しがない感想置き場

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王様戦隊キングオージャー 第3話

「ドンブラ」FLT、敏樹が脚本書くのね。もう本編じゃないかなこれ。

 

「ドンブラザーズ」の影響からか、第1話から破天荒な言動で存在感を示そうとするキャラを出してわーきゃー騒がせるといった内容が続いている印象です。それ自体は構いませんが、問題はやり方がアレということ。

 

ヒメノのキャラですが、作中で必死に「一見クズだけど実は良い奴!」みたいなまとめ方でマンセーしようとしているけど、一見通りのクズだと思いますはい。

どんなに良いことを言っても、平然と従者をコキ使っていることは確かだし、ドレスが汚れても結局他人に直させるんだから、例え自らが尊ぶ「美」を汚してでも誰かを庇うことの凄味も全然出ていなかったっす。「我侭」故に「個人の夢と自由」を尊重するキャラなら、したいこと位他人に頼らず自分でやるのが筋だし、従者への無理難題だって控えろよって話で。

 

仕立て屋の娘が詐病による公金詐取(?)をしていたのだって(これも普通にひでーことなんだけど・・・)結局仕立て屋の暮らしが貧しかったから以上でも以下でも無かった訳でしょ。娘の為に素直に働く意志を示していた辺り、全くやる気の無いダメ親父って訳でも無かった感じだし。衣装を一着仕立て直させて雇用創出おめ!みたいなオチに結びつけて王様の有能さを表現したというよりは、我儘ばかり言って国の治安と経済をガン無視してきたダメ王様の気まぐれの結果って印象の方がどうしても強いですね。

 

ギラも「レインボージュルリラを子供達に食わせるんだ!」とかなんとか言ってますが、それよりもまずはラクレスとの対決が先なのでは?信用できない王様の下、自分たちの弟分を生活させておいて平気なんですかね。呑気に食ってないでさっさとキングオージャーで国に帰ろうよ。俺様ごっこ飽きたよいい加減。

 

すぐに解消しちゃったヤンマのヒメノへの恋慕はなんだったのか。一応それまでに面識があったのに、いきなり顔面にひとめぼれみたいなノリで恋されても困ります。女の本心を見抜けないヤンマのちょろい一面を見せたかっただけかもしれませんが、愛嬌と言えるほどの面白味も無いですし、不自然さの方が勝ってますね。

 

前作はバブルの頃から戦隊シリーズの執筆を行っていたベテラン作家がメインを務め、今作はつい最近出てきたド新人さんが担当という、強烈無比な対比が印象的なスタッフ構成ですが、百戦錬磨の作家の作風を真似して見事にこけてる感が凄いですね。なんというか、前作の破天荒なノリをちょっとは踏襲しようぜってスタッフ間での合意があって、それを新人がなんとか吸収しよう活かそうとしているんだけど、キャリアの浅さが災いして巧く出力出来ていないというか。

 

なんというか、ギラのとってつけたような王様ごっこ設定や、ヒメノやヤンマのDQNマンセー路線とか、「ドンブラ」(井上脚本)の妙味を勘違いした感じが凄いんだよなあ。タロウは実際に凄い奴だからこそ俺様キャラが生きる訳だし、はるかも猿原もクズい部分は沢山あったしなんならキングオージャーのメンツが泡吹いて倒れる位はDQN度に関しては上だと思う個所も沢山あったけど、それでも良心の部分は本人のキャラクター性を照らし合わせて無理なく演出していたし、それでいてこれ見よがしに称賛させるなんてこともなかった。あの作品は確かにカオスだし、どう贔屓目に見ても至らない部分も山ほどあったけど、それでも今尚俺の心を掴んで離さないのは、そういう微妙な部分での配慮や裏付けが精密に働いていたからこそ、魅力として映る部分もまた沢山あったからで、本作にはそういう「器用さ」や「知性」というものが全然感じられないんだよなあ。作家が別ジャンルでのベテランではあったけど、仮面ライダー剣」の序盤を思い出さずにはいられないぞ

 

いやなんと言うか、ライターの高野さん、劇薬「ドンブラ」の後で戦隊の復興なんて重い責務を背負わされた上に、携わる作品の方向性がこれまた奇抜そのものと来ているので、執筆に伴うストレスが段違いで掛かっていると思われちゃうのが辛いよなあ。どこまでが誰の裁量・決定で動いてるかなんて知らないけど、「こんなホン書いてからに!」って嫌悪感ってより「とにもかくにもお身体優先で・・・」という労わりの気持ちが先行しちゃう今日この頃。作り手も受け手も笑えないよ助けてドンモモタロウ。