しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

ひろがるスカイ!プリキュア 第3話・第4話

めっちゃ溜めてたのでまずは2話分消化。

 

第3話

基本的に作画ヤバめの回でしたが、エルちゃんはギリギリ可愛らしく描かれていて良かったです。唯一の癒し枠で販促アイテムだし、当然っちゃ当然ですね。

雲パンであやされて笑ったり、ミルクを飲んでげっぷしたり、愛くるしいマスコットキャラで視聴者に癒しを与えようという作り手の良心を初めて垣間見た気がします。エルちゃんを介してソラとましろの交流を描くのも、ありきたりではありますが悪くないですし。

 

岩を真っ二つにするソラの戦闘力を見せたことで、初回の特攻がある程度実力に裏付けられたものだということがハッキリしたのも素直に巧く、ギャグとしてのインパクトと同時に、さりげない場面の中にソラのこれまでの「努力」と、他者を守るヒーローを目指すに値する「資質」というものを感じさせる情報を含めているのも巧いと思いました。何分主人公のヒーロー熱がウザい位に強調される作品なだけに、初回で見せたようなちょっと運動神経が良いレベルではなく、今回のようなバカみたいに腕力がある位の方が釣り合いが取れますし、同時にユーモアも含まれるので嫌味な部分も薄まるというのもお得だと思います。

今回は金月さんではなく守護さんの担当シナリオですが、「アレな作品あるある・シリーズ構成よりサブライターの方が良い仕事をしている」の発現でないことを祈るばかりです。

 

一方で、「え、これはアカンやろ・・・」というアレなポイントも散見されました。

ましろのお婆ちゃんがスカイランド人であることが発覚し、エルちゃんとパパとママの再会はリモートで「可能」、ソラとエルの帰還についても「時間はかかるけど可能」であることがさらっと示されてしまいました。親元から引き離された赤ちゃんを「家族と再会させる。」という一途な願いを背負いながら戦うヒーロー像みたいなものを匂わせておいて、その要素があっさり解消されるのは悪い意味で意外でした。敵とはいえ、何か帰還の為に色々知っていそうなカバトンも、これによって一気にただのサンドバッグと化した訳で、謎の勢力故のキーマンとしての可能性も早々に解消されてしまった感が強いのは、拍子抜けの一言です。

加えて、リモート再会の為のアイテム提示も、ソラとエルの帰る方法も、全部後になって告白してくるお婆ちゃんは、話の都合故に気が利かない人って感じでクラクラしてきますね。ソラがましろの家に来てから1日以上は経過してたわけでしょ。最後の再会シーンも、お婆ちゃんの情報提示がもっと早かったら、エルちゃん一家ももうちょっと早く安堵できたのかと思うと、ため息が出ちゃいますね。

 

 

第4話

ましろプリキュア変身を盛り上げるのに必要なネタを、急遽投入して違和感の塊になったという印象が強い回でした。メインライターが戻ってきた途端これだもんなあ。

 

ソラと比べて割と簡単にプリキュアになってしまったましろちゃん。ソラは力に目覚めるまでに殴られたり吹っ飛ばされたと色々あったのに、ましろは何一つ傷つかず、友達を見捨てられないという気持ちを表明しただけで変身出来ちゃう過保護判定なので、ちょっとなあと思いました。

百歩譲って、ヒーローの心構えを長い時間をかけて積み重ねてきたソラと違い、身の危険等殆ど想定せずに生きてきたましろの方が、命を懸ける事を誓うに至るまでのハードルが高い分加点されたということかもしれませんが、そうなればソラの精神修養はバカみたいに時間をかけていただけという風にも映りますし、ましろの決意だって、その過程で生じる諸々の葛藤を全て度外視した故の無謀と思考停止から来る暴挙としても捉えることが出来る訳で、あれだけ「うちのソラちゃん健気でしょ?可哀相でしょ?めっちゃヒーローしてるでしょ?ほめてほめてもっとマンセーしていいねしてヒで世界トレンド1位に押し上げてくださいなんでもしますから(なんでもしますとは言っていない)」とクドイ位に押していたソラちゃん最高アピールとの落差をどうしても感じざるを得ません。

 

自信が無い→夢もないしプリキュアに変身していいのか分からないみたいなましろの内面描写も、描写が不足し過ぎて全く感情移入が出来ませんでした。キャラクターの路線としては普通に人当たりの良い子以上でも以下でも無かったので、無から出た劣等感という印象が強すぎて、カバトンの「脇役」呼ばわりにも?マークしか浮かびませんでした。「ドンブラ」の雉野みたいに平凡である自分を恥じ、平凡であるが故に誰かに寄り添ったり円満な関係を築けるといった描写の積み重ねで説得力を出すならいざ知らず、「ちょっと親切」という特性からコンプレックスまで見抜けというのは無理難題が過ぎると言うものです。

 

ましろの優しさアピールも、ぽっと出の隣のお姉さんとの過去話でいきなりクローズアップされるしで、「うちのましろちゃん健気でしょ?可哀相でしょ?めっちゃヒーローしてるでしょ?ほめてほめてもっとマンセーしていいねしてヒで世界トレンド1位に押し上げてくださいなんでもしますから(なんでもしますとは言っていない)」という作り手の気持ちばかりを見せつけられているような気がしてダメでした。感動の押しつけ大嫌い。