しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン28話

ドン28話「ひみつのヒミツ」

 

青田武夫と伊集院瑞穂の会話だけで、ご飯が進む回。

 

「2度モデルをするのは初めて(飽き性の伊集院が再度モデルを務めた時の台詞)」とか「画家は見ることで対象を縛る」とか、パンチの効いた台詞が急所目掛けて次々と飛び出す会話劇の迫力に圧倒されっぱなしでした。ある程度バイアスが掛かっているのは認めるとして、自身の茶目っ気や哲学を、誰でもない己が言の葉に乗せて伝えることで、互いに存在感を発揮していたかと思います。こういう人達だからこそ、縁を見出し男女の仲に発展したのかもしれません。

 

ソノイの死後に、「芸術」について触れたのも良かったと思います。青田は伊集院を描きながら「画家は対象を縛っている」とか「僕だけの君が僕を通してキャンバスに現れる」と、モデルである伊集院を必要としながら、どこか彼女をないがしろにし、実在の彼女よりも絵の中の彼女こそ絶対と言わんばかりでした。伊集院の方も「どっちが好き?」と聞いていましたし、目の前の伊集院に対して自分の理想を押し付け、それをキャンバスに表そうとする、ソノイが言う所の「欠陥を塗りつぶそうとする虚飾」めいた態度があったように思えます。描くことで伊集院の事を「理解出来そうな気がする」と言ったのも、自分の理想を芸術作品として表現する過程で彼女をモデルとして観察することで、彼女の欠陥をも見つめているという、皮肉交じりの言葉だったのかもしれません。

そういう画家として、男としてのエゴを自覚していたからこそ、己の理想を表現しきれなかった絵を失敗作と捉えたのでしょうね。完全を求めながら、尚もその実態を見出しきれなかった男の愚かさと業の深さ。それを「大きな愛」として肯定的に受け止める犬塚の前で、青田の気持ちを汲んで絵を燃やす伊集院。丁度ソノイが「想いを残さないように」と言ったように、くすぶっていたやり場のない欲望を完全燃焼し、葬られることで誰にも明かされぬ「秘密」となった。ソノイとタロウの関係も、二人以外はロクに知らないもんね。来週以降掘り起しそうな気がしてならないけどw

 

一応触れておくとして、トラドラオニタイジンはゴーバスのロボみたいで正直微妙ですね。玩具の方は合体させると滅茶苦茶重くて良いのですが(戦隊ロボは一応ポピーの合金玩具の系譜として見ているので)、上半身が肥大化したのと、股間部が可動する関係で、持ち上げた時腰巻と腿で指を挟むところでした。小さいお子さんも大きなお兄さんも注意が必要ですね。