しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

鳥人戦隊ジェットマン 第19話、第20話

第19話「見えます!」

 

▼セコすぎ

刺激的なメインライター回が2本続いたので箸休めに、といった内容。

一般人を装った次元獣の占いを小細工で的中させたように思わせ、最後には戦闘中に殉職するビジョンを見せつけて精神的に追い詰めてやろうというバイラムの作戦にひっかかり、戦うことが出来なくなる香というのは、作戦こそセコイけどアリな展開だと思います。

そんな彼女が、じいやと約束した「自分のことは自分でする」という考えを支えに戦線復帰できるかと言うとちょい疑問。何もしないで一方的にやられたのではなく、敵に立ち向かったが末の死として見せつけられていた筈なので、自分から進んで行動することの正しさだけを殊更に押し通して克服へつなげるには、今一つ力不足といった感じ。

「どうすべき」というあり方の再確認で解決する話というよりは、不条理の中であっても「これを実現させるために行動したい」という気持ちが生まれる過程を描き、そこに不条理によって奪われるであろう自分の命をそれでも信じたいという強い願いも上乗せする形で、抗い難き不条理と戦うという展開を進めていかないと、重みが出ないと思うのですが、香の場合弱さを乗り越える展開を既に第5話でやり切っているので、時に優しく時に厳しくと言った掘り下げがなされた、じいやメイン回といった方が適切な内容。

 

▼おおらかな時代?

今回含め、3週連続で巨大メカのお披露目無し。強いて挙げれば、前回ジェットコンドルの単体飛行シーンがちらっと挿入されたくらい。

まあ、最終回の大敗展開を含め、2回しか出なかった前年の基地ロボ(1万5千円超)のことを振り返ったら、さしてスゴイことでもない気もしますが、今の目で見ると逆に新鮮。

仮面ライダーなんて、次々に新形態や新武器が出てくるけど、印象付けるというよりは、急かされるように展開されるドラマもどきの中で、あれよあれよとせわしなく消費されるだけなので、ただでさえ脳みその容量が少ない私なんかは、登場する端から忘れていく始末。

これならむしろ逆販促になってる疑惑さえ沸くのですが、ライダーについてはブランドが確立しちゃってるから、極端な話劇中未登場アイテムでも売れるんじゃないかと個人的には思ってたり。

まあ、戦隊は例によって大ピンチみたいですが、うーん「ゼンカイジャー」おもんないからなあ。早く視聴を再開しないと(重圧)

 

 

第20話「結婚掃除機」

 

▼気の長い作戦

非893回ですが、凱が主役。

人間の女から愛を奪って結婚を解消させることで、少子化を加速させ人間社会の存続を危うくしようという、どうにも気が長い作戦。雷太が言う通り、ふざけているとしか思えない(笑)

今回トランが指揮をしているようですが、珍しく一緒になって盛り上がるマリア・グレイは、ラディゲが「セミマル」を手に入れ、戦力的に1ランクアップしたことに焦っていたのか。トランが勝ってもラディゲが勝ってもリーダーの座を取られると言うことに変わりはないのですが、パワーバランス的にはラディゲの方に分があるだけ、勢い協力的にならざるをえないとか。

第18話でもそうですが、強い敵が出てくるととたんに協力するというのは、戦隊側も同じ(本作の場合レッドが他のメンツに戦士の役目を執拗に押し付けるという構図があるので余計に)なのですが、ジェットマン(正義)とバイラム(悪)の違いは何かと、視聴者の興味を喚起させるような描写です。

チビの気持ちに応えて次元獣との一騎打ちに臨む凱は、若松さんの熱演も手伝ってかっこいい所。チビの「真意」に、同じ気持ちを抱く(相手は違うけど)香が気付く場面は、チビの振る舞いの一つ一つに対する香のリアクションも挟んでいった方が効果的だった気もする。

 

 

 

 

