しがない感想置き場

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王様戦隊キングオージャー 第13話

メタルスブラックウィドーは傑作玩具。

 

三大守護神のソウルを奪ったジェラミーを疑うセバスを尻目に、「国家反逆罪」を言い渡したリタ本人(と4バカ)はジェラミーを放置しているんだから開いた口が塞がらねえって話です。6番目の王を名乗り、敵との和解を試みようとするその姿勢は全て口だけで、三大守護神のソウルを奪った理由も不明な状況なのに、容疑者として拘束したり監視することも無く、デスナラクにバッタのソウルを分け与える事を許してしまったりと、ボンクラじゃ無きゃ王位は継承出来ないと言わんばかりのクルクルムーブを展開してくれます。

 

ヤンマのブーブークッションの件、これ、一応大の大人が会議や何やらを通した結果世に送り出されたモノなんだよね?いや、大人が真面目にバカを追及するのは嫌いじゃないけど、おバ〇な子供が大人ごっこをした結果にしか見えないのは、本当にヤバいと思うんだが。

まず、ジェラミー曰く「物語が詰まっているから気安く触らせたくない」武器を、その発言を聞いていた筈のヤンマがラクレスへのしょーもない嫌がらせに用いる所とか、何を考えてこんな場面を挿入したのか本当に理解に苦しむんですが。ジェラミーがいくらコミュ障でも、言い回し的に「大切にしている」と言うこと位は流石に理解できるでしょうし(飄々としつつも、バグナラクと人間のハーフと言う重いルーツの持ち主という事実も知っているから余計に)、そんな気安く触らせたくない武器を渡した→それなりにヤンマを信用している、ということ位は推し図れて当然な訳ですが、それをブーブークッションのパーツとして粗雑に扱う姿は、発想自体のくだらなさも込みで、ヤンマ・ガストというキャラクターの尊厳が原子レベルで霧消し、観ているこちらも脱力どころか溶けてしまうようなバカバカしさを覚えて悶える今日この頃。恩師との思い出エピソードの後でこれをやるというのも、どこまで意図的なのかは分からないけど、スタッフの中にヤンマアンチでも紛れてるんじゃないかって位正気を疑うような展開でした。

 

ジェラミーはもう、平和を求めるキチガイというよりは、ただ死ぬほど頭が悪い人という印象しかありません。他の連中も似たようなものですが。

「行間を読め」とか馬鹿みたいにほざいていたかと思ったら「戦うなと何度言ってもわかりゃしない」と言い出すいかれっぷり。あの・・・明言するのを避けたかったから「行間を読ませていた」んじゃないのか?自分のスタンスすら忘れちゃったの?そもそも、デスナラクが和平案を突っぱねたらあっさり攻撃する程の諦めの良さを発揮し、常日頃から具体的に和平に向けて奔走する姿が描かれていない(後述の意味不明なソウル譲渡位)ので、台詞回しの不自然さ以前に、発言の意図自体嘘臭くてかないません。それでいて他人には争うなと迫り暴力で以て5人の武装を奪う様は、ダブスタが過ぎて何がしたいのかまるで分からないし、和平を望みながら説得らしい説得もせず、ただ三大守護神のソウルをバグナラクと人間の双方に分け与えるというのもバカげてるし、成長途上のキャラクターとして見ても、彼の何処を好きになれば良いのか分かりません。作劇も彼を可哀相な人みたく扱っている節があって、それも頂けないですし。

というか、ジェラミーは対等に認識しているみたいですが、人間とバグナラクの関係って、かなり一方的なものだと思うんですけどね。人間はバグナラクに侵略されているから防戦しているだけで、自分の愚行を怪人に責任転嫁していたとはいえ、ヤンマもギラも国に侵入してきた侵略者と対峙しただけでしょ。前回ジェラミーがデスナラクを攻撃したのも、「侵略者だから話が通じないので殴るしかない」という諦めからだと思ったのですが、やってることは侵略国に力の一端を分け与え、非侵略国から武装を取り上げるだけという粗雑さ。これでどうやって和平を実現できるのか、俺には全然わかんね。

かと思ったら、巨大化した戦闘員は平然とクモメカで倒し、自分と同じ境遇っぽい怪人は助けるという選別を平然と行う更なる意味不明っぷりを披露するから救えないです。ジェラミー自身の和平の動機はハーフという出自故という個人的な物ですし、それ自体は自然だと思うのですが、バグナラクと人間二つの狭間に立つゆえにどちらも仲良くして欲しい=アイデンティティを双方に持っている彼が、そこから更に選別を行い、生存される同胞とそうじゃない同胞を分ける意味が分かりません。

 

ギラ達は結局、ジェラミーの和平の夢への忖度なしに平然と戦っていましたが、前回の同調シーンは何の意味があったのでしょうね。やむを得ず戦いに至るのは仕方が無いですが、ジェラミーの夢に少なからず理解を示しておいて、戦いに対して戸惑いを見せない姿はどうも不自然です。ギラもヤンマに襲い掛かるジェラミーを敵とみなさんばかりに襲い掛かるし、行動が極端極まりないです。これまでの描写的に、この人たちは前日以上前の事を覚えてられないのかもしれませんね。カワイソ。

 

なんかもう、何もしない奴が一番まともって、ダメな作品あるあるを地で行ってるよな。ラクレスとかただふんぞり返るか、5バカの妄想の中で恥をかくかのどちらかしかしていないのに、その存在感の希薄さが却ってキャラクターの最低限の尊厳を守っているというのは、深刻なことだと思うんだけど。