しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン40話

ドン40話「キケンなあいのり」

 

「アギト」や「キバ」のみならず、「海の底のピアノ(※)」でも見たような場面が目白押し。同じライターが書いてるんだからそうなるんだろうけど、前に使ったネタを平然と使いまわすのはやっぱり井上家のお家芸なんだろうなあ。ドン4話の犬塚の台詞だって「913」に出てきた弁護士のそれまんまだったし、いつの時代だろうと井上敏樹井上敏樹なのです。

 

人の良さが光る犬塚。恋人の夏美は勿論、自分を追い回していた刑事まで救おうとするのは、「縁」を押す本作らしさも感じさせます。(殺しちゃったみたいだけど・・・。)

夏美に惚れた理由については、あくまでも「理由はない」とのこと。最初は舞台で演じていた彼女の格好良さに「好意」を抱いたようだけど、そこから彼女のことを徐々に知って行き、いつの間にか彼女自体をそのまま好きになった感じかな。ソノニもただ女優としての夏美がキレイだったからという理由だけじゃ、犬塚が存在しない夏美との絆を信じて生きていける説明がつかないので「何故好きになったのか」と態々聞いた訳で、その人の特定のイメージに寄りかかるのではなく、ただその人自身が好きだという「理由のない愛」が、不条理故に得体のしれない底力として伝わったのかなと。

ただ、ソノニ自身はそんなスゴイ愛がどうして存在するのか、どんな風にそんな気持ちが生まれていくのかについては理解できていないと思うけど。少なくとも、今の彼女は犬塚の抱く「愛」が持つ凄味の正体を確かめようと、興味を強めている様子というか。

 

じゃあソノニが犬塚のことを好いていないかと言ったら違うと思っていて、ムラサメという強敵に襲われて自らも命が危ないという時に、共に逃げる選択肢を選んでくれた翼の良心にはそれ相応に響くものを感じたのだろうなあと思う所。じゃなきゃ翼に対して偽りの夏美救出方法(=夏美SATSUGAI方法)なんて伝えない訳だしね。ソノニとしてはかつて翼が舞台の上の夏美に対して好意を抱いたように、逃走の中で生じた翼への「理由のある好意」が「理由のない愛」に変わる過程を確認したいから、その為に「当事者」になりたいんだけど、その席は夏美が独占してるから邪魔だって話だよね。翼はソノニが自分を庇ってくれたことから、彼女が自分を貶めるとまでは思っていない様子なだけ質が悪いなあ。

 

しかし彼女の行動を見ると、脳人ってやっぱり極端な性格の持ち主ばかりで危ないなあと思う所。ソノイも今じゃギャグキャラムーブが目立つけど、やっぱりヒトツ鬼は人間事処刑の考え方は基本変わらないし、同族のソノシを一度殺しかけたりと、ストッパーは芽生えてはいるけど、ひとたび障害となったら、相手をゴミとしてしか認識できない冷酷さを持っているというか、結局そこは悪役なんだなと。じゃあヒーロー側のタロウやジロウはどうかというと、ジロウはあの処刑宣言があったし、タロウは「ダメなヤツなどいない」という考え方はそれ自体が極端と言っても良いわけだし。

 

そう考えると、魔進鬼の中の人を抹殺し、犬塚を警察に売った雉野はある意味で脳人らしいというか。有能であってもけしてその心が清らかかどうかは分からないということで、人間臭さだってあるんじゃないのというか。

 

今回はるかとムラサメの一騎打ちが展開されましたが、やっぱり彼女も獣人なのかなあ。演じるとかアバターとか嘘とか本物とか、それっぽい要素はモリモリ含まれている本作なだけに、(最近影薄いけど)主役級の彼女の扱いもかなり気になってきています。

 

※「自動車教習」と「一時的な視力の低下」ネタが最高に嫌な形で使われてるので、一読推奨しときます。