仮面ライダーリバイス 第10話

第10話「兄と弟、信じる心」

 

「俺は大二を信じてる!」ってセリフが「悪(わる)大二を信じてる!」って聞こえて困惑。

ただでさえアレな本作に、オンドゥル」とか「レンビント・ブベッツォ」の要素が投入される無間地獄。君は生き延びることができるか(震え声)

 

エビル相手に必殺技を叩きこもうとする一輝ですが、大二の姿に戻ったのを見て中断。

まあ、ライダーの状態と生身の人間の姿とじゃ受けるダメージも違ってくるのは分かりますが、戦う気満々で必殺キックを打ち込もうとした割に、変身を解除した所で戸惑われるのもちょっとなあという感じ。

 

「大二はもういない!」と嘆く場面も微妙。KAGEROUの人格に抑圧されてる状態という判断から、完全に消えたと考え出す過程が薄くてどうにもなりません。やってることそんな変わらないし。

大二を信じているというのも、それまでは「大二の人格はまだ消えていない」という意味合いと捉えていたのが、いきなり大二の精神の強さの話になって呆然。第8話で家族、第9話でパンピー(ま、詐欺師なんですけどね)を襲った時点で、大二の強さなんて言われても、こんな時どんな顔をすればいいのかわからないの。

(その強さと言うのが、前回今回で触れられた回想シーン位しか描写がないのもきっつい。)

 

「大二を助けたいというエゴばかりが募り、大二の強さ自体には目を向けず、当然それを信じてやることも出来なかった」という話みたいですが、結局KAGEROUが語った大二のコンプレックスについてはまるで触れず、「最後までドッスンしてただけで、お兄ちゃんに頼りまくってましたテヘ」という弟の良く分からない強さに焦点を当てる展開に、一輝のエゴイストからの脱却展開(きっかけとしてはもう少し早くても良かった気がするんですがねぇ)に光るものが無くといった状態。

コンプレックスの素であった兄貴から強い部分だけをマンセーされただけなので、調子に乗って悪魔(自身のコンプレックスの象徴)を打ち破っただけにしか見えず、大二が自分の弱さを克服したようには見えません。

大二の弱い部分も受け止めた上で、彼の持つ強い部分を信じるというなら、一輝のエゴイズム打破展開も多少はマシになったと思うのですが、そこを総スルーしていい所だけを見て褒め倒すのは、ぶっちゃけ一輝の精神性は何も変わってないんじゃないかと思います。

第6話の感想で何の気なしにネタにしましたが、本当に「喰霊-零-」の超絶劣化展開に仕上がった気がします。(まだ終わってないけど)

 

大二が変身した仮面ライダーライブがクッソださい。「セイバー」に出てくるライダーの没デザインを流用したような見た目で、他のライダーとのギャップも強いし。これならまだエビルのまま頑張ってくれた方が良かったんじゃないかな。

 

妹はなんというか、ひたすらフェニックス大嫌い人間なんですかね。前回大二ばかりマンセーしていたのに気が咎めたのか、一輝にも「フェニックスのせいで人生めちゃくちゃになりました」とフォローを入れるのですが、大二が悪魔化したのは本人のせいだし(博士にベルトを貰ったことは妹は知らない筈だし)、一輝の生活はぶっちゃけ大して変わってないしで、とりあえず気に入らないからイチャモンをつける気満々といった感じ。よくないなぁ…こういうのは。

 

今回のゲストは、老人相手にオレオレ詐欺を繰り返すマジモンのDQNでしたが、自称世直しライダーはノータッチ。この間説教をしたブラック呼ばわり社長よりも悪事の描写が豊富だっただけ、バランス感覚の欠如が悪目立ちします。彼らも社会派キッズタイムのネタ要員でしかなかったということなんでしょうね。

鳥人戦隊ジェットマン第17話、第18話

第17話「復活の女帝」

 

