しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

水星の魔女を観た⑨

第14話です。

大勢の登場人物が事態の急変に対して何かしらのリアクションを示す回でしたが、群像劇特有の個性の交錯による面白さなんてのは感じられず、只管キャラが喚いたり叫んだりしているだけの耳栓必須の内容でした。ソフィが言う所のエリクトの「優しい声」と対比させたかったんだろうけど、それだってアレな人の主観によるものなのでなんとも言いようが無いです。

 

ソフィが遂に最期を迎えたようです。「遂に」とは言っても、これといって印象に残る活躍をしていた訳では無いので、無味乾燥極まりない印象を抱いてしまいました。

恵まれない境遇故に人並みの暮しも暴力で勝ち取らざるを得ない彼女の生い立ちを、そのささやかな望みを今際の言葉として口にさせることで単なる殺人狂に留まらない人間味を表現したかったのかなと思う一方で、戦闘の中でスレッタ(正確にはエアリアルの中のエリクト)に対して絆を見出す姿には最後まで何の共感も出来なかったので、壊れてしまった普通の人として見るべきなのか、そもそも根っからの狂人と見るべきなのかが分からなくなってしまったのは残念でした。

結局これも、描写が足りな過ぎるの一言に尽きるんですよね。孤児としての渇望っぷりこそ彼女の私物(家族と呼ぶボロボロになったぬいぐるみの数々)等から仄めかされてはいたものの、何かを求めて戦ってきたであろう彼女達の生い立ちも描かれず、その為価値観も十分掘り下げきれなかったことから、スレッタ(正確にはエリクト)に惹かれる彼女の電波っぷりが目立つ始末で、一連の台詞もやかましいだけのノイズでしかありませんでした。

 

それにしても、ガンダム2機とガンビット10機近くを秘密裏に学園に持ち込めたのは凄いと思います。学園に入った二人があれこれ工作した結果なのでしょうか。それともシャディクが一晩でやってくれましたってことなのかしら。何だかよく分からないけど、気にしたらダメなんだろうなあ。

 

スレッタについてはもう感情移入とかそれ以前に何がなんだか分からないの一言で、このキャラを好きとか嫌いとか言い切れる自信すらない。未だチュチュの方が「嫌い」と言い切れるだけ分かりやすく描写されてるだけマシだよな。

ソフィに「エアリアル武器持ってるじゃん」と言われてハッとする場面だって、「決闘用」と言い切ろうと思えばいくらでも言えたわけだもんなあ。前回決闘を持ちかけたのはスレッタ本人からだし、実際作中では殆ど決闘しかしてないし。頭も弱いし何考えているのかも分からないし、彼女の動揺や願いに何一つ共感出来なくなってるんだよな。

 

グエル弟に関してはもう目も当てられないです。人生が狂ったのをスレッタのせいにして攻撃を仕掛ける様には、どうリアクションを取れば良いのか分からずじまいでした。

なるほどステータス的には、兄貴は粗暴で落ちこぼれで行方不明、父親は死亡し、家業は自身が継いでいるという苦労人的立ち位置なのに、その苦労人としての描写があまりにも薄く印象に残っていないので、スレッタに昂る感情をぶつけようにも全然決まりません。仕舞いにはいつのまにか彼女まで作ってたりと、こんなにあれこれ背負っているのに空気になるキャラなんてそうそう居ないけど、別段他が凄まじく濃いわけでもないんだよなあ。