しがない感想置き場

特撮番組とかアニメなどの感想を投稿します。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン39話

ドン39話「たなからボタンぽち」

 

ドンキラーとドンキラーキラーはもう出ないんだろうなあ

強敵っぽい何かで、1話まるごと引っ張ったショーもない回ではありますが、細かい見所はあったのが救い。

 

タロウ「もっと面白い物を描いてから死ね。」

これは格好良かった。嘘をついたら死ぬだけに、勝つ手段が無いから覚悟を決めろとしか言いようが無いけど、めっぽう強いキラーに対してやるだけの抵抗はやるし、お供を死なせたくないタロウなりの優しさも感じられました。マスターのからし投入と同じく「ささやかな抵抗」ではあるけど、その抵抗には確かに当人の意地が込められている。この展開を後に挟んだことで、あのバカギャグに相応の重みが出てきてしまうと言うのもズルい。

 

キラーと一生懸命戦う一方で、あくまでもソノイの参戦を拒む所も印象的。確かに相手は共闘して勝てるかどうかも分からないレベルで強いし、最悪巻き添えにしてしまうかもしれない。ソノイとの関係は、ヒトツ鬼を巡る戦いにおける「宿敵」ではあるけど、それ以外の局面では相応に通じあえる仲でもあるからこそ、ヒトツ鬼の介入しない身内の戦いで命を落として平気で要られる程、縁遠い相手ではないということなのでしょう。とげとげしく余所余所しい台詞の裏に、苦悩が垣間見えます。

 

雉野は持ち前の図々しさを発揮し、なんだかんだ最後まで諦めず。猿原の様に運命に流されて死ぬスタイルではなく、あくまでも生きることに執念を燃やしています。みほが居なくなっても自害することもなく、人形で精神を安定させていた辺り、非現実の中で自分を騙すことが出来るタイプなのでしょう。キラーに負けたのにあくまでも「ヒーロー」として自分を鼓舞し、強いキジブラザー像を堅持する様は、逞しさすら感じさせます。

「平凡」故に簡単に死を受け入れることなんて出来ないし、恐怖や不安を紛らわすために妄想の世界に閉じこもる。「超人」のあり方としては情けないのかもしれないけど、一方で自分の人生を最後まで投げ出さないという、情けなくて弱い人間なりの執念であり誓いであり、ここ最近、気持ちの悪さばかりが目立っていた筈の雉野つよしが、何だか凄くかっこいいぞ。

なるほど「想像力は時として、現実と同等の力を持つ」というのは、たとえ縋るモノが嘘であっても、それがその人の心や人生を支えるという一点では、現実となんら変わらないのではないかということで、猿原イズムが他人の手で実践されていますが、どうする猿原?ナルシズムに浸ってる場合じゃないぞ。

 

ジロウの正体については、もうちょっと折り紙癖の伏線を張ってほしかったんだけど、まあ元々バグみたいなお兄ちゃんなので、どんな正体だろうと「まあこいつならさもありなん」と納得できるのは救いかなと。暇だから折っただけとかいうのは無しですよ?