▼INUETSK

893脚本回で実家のような安心感。停電中のエレベーターという閉鎖空間の中でそれぞれが思い思いの言葉を口にする様は実に生き生きしており、特に凱は誇大的に、雷太は素朴に、自分の言葉で香への想いを言葉にする場面が印象的で、合流した途端喧嘩になるというアクティブな流れが実に楽しい。揉め事の火種である竜が諫め役という倒錯っぷりもまた面白い所です。

 

▼痛そう(こなみ)

香からは仲間を馬鹿にする最低野郎、雷太からは痴漢扱いと身内の評価が散々な凱ですが、第13話、第14話とは対照的に、女帝ジューザの攻撃から香を庇うことに成功。凱の皮膚を突き破って宝石が生える様は、大人目線だと造形物こそショボいのですが、身を震わせて絶叫する凱の姿もかけ合わさり中々の緊張感で、当時の子供達に大きなトラウマを植え付けたこと間違いなしって感じの描写。

 

 

第18話「凱、死す!」

※タイトル詐欺です。

 

▼ダメギ(大嘘)

凱「へ!まあそうマジになりなさんな!俺が死んでも・・・空は青い。地球は回る。」

(自分と同じ宝石病(?)の人間が消える様を思い出し)

凱「香・・・怖いんだ!本当はどうしようもなく・・・死にたくねえ・・・死にたくねええ!!」

激痛に悶え苦しみながらも、香の前では達観した態度を取り、孤高の自由人としての矜持を示そうとする凱。それでも痛みは容赦なく彼の心を揺さぶり、直前に観た光景と掛け合わさって「最悪」の結果を想起させ、何物にもとらわれない自由人の「本音」を吐露させる印象的な場面。若松さんの演技も迫力満点で、いつ見ても素晴らしいです。

「滅ぶんなら滅びゃいいさ。まあ俺としては、それまで十分に人生を楽しみたいね。」と、自らの生死を達観した目線で捉え、それ故に世の中に対しても斜に構えた態度で向き合うドライな性質を持つ一方で、「俺たちは戦士である前に人間だ!男と女だ!」「惚れた女1人守れねえとは、なんてザマだ!」と情熱的な言葉を吐く一面も併せ持つ「矛盾」を披露してきた凱ですが、自らの命の危機を前に恐怖を告白することで、それまでの「孤高」は己の弱さ、そして世の中にコミットしていきたいという素の部分を押し隠すベールとして強調し、結城凱という人間の生の部分を生き生きと映し出しました。

戦隊としての戦いに消極的なのも、「死にたくない」という本音を自覚することで、自分の内側にある恐怖や不安も同時に見つめてしまうことを恐れたからであり、だからこそ正義の戦士として戦い抜くことばかり考えている(と凱は思っている)竜を敵視する一方、彼の「強さ」を認めており(それ故に嫉妬心もある)、また「チーム内で彼に抵抗する自分」という構図を維持し続けることで、竜に反発しながら竜が押し付けるジェットマンとしての任務をこなすという矛盾した役回りを同時にこなしている。

つまり、凱にとって竜は、その好悪はともかく強くてかっこいい自分像を守る為に必要不可欠な存在であり、凱は彼に嫉妬し嫌悪すると同時に、ベッタリ甘えきっているというのが、彼の情けない部分です。

香に対する感情は、竜に憧れながらもまだ戦士としては未完成な存在ゆえに、近しさと同時に羨ましさもあるということで、自分の「強さ」を見せつける対象として、また一個の「強い女性」として魅力を確かに感じているということで、矛盾した自己を同時に満たすことが出来るという都合の良さも内包していると。

そんな凱ですが、なんと1人でジューザ(既に傷だらけ)を追い込むヒロイックな一面も見せつけ、生身の人間としてはこれ以上ない位どうしようもない一方で、戦士としての見せ場(相手も大分弱ってたけど)も用意されているというのがニクイです。

 

