しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

仮面ライダーアギト 第45話

・Y・お腹痛い人多すぎ問題

アギトの力を信じてきた翔一と真魚ちゃんですが、真魚パパの一件でその信用が崩れ、真魚ちゃんは翔一を拒絶し、翔一はアギトの力を人造人間に譲渡。

翔一曰く「優しくて明かるい人」であった雪菜が、アギトになって人を殺めたとなれば、翔一、真魚ちゃん共にアギトの力への恐怖が先立つのは道理ですし、特に翔一にとっては尊敬していた姉の豹変と言うことで、真魚ちゃんへの罪悪感と同時に自分が変わってしまうかもしれないという恐怖が高まり、彼女からの拒絶でそれが決定的になった様子。

「アギト」によって自分の居場所を全て潰されたと思い込む翔一にとって、アギトの力を奪い取ろうとする人造人間(沢木さん曰く「力そのもの」)は渡りにノアの箱舟ということで、多くの人々の未来を潰してきた悪の権化として描かれた人造人間が、主人公にとっては唯一の救い=神として映るイメージの反転っぷりは、実に本作らしい話運び。

そういう意味では、美杉先生(なんだかんだ犯人じゃ無かった)曰く真魚ちゃんのパパも雪菜の力に惚れこむあまり「超人を生み出す」とアレなことを口走っていたらしく、真魚ちゃん曰く優しいお父さんとして語られてきた真魚パパが、力に魅せられ野心に飲まれ、人体実験を強行してきたアレな人という反転っぷりもあり、「人は人に対してイメージを抱く。だが~」な作風がどこまでも徹底されています。元々力に飲まれかけていた雪菜が、真魚パパの野心に巻き込まれる形で実験に駆り出されて疲弊し、力への恐怖とそれを増長させた真魚パパへの怒りに飲まれる形で、自分を抑えられなくなったというブラックな背景を推測させる真相の数々。

 

・Y・古傷を抉る質問

アギトの力が分からなくなった翔一は、姉と同じく「アギトに飲まれた人」として木野さんに答えを求めるが、無力感に囚われる木野さんは「そんな俺に何ができる」と何も言えない始末。

そんな情けない木野さんを叱咤する浩二がかっこいい。

浩二「木野さん!いつまで昔のことに拘ってるんだよ!木野さんは医者として何人もの人を助けてきたじゃない!凄い人じゃない!」

木野さん「・・・。」

浩二「俺、ずっと木野さんの事尊敬してたんだよ。前にも言ったけど、俺の家、代々医者でさ。でも俺頭悪いし・・・。俺、木野さんみたいになりたかったんだ。木野さんみたいに強く、木野さんみたいに優しく・・・。」

木野さん「(浩二の方を向きながら)・・・。」

個人的にかなり好きなシーンなので台詞を全部書きだしましたが、劇中で何度も医者として他者を救う強さ、且つ自暴自棄になったかつての浩二としっかり向き合い、生きることについて語った優しさ等、劇中で積み上げてきた木野さんのかっこよさを、良くも悪くも常に木野さんの間近にいた浩二が、医者の息子として生まれ、医者になれない自分の無力に苦しんできたこれまでの経緯を持ち出す形で、木野さんへの敬意と共に表明するという一連の場面が熱い。

最初こそ訳の分からないチャラ男として出てきた浩二ですが、描写を積み上げていく過程でどんどん漢となっていく様が頼もしく、「凡人」が「天才」をある意味で凌駕していくという本作らしさも徹底しており、観ていて非常に気持ちがいい。

 

・Y・ソファーじゃなくてベッドに寝かすじゃダメだったのか

神様の攻撃から翔一を救ったり、沢木から彼の事を託されたりと相変わらず見せ場の多い涼がかっこいい。沢木の方は色々介入はしたけど、結局見守り役は見守り役でしかないという感じです。

 

・Y・岡田君良い線行ってたんだなあ

怪しまれていた美杉教授も、本当はアレになった真魚パパを止めようと必死で、それが出来なかった罪悪感から真魚を守る為、超能力に関する記憶を全て忘れて何も知らないフリをすることに決めたという真相が発覚。

ゼミの学生(公開処刑)や氷川さんの考えを頑なに否定し続けたのも、元々の研究者として立場からというだけではなく、真魚パパの事件を忘れたいという思いも強かったのでしょう。とりあえず犯人じゃ無くて良かったです。

 

・Y・一応事件の担当者なのに河野さんがひたすら何も知らない役どころなの冷静に考えなくても凄く悲しい

氷川さんが久々に登場しましたが、何やら目がちゃんと見えない様子で隼怪人に押されまくる有様。

パトカーの中から戦闘を見守る北條さんがそのことに気づいて、小沢さんが違和感を抱く描写が入らないのは聊かご都合的に見えますが、一人称視点で戦闘を見守るオペレーター職と、旗から観戦するのとでは気づきが違ってくるということなのか。