しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

恐竜戦隊ジュウレンジャー 第7話・第8話

第7話「みえる、みえる」

 

窃盗で服役中の父親に貰った大切な芋虫を、死んだ母親に似ているという理由で惚れた女の子にプレゼントしようとするゲストの少年、中途半端に盛られたバックボーンが良くも悪くも目を引きます。

母親が死んだ云々はともかくとして、父親が犯罪者ってのははやりすぎだと思うんだよなあ。仕事で忙しくて会えないことが多い父親が、プレゼントしてくれた芋虫って背景でも十分少年にとっての価値の重さは伝わると思うし。結局ストーリーに父親の犯罪云々はなんら関係しない上に、キャラ立てのネタとしてもなんだかんだで凡庸っちゃ凡庸だし、父親のそういう事情を踏まえると、ゲストの少年の恋が実ったと思しきラストの場面も楽観的に受け止められないしと、不純物というよりも不協和音だよなあ。

 

で、少年が片思いの子の為に成果を出すわけでもなく、交流を積んだダンが強敵を打ち破るわけでもなく、全くドラマに関わってこなかったゲキのアイデアで敵を騙して逆転するという、主人公ゴリ押しのクライマックスもいただけないです。一応プレゼントにする蝶を捕まえるという形でダンの見せ場はあったものの、それ以上に片思いの子の命を救ったという点でゲキの貢献度の方がどうしても強くなってしまうし、自分が大事に思っているという理由だけで、一度嫌がられた芋虫をまたプレゼントしようと言わんばかりの少年とダンの言動も独りよがりなイメージが強くていかんです。子供を目立たせよう引き立てようと言う狙いはともかくとして、子供のエゴに向き合えないというのはちょっとアカンと思います。

 

第8話「恐怖!瞬間喰い」

 

バーザ(無能)の知り合いの妖精ノーム。無能ではないのかもしれないけど、自分で言う通り性格が悪いです。試練を与えると言えばそれまでですが、その内容が「嫌いなものを残さず食べる大食い大会」というのは、いくらなんでもばかばかしいと思います。戦士の精神修養の一環なのでしょうが、物理的に腹が膨れたらなんぼ精神力だけじゃどうしようもないと思いますし(てかこれ、ボーイ以外は早々にギブアップしてるからチーム全体の底上げにはつながっていない気も・・・)、嫌いなものを食べたら勇気を認めてもらえるというのも、「地球を守る戦士に必要な勇気」としてはグレードが低すぎる気もしますし、「子供向け」というよりは「子供騙し」の次元に突入している印象。

夢のクレヨン王国」のクラウドも修行の一環でピーマン嫌いを克服する一幕がありましたが、あれはクラウドの根っこの傲慢さを解きほぐす意味合いの方が強かったわけで、今回の様に「好き嫌いせず食べたら御褒美あげるよ」なんて物との交換条件で釣る話とは次元が違いますし。そもそもニンジン嫌いの伏線なんて無かったし、ノームの登場も唐突で、根本的に構成が滅茶苦茶。

 

で、第6話でチームワークを唄いながら、自分は早々にギブアップしておいて、ニンジンを嫌悪するボーイに対して平然と「そんなこと言ってる場合?食べて!」と役割を強要するメイや、応援の言葉一つかけないゲキ達を見ていると、この戦隊の結束力にはどうにも疑問符が付きます。勿論前述のように、たかが好き嫌いで地球を救う手立てを失うヒーローというのも情けないのですが、一応地球を救う為の試練を自分達の代わりに挑んでくれている仲間への態度としては、あまりにも雑でそっけなく思う所だし、ノームも「よく頑張った。お前の勇気と子供を助けたい気持ちに心打たれた」とボーイの人参克服までの食べっぷりを評価していたのを見ると、ここ一番の所で仲間を煽るか、励ましの言葉すらかけることもできないアレな人達という印象ばかりが募ります。これならこの展開を以てして結束力の無さを打ち出し、チームワークを見直す展開にした方が全然筋が通っていたと思います。