しがない感想置き場

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王様戦隊キングオージャー 第21話

劇場版?観てないよ。

 

OPのダンス、曲調と噛み合わな過ぎて観てて恥ずかしくなるんだが・・・。

まあ、そういう路線のものと割り切ればそれまでだけど、その癖いつものOPムービーは、スタッフロールの読み易さを度外視してまでオサレに徹したような代物なんだよな。

初回でも最終回でも無いのに、曲を流す時と流さない時があるという不安定さも個人的には苦手だったけど、ここまで来ると何が何だかでいよいよついていけんです。

滅茶苦茶拘っている様でいて、その実扱いがブレブレすぎて締まらない。本編の内容に関わらないパートではありますが、本作の迷走っぷりを象徴しているようで哀しいですね。

 

ギラ「本当に僕が王様で良いの?」

いや、イザ着任してみたら何をどうすれば良いのか分からないって不安が生じるのは当然なんだけど、あれだけイキり散らかしておいてこれってのもダサいし、何より他所の国の王様に相談してどうするんだと。

あれだけ「民子ガー」と喚いていたのだから、まずは国民に己の王としての資格を説いたり、何を求めているのか伺うなりすべきでしょ。王様として何を成すのかという苦悩において、あれだけゴリ押ししていた国民目線が全く排除されているようにしか見えないのは俺だけか?

 

その確信を強固にさせるかのように、「勝ったら何でも言うことを聞く」という勝負事を困惑しつつ、国民ガン無視で勝手に引き受けるのもヤバいよなあ。

いや、断れなかったのそれ?相手は王様だぜ?ゴネ男と我侭女とホラ吹き2名が相手なのに?しかも当たり前のように負けて、酷い要求突き付けられてるし。

感知していないから仕方がないとはいえ、居場所を無くした側近Aが職探しに奔走する中、王様同士でバカやってるっていう構図も感じが悪いし、ラクレスに対する説教が全部滑ってる気がしてならないなあ。まあ、前からだけど。

 

「不動」とか言いながら「にらめっこ」対決をしかけるリタ。

うん、表情は動かしてますよね。ああだこうだとそれっぽい理由をつけて嘘を認めないリタの厚顔無恥人間性がワンシーンで表現された名場面でした。

 

側近A、主君以外の命令は受け付けない的忠臣キャラをアピールしていたかと思ったら、結局彼の政敵だったヤンマ達の国に身を移そうとしているのが尻軽過ぎて泣ける。ラクレスめっちゃかわいそう。てか、これならシュゴッダムでまた就職活動すればええんでないの?ラクレスアンチの国民に睨まれるからダメ?言うてラクレス由来の実害は何も受けてなかったでしょあいつら。婚姻だけで怠慢に対する怒りが霧消するような連中だし、たかが側近の事なんかもう忘れてるでしょ。

 

ギラが「王様を教えてほしい」と側近Aを雇うの、一見すると優しいギラ君みたいに見えるのですが、正直ボンクラだから猫の手も借りたいって依頼心の方を勘繰っちゃうんだよなあ。いや、そういうシーンじゃないと言うのは分かるんだけど。

大体、側近Aに教わったらラクレスみたいな王になっちゃうかもしれないじゃん。その辺どう考えているの?ラクレスが国民軽視の暴君(ギラ視点)に変わってしまったのは、ずっと仕えていた側近Aの影響かも知れないし、側近Aもラクレスのやり方に感化されてる可能性があるじゃん。人が良いとか以前に、バカなんじゃないかギラ?

 

シュゴッドの操縦権とか国民のファッション統一とか土地の農地化とか、侵略する気満々な要求を突き付けられるギラ。馬鹿でしょ。

軍事力は無くなり、国民の自由も自主性も否定され、慣れない産業を押し付けられた国民は生活苦に陥り、国の伝統も死に絶える。あーあ。

しかしまあ、これ制作側が「ヒーローが他所の国の権益や国民の自由を奪ってるスゲエえええ」って意外性満タンの描写にしてやったりって気持ちなんだろうけど、こっちとしては何が面白いのかさっぱり分からないので、本当に泣けてきます。

雉野やジロウのような掘り下げもインパクトも無いのに、ヒーローに悪辣な行動ばかりやらせても困るんだよな。ヒメノなんて一応他人の自己決定を重視する風(あくまで風)のキャラとして描かれていた筈が、一気に他人の自由を否定するキャラになって困惑する位なんだが。

 

自国ファーストだから良しみたいなまとめ方やめえや。名ばかりの王状態って自分で言ってたじゃん側近A。侵略やでこれ。

別に最低限の事が出来てさえいれば、「ヒーローの在り方」についてこういう挑戦的な問い直しをするのは悪いとは思わないし、興味深いテーマだとは思うんだけど、一つの国が侵略されそうになっているのに、「でもやっぱり、自国の民を護れる王様って、それはそれでカッコいいですよね!」みたいな価値判断を登場人物に態々喋らせる所にクラクラするというか。普通そういうのは「各々で判断してください。」ってお任せする所でしょーが。

前作がヒーローらしからぬ人達が跳梁跋扈しつつも面白かったのは、キャラ立てに力を入れていることに加えて、キャラクターの在り方について良いとも悪いとも言っていないからなんだよな。ただ、そこにそういう性格の者達が居るという所で留めていたからこそ、あれはあれで独自の関係として受け止めることが出来た訳で。

何度も欲望に取り込まれて人々に危害を加え、それでもヒーローとして活躍し続ける雉野に対して「彼は欲望に取り込まれて人を殺しかけた。でも、彼だってカッコイイ。なぜなら気は弱いけどくわせふじこ」なんてうすら寒いフォローの台詞が「ドンブラ」にあっただろうか?こういうグレーなキャラを作劇がマンセーして白か黒かでバイアスをかけてしまうのって、大分キツイと思うんだよな。「キンオー」はそれを平然とやっている感じがして、どうも相容れないんだよね。

 

邪悪の王として、子供達の未来の為に戦う的なことを言い出すギラ。何を成すべきかで悩んで、出した答えがこれってこと?ずっと王様と交流していただけで、結論がこれってなんだかなあ。子供を庇う時に思いついたんだろうけど、苦悩から回答に行きつくまでの過程が殆ど無駄過ぎるんだよなあ。

で、もういい加減「邪悪の」ってやめません?ラクレスの振る舞いを悪と断じた段階で、君の「邪悪」自称に意味は無いんだよ。ラクレスを信じていた人も、ラクレス自らが民に嫌われる発言をしたことで不支持に回ったのだから、今更ギラが自分の価値観をラクレスの「正義」に合わせて調整する必要は何処にもないんだよ。

俺様ムーブが自信の無さをカムフラージュする強がりだとして、結局訳の分からない「邪悪の王」設定が盛り込まれている以上、何処まで本気でキャラ付けしているのか分からなくなってくるんだよなあ。

 

今回なんだかんだで総集編だったけど、総集編の割にはバグナラクが何なのか、ジェラミーがどんな奴なのかの解説も無かったし、なんかすごく中途半端だったなあ。