ラディガンに変身した方が「人間に戻って」の台詞が生きた気もするけど

前回いきなり登場したバイラムのボスこと女帝ジューザに謀反を企て、失敗して人間にされるラディゲ。ジューザって確かに偉そうだけど、それなりに忠誠を誓っていればそこそこ優しくしてくれそうなイメージなのですが、作中特に身内を虐待する場面も無いのに、抹殺対象になってしまう所が、ラディゲを初め、バイラムの人たちの情けなさを表現しているとも言えるでしょう。

記憶を失い、人間にされたラディゲが人間の少女とラブロマンスを繰り広げながらも、結局記憶を取り戻し、「愛」を「愚かしい感情」と切り捨て少女を殺す展開から、誰かを想ったり寄りかかったりする感情こそ弱さの表れと解釈しているようで、強い自己像を守る為に、ジューザに反逆してみたというのが実態かもしれません。

自分の弱さを認めず、自らの「強さ」を証明する為に他人を犠牲にし、その一方で敵わぬと知るや、たとえ敵であっても平気でその力を戦力として利用し、邪魔者を排斥するダブスタっぷり。それでいて「結果」を出しているところが、ラディゲの今尚戦隊史上屈指の外道として語られる所以かと。

 

強い自分のイメージを守ろうと粋がる一方で、身を挺して他者を庇い、弱い自分の本音を吐露した凱と、敗北をもものともせず、平気で他者を利用し、挙句抹殺してしまうラディゲの対比もハマり、改めて面白い女帝ジューザ編でした。

仮面ライダーリバイス 第8話、第9話

第8話「家族の休息、天国と地獄!?」

 

「銭湯のお客さんにウラがあるみたいだYO」

( ´_ゝ`)フーン

「お父さんにウラがあるみたいだYO」

(゚σ_゚) ホジホジ

KAGEROUが正体を現したYO」

(´ 0`).。o○ふぁ~

「妹の空手道場の知り合いが正体を現したYO」

( ˘ω˘ )スヤァ…

 

やはり見事に盛り上がりませんでした。ありがとうございます。

積み重ねも何もない状況で話を動かしても迫るものは無いので当然ですが、まさかここにきて、ろくに出番の無かったお客さんの裏の顔や、これといった交流の積み重ねも無い道場の知り合いがいきなり正体を披露する展開まで持ち込むとは思いませんでした。普通はお客さんや同門の人との交流の場面をもっと描いて人となりを印象付けたり、関係性を作り上げてから進めていくものだと思うのですが、そんな私の中の常識等知らぬ存ぜぬと言わんばかりに進行するストーリーに、カルチャーショック受けまくりです。

 

一輝に関しては相変わらずのホームラン級のバカです。てか、特撮ヒーローものというジャンルに限らず、彼以上にバカな主人公を探すのも難しい気すらしてきました。

バイスの怪しいという忠告を「家族旅行を壊したくない」という理由でガン無視する姿は、まなつちゃんだってそこまで近視眼的な行動はとらないであろう程の思考停止っぷりで、やろうと思えばいくらでも出来るであろう家族旅行と家族の命を比較して前者を取る辺り、悲しくなるほどアホなんだなとしか思えません。

加えて、弟相手に攻撃を躊躇っていたのが、水〇ヒロの小説みたいな名前の悪魔に煽られただけで、キレて弟の身体を乗っ取った(かもしれない)悪魔に殴り掛かる始末なので、鶏どころか、その辺の石ころの方がまだ知能が高そうに思えてくる始末です。バイスに促されるまで変身すらしなかった程なのにね。てか、殴らなくてもいいからせめて変身して止めようよそれくらい思いつきません?

