第5話「全員集結、激突Crash!」
目の前の患者とガシャットどちらを優先するかという話に「患者が犯罪者である」という要素が必要だったかという疑問を差し置いても、犯罪者をめぐる永夢と飛彩のやりとりが、どうしてこうなったとしか言いようがない(;'∀')
犯罪者を「人のことを考えられない身勝手な存在」として考えれば「患者として」人を救う医者がいるだけ、その認識は多様であって良いと思います。
「人を傷つける病気と同じ存在→助けない」或いは「人である以上患者である→助ける」という風に登場人物事に異なる考えがあるのは当然ですが、今回に関しては永夢と飛彩にとっての「医者」なるものが全く見えてこない為、二人の対立が物語を構成する要素として機能していません。
犯罪者は助ける派の永夢に対し、犯罪者の命よりガシャットが大切派の飛彩という位置づけですが、「何故医者として人を助けるのか」というそれぞれの背景や本質が伝わらず、一般論が収録されたテープの音声を聞かされているだけという味気無さがあります。
会話の流れにも首をかしげました。
飛彩「相手は犯罪者だ。」
永夢「だとしても患者です!」
飛彩「忘れたのか?そうやって患者に寄り添いすぎた結果、お前は花家大我にガシャットを奪われたんだ!」
犯罪者を患者=救うべきものとして見なすかどうかの対立が、突然患者に寄り添うかどうかの話に切り替わるのはいかがなものか。
この流れを考えると、飛彩自身犯罪者が患者であるということは認めているようです。
そうなると、患者が何者だろうと関係ないスタンスの筈の飛彩が患者の事情の如何を問題にして治療に踏み切らないというのも妙ですし、加えて実際は患者は関係なしに永夢が大我の申し出を了承してガシャットを奪われた上、飛彩はそこにいて何もしなかったという点で、返答の内容自体もおかしいというのはきついです。
最も、ここまで来ると意図的におかしく書いているという可能性もある為、この時点でどうこう言える話ではないのですが。
第6話「鼓動を刻め in the heart!」
飛彩にスポットライトを当てたように見えて、殆ど何も照らされていないという困った回。
飛彩にはゲーム病で死んだ恋人(大我が救うはずだった患者)がいましたという回なのですが、やはり感情移入ができません。
それというのも、死の間際を除いて二人の愛を実感できる場面が存在せず、医者としての勉強に夢中になるあまり恋人を顧みない別れ話寸前の破滅カップルとしか思えない為共感のしようがありません。
「飛彩が何故医者を目指すのか」というバックボーンが描かれない為、恋人との時間を犠牲にしても医者になる勉強を進める飛彩の気持ちがわからないという部分が大きいのも確かですが。