しがない感想置き場

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鳥人戦隊ジェットマン 第35話

第35話「鳩がくれた戦う勇気」

 

▼本郷猛は猿人より賢い

産業廃棄物の不法投棄を目の当たりにし「人類に地球に住む資格はない」と言い切るラディゲ様。なんだか地球に優しい人みたいだけど、やってることは毒ガスを撒き散らす害獣を街に送り込んだだけで大差は無く、単に徒に自分の住処を自分で汚す人類を見下すいつもの上から目線と。某宇宙猿人みたいに、「美しい地球が欲しいから、汚染物質を垂れ流す怪獣で人間をコ〇します」的作戦を素面で実行しちゃうよりはマシだとは思いますが、アレ一応IQ300だもんなあ。すげえなあ大天才。何を考えているのか全く分からないもん。

鳩にやられる例のシーンは、あまりにも間抜けすぎて流石に笑えないです。そこそこの相手と戦ってボコされてぐぬぬと悔しがるからこそラディゲ様の哀愁がギャグとして光るわけで、その辺の鳩にたかられて水落は、変な被り物をした一般人どまりですぜ。

 

▼悪いのは人間

ゴミジゲン回を書いた荒木さんの担当ということで、今回も人間の負の部分が強調された展開に。人間の弱さを描く作品ではあるのですが、本筋の方はそこまで人間のどす黒い部分に踏み込んでいるわけでもないしなあ。第2話での凱の人類への皮肉だとか、TV版の比じゃないレベルで陰惨な描写の連続で人間の薄暗い一面を綴った小説版の存在を踏まえると、井上さんの構想としてある程度含まれてはいたんだろうけど、描き方も描き方なのであまり成功しているとは思えないんだよなあ。

産業廃棄物に関して「あんな恐ろしい毒ガスを、人間が作り出したなんて・・・」とショックを受ける香は、いくら世間知らずのお嬢様とはいえ、大の大人が今更驚嘆することかと思うし、凱の皮肉も初期の頃ならいざ知らず、一応戦士の道を選んだ人間にしては軽口としても進展がみられないし、対象年齢の制限はあるとはいえ、改めて893回と他のライターさんとの話とではどうもギャップが強すぎてなあ。

 

エスパー鳩

鳩の見た景色を見ることができると嘯くゲストの子。超能力者かたまげたなあ。

心臓の手術を受けるのが怖かった女の子ですが、弱ったアコを連れて胸の痛みに耐えながら逃げたり、ロボに乗り込んで敵と戦おうとしたり(それを平然と了承する竜ェ・・)と、なんだかんだでやる気満々。

元々素質があった所を、懸命に戦う鳩やアコの姿に感化されたということなのでしょうけど、ラディゲを倒した鳩に対するリアクションは薄かったし、アコはビークスマッシャーの機能のおかげで勝った感があるので、少女の内面の変化を彼女の反応を交えて描き切れず、なんだかよく分からない展開。

手術を怖がる子供に「人に頼らず自分の力で生きろ」とアコが叱咤する場面も、手術への恐怖に怯えて生きる喜びを十分に体感できない子供の境遇とは今一つ合致してない気もするし(そもそも手術自体執刀医の能力に左右されるものだし、闘病中の子供に独力で生きろって言うのも変な話だし)、アコ自身そういう風に厳しさを突き付けるタイプでもないし。てか、自分から戦うと言った割には、テトラバスターの発射はアコに言われるままやるというのもどうなんでしょう。途中でやる気がなくなったのかと思ったぞ。