 

お父さんの動画投稿に何かを察した博士。鋭いんでしょうけど、この人このお父さんの動画って見てましたっけ。無意味な動画配信に怪しんだということですが、じゃあ意味のある動画配信って?という話になるし、良く分からない疑問を唐突に抱いてみた、という展開は実に本作らしいのですが、それでは私が辛いのでホントに勘弁してくださいお願いしますなんでもしますから(なんでもするとは言ってない)。

 

 

第9話「カゲロウ暴走!五十嵐兄弟…崩壊!?」

 

エビルの正体を聞かれて「白根」と偽っていたのが、正体がばれた途端「弟にベルトを与えていたんDA」と開き直る博士に怒りも疑念も0っぽい一輝は相変わらずのクルry

詐欺師を殴る蹴るする弟の映像を見せられ、ショックを受けて弟の救出に絶望するのも意味不明。家族に襲い掛かってたあの時の姿で既に決定打だと思うのですが、今更第三者に襲い掛かったこと位なんてこともないかと思うんですがね。

 

「弟に悪魔がいるのはおかしいけど一輝に悪魔がいるのは別におかしくはない」と言わんばかりの妹。兄弟そろってアレなので、どちらにも悪魔が居てもおかしくはないと思うのですが、何でそんなに評価に差がつくのか。

「いつものお節介はどうしたの」と詰め寄るのも良く分からんです。殲滅路線を唱える博士に反発していた筈なのですが。そもそも、「どうやって」弟を救うかが分からなくて困っているのに、「お節介」がどうとか、姿勢の話をしても仕方が無いと思うのですがね。

 

弟を倒す気満々っぽいやらかし男ことデモンズ変身者。この人ちょっと前まで弟を心配していたんじゃなかったのかな。元々敵に回ったら倒す気だったのかもしれないけど、仮にも仲間を倒す覚悟なんだから、そこはやらかしさんの戦う理由を掘り下げてからじゃないと何も響かないんだよなあ。

 

「お前(一輝)はいつも輪の中心に居て周りを笑顔にする。」「大二は努力を重ねてフェニックスに志願した。兄貴のいない場所で認められたかったのさ。」と、自らが誕生した理由として、弟の一輝への嫉妬心を代弁するKAGEROU。だがちょっと待ってほしい。フェニックス入隊(リバイス変身躊躇)前に弟が兄へのコンプレックスを表明しただろうか。一輝が言う程ムードメーカーになっていただろうか。特に後者に至っては、弟の同僚から「痛い人」扱いされていたのを踏まえると、皆の人気者的立ち位置というよりは、クセの強い変人という評価が関の山に思えてくる。

にしてもな、一輝が仮面ライダーをやるって決意したのを受けて悪魔が生まれましたって説明、おかしくないですかい?あくまでも一輝はライダー業を「やる」と表明しただけで、それは一輝のライダーとしての能力の高さを証明するものではないし、第一フェニックスへの契約を迫っていたのは他ならぬ弟なわけで、何がしたいのか分かりません。

弟の一輝への敬意と嫉妬心がない交ぜになった心理状態を描こうという試み自体は買いたいのですが、如何せん見せ方が下手糞すぎるので(もちろん作家の技巧云々以前の問題も大きいとは思いますが)、ドラマとしては至極つまらない。

仮面ライダーリバイス 第7話

第7話「窃盗!?スケボー!?俺はカゲロウ!」

 

1話におけるツッコミどころが多すぎて、SAN値ゴリゴリ削られていきます。正直「スーパータロム」や「ガンとゴン」だって、もうちょっとバリアフリーに富んだ作品だったと思います。あかんこれじゃあ俺が死ぬゥ!

