しがない感想置き場

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王様戦隊キングオージャー 第29話

shodoジェットマンのあの顔、なんとかなりませんかねバンダイさん。

 

理解も共感も出来ない展開で視聴者の脳を揺さぶってくるキンオーですが、今回もまあ酷い。何か他の事をやりながらじゃないと、視聴が持続しないレベル。

 

自分の国の王様が襲われたのを目の当たりにし、疑心暗鬼から他所の国の人を排除しようとする各国の民たち。要は空白の2年間も含めて、ギラもヤンマもヒメノもカグラギもリタも、他所の国からの信頼を何一つ獲得できなかったということですね。一応、宇蟲王勢力という共通の敵が存在するにも関わらず、そっちの関与なんて全く考慮していない辺り、邪悪の王ごっこと我侭の賜物だなとしか思えないです。本当に王様失格だと思うんだが。

後、他所の国の王様相手に個人的な拘りから反発してきたヤンマ君が、今更「国際問題」という概念に敏感になるのやめてもらえますかね。電力独占の件で投獄されたショックが大きかったのかもしれないけど、糞みたいなミスへの刑罰でようやっと理解するって時点で、やっぱり王様失格だと思うんだけど。

 

行間おじさんが悪役を引き受ける件なあ。それっぽいことを言っているけど、結局独断で同族をヘイトにさらしているだけで、やってることは割とクズいと思うんだよな。デスナラクさん涙目や。その上バグナラク国を加害者に仕立て上げた所で、既に抱いていた他の国に対する疑念は未だ晴れないわけだから、それだけで「敵を倒せ」という怪人の洗脳が解けるとも思わないし、何から何まで雑やなあと。

そもそも、行間おじさんが悪役を引き受ける必要も無かったよな。あれで解決するなら、各国の王達が自国民に対して「全部宇蟲王の手先の仕業だったんだ。」と説明すれば済む話でしょ。人智を超えた各国共通の敵という、初登場の段階で各国に乗り込んでクッソ分かりやすい位に存在感をアピールしてきた連中なんだから、標的にするには別段難しくもなんともないと思うんだけどな。おじさんも孤独を気取る前に、「実はあれは芝居だったんだよハハハ」と全国民の前で釈明しておけばいいんじゃない?皆アンチ宇蟲王でそれどころじゃないだろうし、しれっと信頼回復で何も問題ないね。

てか、敵が同じ手を使ってきたら今度はどうするつもりだったのだろうね。結局その場凌ぎ以外の何物でもないと思うんだけど。

 

後一番の問題は、おじさんが2年間の間に勝ち得た信頼を捨て、再び憎まれ役の虫野郎として謗られる羽目に陥る悲劇に、何一つ感情移入出来ない所だよな。

和解の為の行動は2年前の段階からしっちゃかだった上に、バグナラク建国から現在に至るまでの空白の2年間に関しては描写すらされていないので、おじさんの悲壮な決断に事実の裏付けが無いから、至極淡泊に映っちゃうんだよな。

正直、前回の「2年間長かった」からの「2000年も待ったんだ」の台詞の反転っぷり自体は好きだし、上記の様に理由が破綻していても、ジェラミーの努力と、それを受けて変化する人々の心模様をしっかり描けていれば、所謂エモな展開としてある程度は映えたと思うんだよな。しかしこの作品は、過程を省略して、ジェラミーが「信頼を勝ち得ている」という結果のみを強調するから、何もない所から理想を持って建国し、頑張って周囲の国々から認めてもらえた事実を自ら放棄する悲劇に、何の説得力も存在しないんだよな。前回も書いたけど、挿入すべき描写を省いただけの2年後ワープでしかないんだよ。

 

後、怪人が人間の疑心暗鬼についてああだこうだ語っていたけど、人間の描写が薄すぎる本作でそういうことを口走っても、説教臭いという印象しか抱けないんだよな。「ドンブラ」はこういうくっさいことをしなくともしっかり「人間」の実態が伝わってきたものだけどね。物語を紡ぎたいのか、物語の皮を被ったシャカイハごっこがしたいのか。力量以前にマインドの問題なんじゃないかと、勝手に邪推しちゃう今日この頃。