しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

「水星の魔女」を観た②

機動戦士ガンダム 水星の魔女」の第2話と第3話を観た。えぇと、こんなにつまんなくてええんでしょーか。

 

キャラのデザインや背景は小奇麗且つ繊細でよろしいんだけど(真っ暗な画面が多すぎて窒息しそうになるけど)、例の如くシナリオや演出がショボすぎ。プロットをのんべんだらりとなぞっているだけで、面白く見せよう楽しませようという工夫がまるで感じられない。寝ちゃうぞ本当に。

 

第1話では、学生同士のMSによる決闘だとか、美少女同士の百合だとか、ファンネルどぴゅどぴゅナカはまずいから脚や手にかけちゃいました(^_-)-☆だとか、イヤラシイ程に派手派手な要素をちらつかせてヲタを釣ってきたと思ったら、次の回ではおっさんおばはんによる会議シーンがダラダラ展開され、ガンダムや百合カプはほぼ出番なしというのはあんまりじゃないか?会議自体も、企業のお偉いさんたちが只管「エアリアルガンダムなのか、ガンダムじゃないのか」を喧々諤々するだけの至極どうでもいい内容で、日曜の17時に見ようものなら、虚無感が5割増しになること必定です。

そもそもこんな議題を扱うということは、それはつまり「ガンダム」なるシステムを禁止事項とする一方で、お偉いさんたちはその定義付けすらまともにしていないという証左であり、一連のやり取りが、只管作中人物の頭の緩さと、加齢臭のみを撒き散らすだけってのは、結構ヤバイと思うんだよな。なんというか、純粋におにゃのこ同士のペロペロくちゅくちゅや、ロボ同士の殴る蹴る斬る撃つという、如何にも通俗的な内容に終始してたら作品のグレードが下がるので、山崎豊子風の硬派な経済ドラマも盛り込んでみました的な、スタッフの自己欺瞞を見出した気分だわ。

別に私は百合オンリーでもロボットバトルオンリーでも構わなくて、扱うジャンル特有の魅力を存分に引き出してさえくれれば「水星の魔女大好き!アンチは地獄へ池!」となんぼでも書いてあげちゃうんだけど、本作はそういう良い意味での「バカっぷり」が見いだせないんだよな。自分の足元を見ることなく、やたら背負いこんだ姿勢であれよこれよとのべつまくなしに手を出し、当然の如くそれぞれの本質を突き詰めることなく、正面衝突してぐしゃぐしゃになった諸要素の残骸のみが散らばる地獄絵図を作ってしまう予感がビシバシ迸っていてるっていうか。大して器用でも無いなら、何をやるかをちゃんと絞らないと、あれもこれもと中途半端になるだけだよ。

 

で、3話目にもなると流石にMS戦をやらないといけないということで、初陣で負かした機体のグレードアップ版とエアリアルが戦うんだけど、2戦目にしてエアリアルが早くも苦戦し悪い意味でおったまげ。水気のせいでビームがまともに使えないという設定自体は良いんだけど、第1話で敵MSを瞬殺して強さを発揮した機体が、たかだかスプリンクラーのシャワーのせいで急にヘタレと化し、腕まで持っていかれてしまうというのはどうなんでしょか。馬鹿強くて色々禁止されちゃったりするスゲエ機体というよりは、糞雑魚ナメクジも良い所という哀しい印象しかないんだよな。強さの演出はあっさりだけど、弱い所はじっくりことこと映しますというのでは、興奮も糞もないし、あれだけガンダムの特異性についてやり合っていたのが馬鹿みたいに思えてくる程だよな。そういう意味では、やっぱり「シークエル」のびっくり情報の小出し展開の方が、下手にボロを見せる必要もないだけまともに思えてきちゃうんだよな。販促重視のTVシリーズと、一部マニア向けの漫画展開とでは、求められるものが違ってくるから一概に比較は出来ないんだけど、今エアリアルのプラモを買うかと聞かれたら、全力で「ノー」と答えます。(そもそも売ってねえけど。)

 

それにしても、肝心要の人間ドラマは、これまあ死ぬほど退屈というか。群像劇を描いていきますってライターの意気込みを感じさせるくらいには、多種多様なキャラにスポットを当て、それっぽい行動や仕草をさせて物語に引き込もうという仕込みが行われているんだけど、どいつもこいつもキャラが薄くてきついのよね。

主役のスレッタは相変わらずの母親譲りの精神論を展開して、何故かグエルのハートまで射止めているんだけど、本気でそう思って行動しているとは思えないんだよな。ミオリネを殴ろうとしたDQNを止めて見たり、MSに乗ってDQNと戦ってみたりとか、所々で勇敢な姿勢を見せてはいるんだけど、温室の植物が今破壊されているその時に何をやっていたかというと、ただおろおろして周りの人間の様子を伺うだけで、理不尽に対して勇気を持って糾弾できる人間には見えないのがきついよな。きょどりながらも勇気を振り絞って戦うとかなら分かるけど、それを達成するまでの過程もろくに描かれなければ、偉そうにいけしゃあしゃあと他人に披露してみたりするんだもんなあ。再度挑戦してきたグエルを馬鹿にする上級生(?)に抗議したのも、その前に「一回負かしたグエンが相手で良かった」なんて罵倒以外の何物でもない発言を平然と放った後でやるもんだから、頭の壊れっぷりだけが目に付くもんな。

 

ミオリネはアクの弱いカミーユって感じ。カミーユのようなあからさまなキチムーブこそ無いけど、それが無い故によくある「大人は汚い系自己中キャラ」以上でも以下でもなく、可愛いロリ顔にタイツがえっちな女の子って印象しかないんだよな。

それにしても、正統派美少女同士の絡みで騒がせた「リコリコ」の後に、ちょっと臭そうな獣系女子とロリ女子のカップリングを持ってきたという被りの無さとタイミングについては、制作会社同士の談合を疑っちゃう気分だぞ。

 

グエルに至っては、イキリDV系DQN以上でもない印象だったのを、3話目になってやたら自己流に拘るキャラ付けで押された挙句、自分が父親のバックアップで強くなっていた事情を殆ど知らないスレッタからの「強かった」という言葉を聞いただけで、惚れちゃって平伏しちゃってというテキトーっぷり。おいおい、あのDVキャラは何処行った?登場人物の惚れた腫れたなんて、それこそ積み重ねがなんぼだと思うんだけど、急に生えてきたキャラ性と、登場人物の頭のガバさで、突貫工事で恋愛脳になるのが哀れすぎるんだよなあ。