第5話「先輩参上! 燃えろ!キュアフラミンゴ!」
☆ペンギン重すぎ問題
巨漢を片腕で振り回して投げ飛ばす怪力と、素早い身のこなしをローラに認められ、直々にスカウトを受ける滝沢先輩。
不良やヤラネーダに襲われたまなつちゃん達を助けたり、ローラのエゴイズムを早々に看破する等、強い正義感と上級生らしい観察眼を見せる反面、生徒会長に対しては言いがかりスレスレの物言いで食って掛かったり、仲間を持つことに懐疑的だったりと、一之瀬先輩と同じく、過去に人間関係で何かしらあった模様。
それにしても、怪力はともかく身のこなしなら、第1話のフェリーで見せたまなつちゃんの曲芸の方が、それっぽく見えたものですけどねえ。滝沢先輩にあれを超えるインパクトは無かったな。
☆あくまでも「成り行き」
プリキュアとしての戦いの後、「仲間」を信じることを決意した展開に関しては、やや疑問が残ります。
部室の片づけを協力してやった経緯こそ描かれましたが、最終日も頑なに「仲間を持つ意味を見出せない」と言っており、その後もこれといって転機になり得るイベントが発生したわけでもない(※)ので、「信じる」という言葉が今一つ軽く聞こえてしまいました。
ローラが語った敵の存在を目撃し、実際に戦うまなつちゃん達の苦戦を目の当たりにした先輩が、持ち前の正義感で戦うことを決意して、成り行きから他のメンバーと行動を共にする=部員になるというのは分かるのですが、「後輩だから」「仲間だから」という個人的な縁と結び付けるには、もう少し段階を踏んで欲しかったです。
☆まなつちゃんの故郷
まなつちゃんが部活をやりたかった理由が判明。故郷の島に歳の近い人が殆どいなかったからだそうです。
気の合うお友達とワイワイしたいという思いが強いようですが、島の同級生にはそういう人はいなかったのでしょうか。あまり好き嫌いを全面に出す子でもない感じなので、ちょっと気になる所。
☆さんごちゃん空気化の恐れ
とりあえず、4人のプリキュアが揃いました。見た所描き分けとしてはこんな感じでしょうか。
・まなつ→暴走担当
・さんご→まなつの同級生
・一之瀬先輩→頭脳担当
・滝沢先輩→ダメ出し担当
これだけ見ると、さんごちゃんの影がめちゃくちゃ薄いように見えます。
同級生という立ち位置も、まなつちゃん的には先輩だろうと仲間であることに変わりはないというスタンスみたいなので、あまり特異性があるようには思えません。
まあ、流石に年上ばかりだとまなつちゃんの方も息苦しいかもしれませんが、レギュラーとして出張る必然性もさほど感じられないのは、ちょっと痛いかも。
かわいいだけで乗り切れる程、プリキュアは甘くないので、早いとこ居場所を見つけて収まって欲しい所。
※追記(2021/03/28)
一応、滝沢先輩がプリキュアになる前に、まなつちゃんがお礼として残したメロンパンと置手紙を発見して、好感を抱くという描写は挿入されているのですが、過去に人間関係でひと悶着があったらしい上に、一緒に協力して部室の片付けを終えた後も仲間の有難味を信じられず、そういう関係を構築するのに「意味」を求めていた少女が、他者との間に個人的な縁を求めるに至るきっかけとしては弱いと思います。
何かに「裏切られ」その経験に囚われている節のある滝沢先輩が、再度「信じる」決意をするには、彼女が言うように「仲間を求める意味」を痛感させる必要があり、まなつちゃん達が滝沢先輩の窮地を身を挺して助けるとか、滝沢先輩が行き詰ったのを皆でアシストするという展開があれば良かったのですが、現状下級生全員が滝沢先輩の力を一方的に借りている状況で、対等な存在=仲間としての活動というよりも、ちょっと上のグレードの人が人助けとして降りてきているという距離を保った相関でしかないので、滝沢先輩が「もう一度仲間を信じる」には、もっと彼女の弱さや限界を見せつけてからの方が自然だったかと。