 

いつも通りといえばそうなので安定感があるといえばそれまでですが、相も変わらず放送禁止レベルのクルパーっぷりを発揮する一輝が強烈すぎます。

気軽に護るべき対象である筈の妹と銭湯の客に、悪魔事件の情報を流して協力までさせちゃうのもアレですが、弟の異変(職務一辺倒な弟が兄の悪魔退治に無関心、自分が何をしていたのか覚えていない)に対して「他人事かよ」とか「寝ぼけてたんじゃないっすかね」と至極淡泊な反応を示す様は、とても家族思いの長男キャラとは思えません。彼の「家族思い」がモドキだとしても、これまでウザい程に家族愛アピールを示してきた一輝がここにきていきなり冷淡になるのも不自然ですし。最も、前述のようにキャラがブレているというよりは元々どうしようもなく頭が悪い人ということで一貫はしているので、彼のキャラクターを楽しめる人的には無問題だとは思います。少なくとも私は楽しめてませんが。

窃盗を犯した息子を庇った医者に対する対応についても、「子供を信じろよ!レールを引くから脱線するんだよ。」と意味不明の供述をしており・・という有様。「子供を信じろ」というのは、自分の罪を認めるDQNの強さを尊重しろということなのでしょうが、一輝は彼の事をろくすっぽ知らない訳ですし、結局窃盗の前科でお先真っ暗な可能性大なので、結局信じる信じないの問題じゃない気もするし、「レールを引くから脱線」というのも、一輝は医者親子について近所の主婦の噂話で飛び出した「過保護」というまた聞きレベルの事情しか知らないし、子供の将来についてこうあるべきとあれこれ考える親の心境と子供本人の意思に纏わる問題が一輝自身に迫ったものとして描かれてきたわけでもないので、こんな風に断定的な口調で相手を評価する様は改めて母親の教えに逆行しているし、唐突に教育論を展開する辺り、話の都合でいきなりカバゴンと化したという印象しかありません。本作の玩具って、箱裏に「ママに一言」とか教育コラムでも載ってるんすかね?

 

弟の中の悪魔は弟の「兄がいない世界が欲しい」という気持ちから生まれたらしいですが、やはりこれもだからどうしたのという感じです。兄弟の関係に関する描写が薄い上に、弟が何故世界を守ることに固執したのかが分からないので、折角のドロドロ展開なのにまるでwktkしません。次回一輝たちの前でお披露目をするみたいですが、0感情で見送ること間違いなしでしょう。

 

博士はいきなりバイスに嫌悪感を示してみたり、ちょっとデザインをからかわれたらスタンプを譲渡するのをやめたりと、なんだかよく分からない科学者です。初変身時にテンション爆上がりだったのはなんだったのでしょう。

 

ゲストの件はお察しの通り終始0感情で観ていました。後付けで色んな情報が出てきてダラダラやってたら解決しましたという、謎解きのスリルなんて皆無なダラダラ構成もそうですが、「自分の生き方が分からなくてついむしゃくしゃして」と身勝手極まりない動機で窃盗行為に及んだバカ息子が、舌の根も乾かぬうちに「あんた、ウザイけど熱いんだな」と一輝に対してヘラヘラ笑いながらため口をきく様は、「あ、こいつまたやるな☆」としか思えませんでした。

 

 

なんだろう、今作に限ったことではなく、最近のニチアサライダーは新フォームとか新ライダーの販促、年間を通したお話だけではなく、一話単位でのゲストのお悩み相談的ネタの消化も課せられたり、それでいて目新しさを追及せねばという義務感からか、斬新さ以上にしちメンドクさや奇抜さばかりが目に付く設定や方向性でストーリーを進行させていく感じで、作品の装飾物が多かったり大きすぎたりと、それぞれでこすれ合い塗装もパーツも欠けてたり、飾り付けてみたらみたで本体との相性が悪くて何もしない方がマシでしたちゃんちゃんという状態。(抜けもあるからあまり断定的なことは言えないけど・・・)作品自体はどうしようもなくつまらないのですが、そんなこんなで近年のニチアサライダーを担当するライター陣についてはなんだかんだ同情的な気持ちもあったり。

つまらないなりにどこまで見続けることが出来るのか、どう着地するのかという、意地とわずかな好奇心が、視聴の原動力となっています。

トロピカルージュ!プリキュア 第35話

第35話「わくわくハロウィン! 負けるな、まなつ!」

 

