しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

王様戦隊キングオージャー 第30話

正直、「仮面ライダー剣」については、前半後半含めてアンチ寄りな私ですが、桐生編については例外的に大好きで、そこだけ抜き出して観返すことが多々あります。

あの一連のエピソードで、「やっぱ一流だよなぁ橘さんは。」と感服したものです。

 

総評

「25点だ!」

以下細かい感想。

 

お茶の一杯で揺らぐ中立?いやいや、無い物は揺らぎようが無いんだよなあ。

 

ギラ「バグナラクと人が一緒に暮らせる地球にしよう。僕が生きている間に。」

いや、改めて宇蟲王一派の存在を公表すれば良いんじゃないの?「敵の出方を見る為に芝居を打ったのさ」とか言いようがあるんじゃない?実際ノコノコ出てきた訳だしね。

(描写は無いけど)少なからずこれまで信頼を積み重ねてきたのなら、その蓄積で発言にもある程度の信用は獲得できそうな気もするし、実際未だに侵略者が大暴れしている訳だから、全く無意味な行動には映らないと思うんだよね。

そもそもの民の不信感や恐怖だって、要は慕っていた王様が襲われたことにショックを受けたことに起因する訳でしょ?王様皆で一緒にジェラミーの肩を持てば、多少の反発はあっても、「さすが総長!」みたいなノリで賛同してくれる人が多そうだし、少なくとも今よりはバグと人間の関係は改善されると思うんだが。

俺が馬鹿なだけで、キンオーは高度な政治劇を描いているのかもしれないしけど、主犯が分かり切っているのに未だに悪役を引き受けたままでいて、一方で「いつか仲良くなりたいね」みたいな呑気な事を宣っているのは、やっぱり不自然極まりないよ。

 

リタ「15年前の神の怒り」

ん?2年前の時点でも「15年前」とか言ってなかった?なら今から振り返れば「17年前」にならないか?

うーん、やっぱり2年後ジャンプ、しない方が良かったんじゃない?

 

ジェラミー、嫌われ者というか、一応死人扱いなのに、こんな簡単に入国できちゃうんだね。イシャバーナの入国管理ガバすぎるよな。表立って他所の国に行ったり出来るのんだし、やっぱり真実公表しようよ。

 

ヒメノ「この男、神の怒りの犯人!」

新キャラの顔を見て父母の仇と断定するヒメノ。犯人の顔を覚えていたのね。

なら、ジェラミーに対するあの憤慨っぷりはなんだったのだろう。共犯と思ったの?それとも変装(整形)疑惑?いずれにしても、捕まえて死罪もしくはその場で斬首みたいな勢いでキレ散らかしていた気がするけど、自分が知ってる犯人の顔と違うのに、簡単にヤッちゃって良いのって思っちゃう。あの時ジェラミーの態度に不遜な部分があったのは確かだけど、別人説の可能性があるなら、あそこまで激昂するのも変と言えばそうだし、死刑にするにしても、真犯人の特定の為にも事情は聞くべきだよな。

 

天野さんが演じる新キャラ、サイコキャラらしい罪悪感ゼロの台詞回しと演技は好きなんだけど、キャラ自体は別に面白くもなんともないのだよなあ。

あれだけしゃべくってるのに、死を愛する理由として「人間は活き活きしているのが忌々しい」とか「生き物の無駄と分かって足掻く所が嫌い」とか言うだけで、実際何故そう思うのかの掘り下げが全然無いもん。この手のキャラって、彼なりの背景とか拘りの正体とか、そういうのがあって初めて生きるものだと思うんだよな。「龍騎」の浅倉や東條だって、「ずっと殴られてきた」とか「他人に好かれたい」とか、非人道的な振る舞いに及ぶ一方で、誰しもが陥るかもしれない闇や、人並みのコンプレックスや欲望がその根底にあるからこそ、道を踏み外してしまった「怪物」としての説得力が出たのであって、ただ自分の趣向をペラペラ吐いていればキャラが立つという訳じゃないんだよね。彼の掘り下げは今後の話次第かもしれないけど、今までどのキャラも掘り下げらしいものがまともに出来ていない惨状を鑑みると、彼もまた同じように薄っぺらいまま終わりそうだよなあ。

後、「殺しそびれた奴の一人か」とか「目に付く者は●ろしてきた」っていうのも、王から「生かさず殺さず」と命令されていたのを見ると、そもそも上から殺生に関して制限をかけられていただけで、実際は言う程ヤってきた訳じゃないんだろうなあと思わせてしまうのが哀しい所。先代裁判長を●したのもカメジムだしね。

キャラは薄い、ちょっと変わった好き嫌いを好き放題語る割に社畜精神旺盛だったりと、どうも中途半端。

 

それと、なんちゃら五人衆みたいなアレ、最後の一人ですとか言われても、そもそもそいつら誰一人キャラが立っていないので、「おおお、こいつが5人目か!」という興奮が無い。なんかもう、作劇として色々落としすぎだよ。

 

「法で裁けない者を封印する力」というかこれ、そもそも法とか以前に、能力的に人智を超えた存在への対処用でしょうよ。なんかピントがズれてるんだよなあ。

 

リタとヒメノの友情に何もピンと来ないのもなあ。

一応イベントは積んでるんだよね。好きなアニメのグッズを貰ったとか、父母の死の真相に向き合ってくれたとか。惹かれ合う為の過程はあるのに、全く映えない。

キャラに魅力が無いんだろうね。表面的な「我侭キャラ」と「アニヲタ中立キャラ」を見せられているだけで、彼女らなりの苦悩や拘りにそこまで言及出来ている訳でもない。今に至るまでどんな事実にどのように立ち向かってきたのか、或いは今の今まで翻弄されているのかというのが、現時点での人格形成と連動する形で伝わらないというか。「ドンブラ」のタロウと雉野は、折に触れて彼らの苦悩と葛藤を強調してきたからこそ、その関係が最後まで対比として、時に重なる物として映えた訳だからなあ。「ドンブラ」も「キンオー」も、キャラが奇行を働くと言う点で共通しているけど、前者は少なくとも「こういう奴もいる罠」と呆れつつも笑えたのに対して、後者は掘り下げが無いので単なる「出来の悪い機械」にしか映らない。なんというか、致命的だよね。