第7話「窃盗!?スケボー!?俺はカゲロウ!」
1話におけるツッコミどころが多すぎて、SAN値がゴリゴリ削られていきます。正直「スーパータロム」や「ガンとゴン」だって、もうちょっとバリアフリーに富んだ作品だったと思います。あかんこれじゃあ俺が死ぬゥ!
いつも通りといえばそうなので安定感があるといえばそれまでですが、相も変わらず放送禁止レベルのクルパーっぷりを発揮する一輝が強烈すぎます。
気軽に護るべき対象である筈の妹と銭湯の客に、悪魔事件の情報を流して協力までさせちゃうのもアレですが、弟の異変(職務一辺倒な弟が兄の悪魔退治に無関心、自分が何をしていたのか覚えていない)に対して「他人事かよ」とか「寝ぼけてたんじゃないっすかね」と至極淡泊な反応を示す様は、とても家族思いの長男キャラとは思えません。彼の「家族思い」がモドキだとしても、これまでウザい程に家族愛アピールを示してきた一輝がここにきていきなり冷淡になるのも不自然ですし。最も、前述のようにキャラがブレているというよりは元々どうしようもなく頭が悪い人ということで一貫はしているので、彼のキャラクターを楽しめる人的には無問題だとは思います。少なくとも私は楽しめてませんが。
窃盗を犯した息子を庇った医者に対する対応についても、「子供を信じろよ!レールを引くから脱線するんだよ。」と意味不明の供述をしており・・という有様。「子供を信じろ」というのは、自分の罪を認めるDQNの強さを尊重しろということなのでしょうが、一輝は彼の事をろくすっぽ知らない訳ですし、結局窃盗の前科でお先真っ暗な可能性大なので、結局信じる信じないの問題じゃない気もするし、「レールを引くから脱線」というのも、一輝は医者親子について近所の主婦の噂話で飛び出した「過保護」というまた聞きレベルの事情しか知らないし、子供の将来についてこうあるべきとあれこれ考える親の心境と子供本人の意思に纏わる問題が一輝自身に迫ったものとして描かれてきたわけでもないので、こんな風に断定的な口調で相手を評価する様は改めて母親の教えに逆行しているし、唐突に教育論を展開する辺り、話の都合でいきなりカバゴンと化したという印象しかありません。本作の玩具って、箱裏に「ママに一言」とか教育コラムでも載ってるんすかね?
弟の中の悪魔は弟の「兄がいない世界が欲しい」という気持ちから生まれたらしいですが、やはりこれもだからどうしたのという感じです。兄弟の関係に関する描写が薄い上に、弟が何故世界を守ることに固執したのかが分からないので、折角のドロドロ展開なのにまるでwktkしません。次回一輝たちの前でお披露目をするみたいですが、0感情で見送ること間違いなしでしょう。
博士はいきなりバイスに嫌悪感を示してみたり、ちょっとデザインをからかわれたらスタンプを譲渡するのをやめたりと、なんだかよく分からない科学者です。初変身時にテンション爆上がりだったのはなんだったのでしょう。
ゲストの件はお察しの通り終始0感情で観ていました。後付けで色んな情報が出てきてダラダラやってたら解決しましたという、謎解きのスリルなんて皆無なダラダラ構成もそうですが、「自分の生き方が分からなくてついむしゃくしゃして」と身勝手極まりない動機で窃盗行為に及んだバカ息子が、舌の根も乾かぬうちに「あんた、ウザイけど熱いんだな」と一輝に対してヘラヘラ笑いながらため口をきく様は、「あ、こいつまたやるな☆」としか思えませんでした。
なんだろう、今作に限ったことではなく、最近のニチアサライダーは新フォームとか新ライダーの販促、年間を通したお話だけではなく、一話単位でのゲストのお悩み相談的ネタの消化も課せられたり、それでいて目新しさを追及せねばという義務感からか、斬新さ以上にしちメンドクさや奇抜さばかりが目に付く設定や方向性でストーリーを進行させていく感じで、作品の装飾物が多かったり大きすぎたりと、それぞれでこすれ合い塗装もパーツも欠けてたり、飾り付けてみたらみたで本体との相性が悪くて何もしない方がマシでしたちゃんちゃんという状態。(抜けもあるからあまり断定的なことは言えないけど・・・)作品自体はどうしようもなくつまらないのですが、そんなこんなで近年のニチアサライダーを担当するライター陣についてはなんだかんだ同情的な気持ちもあったり。
つまらないなりにどこまで見続けることが出来るのか、どう着地するのかという、意地とわずかな好奇心が、視聴の原動力となっています。