私の中で、本作に対する印象が「25分弱の尺で作られた星の子ポロン」として固まりつつあるのは、良いことなのか悪いことなのか。今回に限らず、毎週超展開の連続なのは作風として承認(?)していいのかも。

 

☆反省するふりをしながら装飾で遊ぶなし

皆のやる気パワーを駄目にしてしまい「これまで巧く行ってたのは皆がいつも助けてくれたから」と自分の未熟さに気が付くのはまだしも、逆に言えば「これまでずっと自分の力で成功してきた」と無意識の内に思ってたということで、なんだかトホホな気分になります。別に仲間なんてイラネってタイプの人ではなかったように思うのですがね。

で、考えなしで行動するまなつちゃんが、皆のいいなりに変わるのもどうかと思います。「まなつはバカのままで良いなぜなら皆がフォローするから」って理屈なのでしょうが、周りが言ってることに誘導されるだけで、その実本人の主体性が殆ど功を奏していないのはどうしたわけでしょう。「敵の攻撃を利用して仲間の窮地を救う」というみのりん先輩のアイデアと突然湧いて出てきた「正面からの攻撃が困難な敵に正面から挑む」というまなつイズムとの葛藤も、当たり前のように前者が優先され、仲間の意見を受けたまなつが何を思って実行に移したのかも伝わりにくければ、後者の唐突感と不自然さが余計に際立ったりと、魅せ方もアレでしたし。

まなつちゃんが「自分の欠点を認めた」ことを進歩としているのでしょうが、これがこのままで終わりって言うなら首をかしげる所です。

 

☆これでも一応女王候補なんだよなぁ

まなつが勝手にやる気パワーを吸引したことにキレるローラですが、あなたが居なかったからこんなことになったのでは・・・・。

そもそもやる気パワーを元に戻す役割がローラで固定されているというのもどうかと思う所です。人間でも吸引は出来るみたいですが、何故か人魚が吸引しないことには元の持ち主に返すことは出来ないという謎仕様がイミフすぎますし、かと思ったら別のヤラネーダに吸い取られたやる気を元に戻した時に一緒に回復してるしで、結局チョンギーレさんが侵攻に来てくれたから助かりましたという、敵に借りを作った感のあるオチなのは、絶妙に情けないと思います。

てか、わざわざ普段使わないアクアポットを持ち込んで戦闘に及んだ辺り、てっきり自分が使うつもりだと思ったのですがね。

 

☆オバケ屋敷とキャンディ、どこで差がついたのか

皆の言うことを聞いていれば―という反省も、周りの皆もアレだった為迫るものがありませんでした。

まず、ポット=ローラじゃなきゃ使えないと思い込む発想がいまいち分かりません。普通にポットの持ち主がポットの機能を使っているだけにしか見えなかったですし。目の前で護る対象が壊されそうとしている所で、リスクがハッキリしない物事に躊躇するというのは強引さが否めません。(そもそも肉弾戦なりで敵を別の場所に追い込めばいい訳だし、それかローラを探しに行けば・・・。)

まなつがポットでやる気のふりかけをしようとした時も「戻る・・のか」と言いつつただ見ているだけだったので、むしろまなつちゃんの方が、ノー根拠な思い込みで目の前の危機を前に尻込みしなかっただけまともに見えてくる所です。

 

☆追伸

こうもりくるるんきゃわたん

20周年なので「スクライド」を観返す⑥

第7話「橘あすか」

  • 「過去なんか背負わねえ!」と幼少時代の記憶を回想しながら叫ぶ夢の中のカズ君。アルター化した手を見てドン引くようなショタカズ君の表情が印象的。第4話に続き今回も「迷ったら負け」なカズ君の生き方がクローズアップされましたが、そんな前向きさの裏返しとして、辛い現実(過去)から目を背けようとする弱腰も少なからず隠れているのかと感じられる場面です。「人は違って当たり前」と型にはまった生き方を是とせず、一般社会では迫害の原因にしかならない自らのアルター能力を誇ってみせ、一方で他者の居場所に踏み込むことを善しとしない考え方は、ロストグラウンドの過酷な環境下でアルター使いであるが故の葛藤を抱きながら生きてきた幼少期の心の傷への「反逆」という意味合いも強いのかもしれません。

