しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

仮面ライダーアギト 第6話

・Y・型破りなボス・堅物装着員・普通の人代表オペレーター

二度も被害者を助けてもらったと言うことで、アギトの味方認定する小沢さんと氷川。

まあ、一度G3を襲った後は全くちょっかいを加えてこなかったし、命の恩人であり罪のない人々を守る正義の人として氷川が理解を示すのは分かりますが、小沢さんの方は前回懐疑的だったのが「二度も助けたら味方」とよくわからない理由で考え方を変えるので、尾室君が呆れるのも良く分かります。

 

・Y・翔一の明るさ
「守ってくれる人がいます」と励ましたり、菜園で採れた野菜を送ろうとしたりと、アンノウンに襲われた真由美さんを気遣う翔一。
いい男アピールもある程度含まれているとはいえ、現実の非情さに打ちのめされた真由美さんにとっては、屈託なく接してくれる彼の陽気さが、それ相応に救いになったのではないでしょうか。
今回、翔一自身は真由美さんの為に戦うことは無かったけど、彼が言った「守ってくれる人」は確かにいました、という流れが諸々の積み重ねの上でしっかり成立しているのは、地味ながらアツい部分。


・Y・守ってくれる人

真由美さんを狙うコブラ怪人の前に立ちはだかった涼は、緑の戦士=ギルスに変身してコブラ怪人に殴りかかる。

ギルスの影が涼の傍に歩み寄り、次のカットで涼の姿が消えているという変身シーンは放送当時から印象的でしたが、真由美の前で変身した時は、肉体が異形の姿に「変形」していたりと、1話の中での見せ方が多様で、それぞれにインパクトがあり「謎の戦士」というイメージを大いに駆り立てる所。

 

ギルスの見た目はかっこいいので大好きですが、普通はこんな姿になったら誰もが怖気づくわけで、真由美さんも変身した涼に愕然とし、彼を拒絶してしまいました。

アバンで自分を襲ったコブラ怪人を「人間じゃない」と言い、変身した涼を指して「同じじゃない」と切って捨てる彼女の言動(※)が、涼や視聴者の心をグサグサ抉っていく構成も良いのですが、なんだかんだで自分の言葉で涼を拒絶し、彼を救えない自分の無力を素直に謝罪した真由美さんが、表面上では味方を装いながら、裏で他人を介して突き放したコーチと対に成っており、前回手痛い裏切りを見せつけられた涼へのささやかな救いとして、はたまた失望以上に悲しみを自覚させる現象として機能するというのが良く出来ています。

 

化け物になった涼を受け入れることは出来ないけど、涼と過ごした時間の重さや彼の優しさは嘘ではないと思っているし、だからこそ、拒絶も謝罪も自分の言葉で行うべきでという、真由美さんなりの誠意と愛が感じられる場面であり、だからこそ失ったものの大きさが響いてくる。

 

そして、拒絶されながらも苦しむ彼女を労わり、自分の人生を狂わせた化け物としての力を、彼女を救うために行使する決意を下した涼はかっこいいし、それによって、翔一が自分自身を指して言ったであろう「あなたを護ってくれる人があらわれます」が予想外の形で実現し、でも真由美さん自身はそのことを知らないまま何も気づかずその場を去っていくという切ない流れを受けて、処刑用BGMに合わせて激しくアクションが展開されるという、分かっている人の作り方が非常に素晴らしい。

 

※常識を超越した存在であるが故に、善意で接しても魔性の者と同一視され、庇護の対象から迫害を受けるという展開は、現在配信中の「ザンボット3」と被る所で、どちらも面白いだけにこういう偶然はちょっと嬉しいポイント。