悪い人じゃないのでは?」とか言い出すゆいちゃん。この子は初回の飲食店休業ラッシュを忘れたのかな。苦しめたレシピッピに対する罪悪感を、彼(女?)らを救ったプリキュアへの礼で表明したことが一番の根拠なんだろうけど、誘拐して泣かせてること自体は前から変わらんからなあ。誘拐して泣かせるのは問題ないけど、大泣きさせるのはアカンっていうジェントル―の線引きを指して、「そんなに悪くない」って評価に落ち着くのはどうかと思う。レシピッピに笑顔でいてもらいたいって言ったのは彼女だし、おばあちゃんとの思い出を守りたい彼女が、思い出を汚してきたジェントルーへ好意的な認識を向けるというのも妙だし。

てか、物置に閉じ込めて犠牲者を出さないようにしていたってのも違う気もするんだよなあ。犠牲にしたくないなら普通に逃がせばいいだけじゃん。怪物だって結局オカマの転送能力ですぐ飛ばされちゃうんだから、何をしようとしてたかなんてわかったもんじゃないし。

そんなこんなでゆいちゃんの発言が薄っぺらく感じられるのは、この子が結局おばあちゃんが言ってたbotでしかないからで、他人の心に寄り添ったり思い遣れるキャラ付けを徹底していた訳じゃないからなあ。何か言うたびにおばあちゃんの言葉を借りて、行動原理もおばあちゃんの言葉を丸パクリしているだけで、彼女自身がその言葉の意味を考えて昇華するという過程を踏んでいる訳ではない。

主張の裏に人間が見えないというか、そういう意味では桃井タロウと似てるんだよな。ただあっちはその異端児っぷりを周囲の人物のリアクション等で強調するから、彼の行動の正と負が視聴者に伝わって、一個のキャラクターとしての厚みを持ってくるんだけど、現状ゆいちゃんの異質さがそのまま正のものとして肯定されるだけだから、登場人物として成立しているしていない以前に、素直に面白くないという評価に至っちゃうんだよなあ。

 

生徒会長、ほっぺた柔らかそう。