 

  • 過去の体験から現状に依存する橘君曰く「嘆きも悲しみも無く、ただ前を向いているだけの愚かしいこの男」と酷い言われようですが、豪快に過去を振り切る思いっきりの良さは、彼から見れば羨ましいの一言でしょう。なんだかんだでカズ君と仲良くなった感のある橘君ですが、「皆幸せになるべき!」と主張しながら、カズ君にホーリー部隊の「侵攻」について問われて絶句してみたりと、過去の経験からあれこれ思う所はあっても、現状に対して自分なりに考えを巡らせて答えをだそうという「主体性」の欠如を垣間見せます。自分の考えに凝り固まり気味なカズ君に対して、冷静な状況判断を下す一面を見せる反面、それ自体が結局は自らの弱気をごまかす「建前」でしかないということで、カズ君にノーを突き付けられるのは、劉鳳と、正妻こと君島君位といった感じ。

 

  • カズ君にお金を渡して、あやせさんらの救出を「依頼」する君島君。「友達付き合い」ではなく、自分自身が全う出来なかった危険な役割だからこそ、あくまでも「仕事」として頼むし、本当に救いたいからこそお金を渡すというのが、前回カズ君からピンハネを疑われていたのもあって、君島君の誠意として印象深い場面。巧いなあ。

 

第8話「最悪の脚本(マッド・スト)」

  • 負傷した君島君(正妻)を介抱するかなみちゃん(愛人)。うーん背徳感。

 

  • ホーリーに潜入したカズ君の前に現れるクーガー。色々あったみたいだけど、なんだかんだで仲の良い兄弟って感じのやりとりが微笑ましい。

 

  • 脚本(比喩じゃなくてまんま台本)で他人の思考を操作するホーリー隊員・雲慶は、ドラマCDによるとTSK脚本の信者のようで。アニメキャラから慕われたり、食事会にCOATファミリーの1人が参加したなんて噂も立ったりと、つくづく都市伝説みたいな御仁ですね。

 

  • で、書いてる脚本はそんじょそこらのなろう系アニメもドン引くような主人公様マンセーマンセーマンセーごらんあっちからもこっちからもかわいくてキレーな女の子が寄って来るヨおまけに優しい先輩・同僚が懇切丁寧にお仕事を教えてくれて「カズ君はほんとの天才だってばよ」と勝手に高評価までしてくれて君の人生君が何もしなくてももうバラ色だねだから人並みの脳みそを捨て去って今度こそ猿へと退化しちゃいなさいウキキキキという、観てるこっちの脳みそまで粉々に破壊するようなシドイ脚本ですが、カズ君から見事に「つまんねえ」とダメ出しされるというオチ。最も、あやせさん達救出失敗という鬱ENDを「改定稿」とはいえ投入し、上げて落とすやり方は確かにあの人の作風です。

 

  • 前回つまんねと切り捨てた市街の「華やか」な生活に浸ってしまうカズ君。前回ちらっと出てきた過去の場面を振り返ると、強気でいながらもどこかでそういう生活を送る人々への「嫉妬」はあったのでしょう。それでもカズ君なりにそれまで荒野に見出してきた「華やかさ」と照らし合わせて、違和感を感じてしまったのも事実で、それ故に雲慶の能力を脱することが出来たと。劉鳳は感心してましたが、アルターの力を覆す精神力の勝利というよりは、単純に「つまんねえ」という気持ちが芽生えたが故の突破という感じ。